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決戦前夜
二人は寮の屋上で合流した。風が強く吹きすさぶ。
「契約を破った生き残りは俺たちだけだ。校長は、おそらく次の実験の段階に移ろうとしている」
「……止める。俺たちの“記憶”と“魔法”が、まだ生きてる限り」
そう、秀星の魔法は特殊だった。彼の系統は“空間操作”。だがそれは一部ではなく、“次元干渉”という極めて稀な能力だった。
煌の魔法は“光の分離”。光子を操作し、実体化させることができる。
二人の力は、正反対でありながら、補い合うように設計されていた――まるで、最初から“共闘”するように。