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良いも悪いも全て、全て

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

これから先、何度も出てくる神様の価値観。

絶対に分かり合う事は出来ないと思うんですよ。

新天地は極楽浄土。何もかもが恵まれ過ぎていて離れ難い。其れはきっと、あの方が私をお呼びになったから。私をただ傍に置いて、愛でたいと、そうお思いになったからだと思う。

ただ何故だろう。体は昔よりも随分と脆く、壊れやすくなった。些細な事で風邪を拗らせ、何日も何日も休みを取った。今まではそんな事無かったのに。けれども、これがもし幸せの対価ならば、それもきっと仕方の無い事だろう。


彼女をあの場所に送り出して、数ヶ月が経とうとしている。良い方面に変わった事が沢山ある。反省も、試行錯誤もその一つ。随分と成長した。

けれどもそれと引き換えに、彼女は体を壊す様になった。些細な事でも風邪を引き、休みを長く取るようになった。

そして二度目の今、彼女は体に治らぬ傷を得た。細菌を体に溜め込んで、毎朝毎晩、激しく咳き込んで蹲る。周りに人が居れば、彼女の危うさを案ずる程。

だから私はその善し悪しを御前に問い掛ける事にした。

「貴方に彼女を預けて、私は正解だと思ってますよ。前のとは比べ物にならないくらい、向上心に溢れている。きっと周りが良いから、彼女もその影響を受けているのでしょう。

あぁ……でも……時折その思いが揺らぐのです。彼女は少しでも頑張ると、すぐに体を壊す。体と引き換えに、今を得ている。果たして彼女は……どれだけ体を壊せば良いのでしょう?」

昔からそう。今を生きるのに限界まで力を振り絞っているから、少しでも頑張るとすぐに体を壊す。そうして今、彼女は容量を超えて走り続けている。果たしてそれは。

御前はその問いに、口角をお上げになった。企みが成功して喜ぶものでは無く、欲しいものを得て、無邪気に喜ぶ子供の笑みだった。

「良い事も、悪い事も、全部全部全部全部、私が教えてあげたい。授けてあげたい。そうして注ぎ続ければ、きっと私で一杯になる。此方から追わなくても、向こうから追い掛ける様になる。

私は其れが見たい。今までずっと、追い続け、待ち続けたのだから」

忘れていた。私が今、話をしているお相手の事を。決して人ではなく、であるが故に、人の理で測れない方なのだと。

「貴方は生粋の神だ」

何処までも我を通し、それ以外は受け入れない。決して人と分かり合う事が出来ない。其れが本当の、生粋の神様というもの。

此処に登場なさった神様のお名前、分かる方はきっと分かると思います。

絶世の美姫の顏をした、人魚姫の様な方。

健気で一途な方。


でも決定的に人ではありません。

人ではないから、人の理は絶対に通じません。

根底にあるのは、やはり神様の心です。


何処までも我を通します。気まぐれです。

そうして愛した対象が壊れてしまっても、きっと気づく事は無いでしょう。


その事を、最近は忘れかけてました。

例えどれ程人に近いと感じても、一途で健気だとしても、生粋の神様である事を忘れてました。

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