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君
そして時は過ぎていった。時間は止まってくれなかった。気づけば暑い暑い日は過ぎ去っていた。
「樹、今日は学校だろ。迷惑をかけるなよ」
「お兄遅い。先行くからね!」
「いってらっしゃい。頑張ってね。…樹も早く行って」
僕を邪険に扱う『家族』も。
「うわー、アイツのこのこ学校来てるぜ。殺人者!」
「中学の時、西澤くんが隣のクラスの雨宮にこって子を殺したんだって」
「へー、そんな風に見えないのに。てか、今日かなみん告られたんだって」
「かなみんって、あのかなみん?」
「そーそー長谷川花波、略してかなみん。昔いろんな人虐めてたらしいけど」
「うっそだー」
僕を嘲笑う『クラスの奴ら』も。
みんないるのに、『あの夏の日』に消えた君だけはどこにもいない。
君をずっと探しているのに、君に言いたいことがあるのに、どこにも見当たらない。
_ただ、君の笑顔と君の無邪気さが頭の中で満たされているだけだった。




