21XX年12月8日
初の学園物スタート!!
妖怪退治が主流になると思います
21XX年12月8日。何の因果か真珠湾攻撃と同日、第三次世界大戦勃発。
ロシア、アメリカ、イギリス、中国等の強豪国を退け戦争に勝利したのはサムライの国日本だった。
日本は火器を全く使わずにこの戦争で勝利し、多大な領地を手に入れた。
なぜそんなことが可能だったのか?
それは相手国にも日本国民にも知る者は少ない。
11年後・・・
日本中の至る学校にある組織が置かれた。その名もNo Ⅴalue。
略してNⅤと呼ばれている。
その概要は謎に包まれており、今や都市伝説と化している。
「ってね、そんなに大したものじゃないってのに」
そう言って指で鍵をクルクル回している少女は津田佳奈。
髪型は黒髪のショートヘアで服装は飯島高校の制服のセーラー服。世間一般的な物で探せばどこにでもありそうである。
パッチリと開いた大きな目はどこか宙を見ている。
「佳奈はあの化け物を焼いてるだけなのに」
「それだそれ」
黒髪の相棒の少年は欠伸をして返す。
少年の名は鎌田龍樹。
同じく服装は飯島高校の男子の制服である夜の闇に溶けていきそうなほどの黒の学ランに黒のズボン。
顔はかっこいいわけではないがかといって醜くもない。
要するに中の中である。
「何で!?あの化け物を焼くことのどこが?」
「俺が言いたいのはそんな口調で話す女がいるから政府も大っぴらにできないってことだ」
「ひどーい!!まるで佳奈が女じゃないみたいじゃん」
「みたいじゃなくてその通りだ。・・・・・・っと、ここか」
佳奈から鍵を奪い取り、龍樹は目の前の建物の扉を開けた。
建物は今では廃部となった飯島高校野球部の部室だ。
扉を開けた瞬間、子犬くらいの大きさの生物がキイッと金切り声を上げながら龍樹に飛びかかってきた。
龍樹は驚きながらもそれをかわした。
「危なっ」
「やっぱし、ゴブリン。でも何で外国のが?」
不思議そうにそう呟いて佳奈はゴブリンの首を掴み、持ち上げた。
ゴブリンはじたばたと手足をばたつかせている。
突如、ゴブリンの体は炎に包まれた。
ゴブリンは身を焼かれ、消し炭となった。
「よし、仕事終わり。龍樹、帰りに何かおごって」
「肉まんならな」
そう言って二人は野球部部室を後にした。
あとは部室前に炭化したゴブリンが残されていただけだった。
帰り道、佳奈は龍樹に尋ねた。
「ねえ、あれは何をしたの?」
「別に何もしてねえんじゃねえ?何だ今頃同情か?」
「それもちょっとね。ただ可愛かったからちょっと飼ってみたかったな~って」
「悪趣味な奴だ」
「あっ、コンビニ。早く肉まん肉まん!」
龍樹の苦言を無視して、佳奈は一人でコンビニに走って行った。
龍樹も渋々後を追った。
すると、コンビニから出てきた佳奈が叫んだ。
「やっぱあんまんにしていい?」
「好きにしろ!」