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転々転生  作者: まつり
転生しました。

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死、転生、そして死

過去に完結まで書いた話のリメイクです。

2ヶ月程で40万文字という、今考えたらイカれたペースで書いた為、誤字脱字ありとあらゆるミスをしていたので、ちまちま書き直す事にしました。


なんでって?恥ずかしいから。

なんでも一つだけ。

貴方の望む力を与えましょう。


真っ白な空間で、優しそうに微笑む男の人にそう言われた僕は、悩んだ。


まず、今置かれた状況の理解にも4時間は掛かった。

ざっくりと言うと、死んで、相性の良いこの神様に拾われて、生まれ変わらせてくれるらしい。


しかも、一つだけ力をくれた上で。


何で死んだかなんて覚えていないし記憶も曖昧だけれど、悩むというものだ。


本当に何でも良いの?と聞くと、本当に何でも良いらしい。

この神様、意外とフランクで、僕が何を話しても普通に返してくれる。

時間が経つにつれ、段々とただのイケメンとして接していたくらいだ。


話の流れで、じゃあ、瞬間移動とかにしちゃおっかなと言うと、本当にそれにしてくれるとか。


すごく便利だと思うし、何となく記憶の奥底に、電車通勤の面倒さもあるから、我ながら良い選択をしたと思う。


便利な力を使いながら、世界を旅してさ、まだ見ぬ美味しいものを食べたりとか憧れるじゃないか。


たくさん悩んで、時間を使ってごめんよ神様。

僕がそう言うと、神様は笑いながら、暇が紛れて良かったと言ってくれた。


「相性の良い魂なんて何百年に一度とか、本当にそんなもので。

人と話すのなんて久しぶりだから、私も嬉しかったですよ。


次に会うときは、貴方が死んだ後でしょうか。

魂の形は変わらないので、何十年か後、貴方貴方の人生を生きて、老衰した後にまた会いましょう。」


神様が手を挙げ光り輝き始めると、流石に神々しい。

謎に日サロマシンのある温泉に行ったときに、野良のギャル男が中で寝ている時に感じた時と同じ感覚だ。


「何かヘンテコな敬意を感じますが…。

では、また。

貴方の今世が幸せなものであるように、願っていますよ。」


ありがとう神様。


光に包まれた僕が次に目を覚ますと、無人の教会に座っていた。


神様から聞いていた通り、平和な街の外れにある人気の無い所へと降ろされたみたいだ。

外にも人の気配を感じず、小さな鳥の鳴き声が聞こえてくるほど清閑だ。


体を少し伸ばして立ち上がり、自分の手をまじまじと見てみるが、多分前世のままだろう。

手は割りかし見慣れた自分のパーツだから、間違い無い。


教会から出て辺りを見渡す。

外は薄暗いというよりは、これから夜が明けて行く時間。

ここは小高い丘の上にあるらしく、遠くの門の門番が欠伸をしているのが見えた。


こんな所にこんな時間にやって来る人は居ないだろうから、パッと現れるところを見られず都合は良さそうだ。


これから僕は、少しだけ特別な能力を持ってはいるが、この世界で普通の人として生きて行く。


あの神様が見てくれているなら、楽しく過ごせそうだ。


街へ行くのも楽しみだけれど、まずはこの人のいない場所で、貰った力の確認をしたい。


おあつらえ向きに教会の横には鐘塔が併設されており、あの上に飛んでみるのが良いかもしれない。

高い所へ行けば、更に街の様子を詳しく見られるだろうしね。


たしか、念じれば使えるって言ってたなぁ。


僕は、塔を見ながら、飛べ、飛べ、と強く念じる、


ギュッと目を瞑り更に強く念じると浮遊感を感じて、能力の発動を本能的に感じる事が出来た。


これが魔法的な力を発動すると言うことか…。

感動だね。

魔法なんてない世界から来たから、それだけで感無量だ。


さぁ、新しい世界を、塔の上からの拓けた景色で始めよう!


そう思って目を開くと、そこには困った顔をした神様が立っていた。


…なんで?


あれ?夢?


夢だとしたら、何処から何処までが夢?


「…流石に想定外と言わざるを得ないですね…。」


え?なにが?

神様と会えるのは、次に死んだ時じゃ無かったの?


「えぇ、その通りです。

貴方はまた死にました。


信じられませんね。

千年以上神をやっていて、こうして直接話せる魂というだけでも珍しいのに、その貴方が、生き返って…えー、何秒ですか。


流石にこんなに早く帰って来るなんて思わないので数えてすらいませんでした。」


死んだ?

僕が?


え?え?え?

なんで?

僕は死んだの?


「死因ですか?

まず貴方は氷漬けになりました。

その後すぐにミイラ化、漂う高速の石にぶち当たり、粉々になったのですが、私としてはどの時点で死んでしまったのかは分かりませんね。」


…3回死んでない?


想像もしていなかったエグ過ぎる死に方に、僕は息を呑んだ。


そんな数秒で…何故そんな。

もしかして、あの世界はそんなに危険が一杯なのか?


理解が出来ず、目も口も開けたままぽかんとしている僕に、神様が優しく解説してくれる。


「宇宙空間にね、生身で放り出されればそうもなりますよね。」


うちゅう?

うちゅうって…なに?

怖い魔物?


「宇宙ですよ、スペース、宇宙。

そりゃあ、凍って、乾燥して、粉々にくらいなりますよ。


異世界での死因が…隕石って事?

ファンタジー世界に転生させて貰ったはずなのに、死因がSFってどういう事? 


「まさかとは思いますが…ちゃんと計算しました?」


…は?


「惑星というものはですね、1秒で33kmも移動する高速飛行体ですよ?

何も考えず瞬間移動したら、星に置いて行かれて宇宙へとすっ飛んで行くに決まっているじゃないですか。」


…聞いた事あるぞ。

地球とここが同じ条件とは限らないけど、公転速度はマッハ88。


理解したよ。

宇宙船地球号から飛び降りたって事ね。

はいはい。


は?


そんな馬鹿な…!


「瞬間移動なんて難しい能力をわざわざ選んだので…軌道計算を一瞬で、しかも暗算で行える数学的天才なんだと思っていたのですが…。」


そんな訳ないでしょ。

計算式がどんな感じなのかの、想像すら出来ないよ!


「…しかし…恐らく、記録ですね。」


記録?

何の?


「転生してから、こんなスピードで死んだ人、居ないんじゃないですか?


あはは。」


やめて!

人が死んでいるって言うのに、歯を見せて笑わないで!

今回の神の力


瞬間移動


いわゆるワープ。

他のワープはなんか理屈があるのかもしれないが、これはその場から消えその他の所に現れるだけの能力。


普段意識しないが、公転と自転のスピードはとんでもなく速く、ちゃんと計算をしないと宇宙空間に放り出される。


危ないね。


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