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煌の選択

 一方、煌もまた、校内にある地下書庫で禁書の一つを読み解いていた。


 《黒の契約》。それは、魂と引き換えに禁断の力を得る儀式だった。そしてそれを生徒に課していたのが――校長、ガルナス=エイドリアンだった。


「……もう、隠しておけないな」


 煌の手が震える。彼は、校長に“気に入られていた”。秀星と違い、煌は“適合者”だった。だが、それを拒み、契約を破棄した。


 その代償として、記憶の一部が封じられていた――そして、いま再び戻ってきた。


「秀星、俺たちは……戦うしかない」

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