犬と熊編 2nd-contact
2nd-contact
一歩前進!
翌日、学校へ来ると、昨日のことを思い出した。
そして、後悔していた。
あれはさすがに、言いすぎたなぁ。
そうは思っても、なかなか行動に移すことが出来ずに、ただ時間だけが過ぎていった。
「海堂くん、なにかあったの?」
篠田が、ふいにそう言って話しかけてきた。
「いや、昨日白鳥さんにすげぇ厳しく当たっちまってな。どうしたらいいのかわかんねぇんだよ」
こいつの前でなら、打ち明けられた。
自分の曖昧な基準で決めた、友達の枠組みに篠田は入っていた。
「でも、問題からは逃げてない」
「問題……?」
「うん。それは、白鳥さんに悪い事をしたっていう意識があるって言うことだよ。信頼できるからこそ、いなくなって欲しくない。そう僕は、思う」
「よくそこまで考えられるな。俺には怖くて出来ねぇよ」
「海堂君には海堂君のペースがある。だから、焦らなくてもいい」
毎度毎度、こいつはどんだけクサい台詞を吐けば済むんだよ。
ったく。
「ありがとよ。ちょっとばかし勇気が出た気がする」
素直に感謝をすると、篠田は目を丸くした。
「どうしたの?なにかおかしなものでも食べた?」
「ぶん殴るぞてめぇ」
✲✲✲
昨日から、海堂くんとは話していない。
怒らせてしまったのだ。
きっと、嫌われたんやろうなぁ。
それでも、きちんと謝る必要がある。
そんな事を考えながらも、時間はすぎてゆく。
昼休み、1人でお弁当を食べていると、
「白鳥さん、ちょっといい?」
海堂くんに、声をかけられた。
「へあっ?!な、何?」
「昨日のことでなんだが……、時間いける?」
「う、うん。大丈夫……」
そう言われて、私は屋上までついて行った。
「─昨日はごめん!」
「え?」
「さすがにあれは言いすぎた。反省してる」
「いや、怒らせてもうたんは私やし、海堂くんの責任ちゃうよ」
「その、白鳥さんは、大切な友達だって、俺は思ってるから」
「でも、中学校のことがあるって……」
申し訳なさそうに頬を掻き、ぎこちないながらも言葉を紡ぐ。
「あー……まぁ、だからこそだ。俺はもう逃げたくねぇ。ちゃんと、人と向き合いたい。だから、またあんなふうに話してもいいか?」
「……うん!」
仲直り?が出来て、私はまた海堂くんと話をすることが出来た。
「白鳥さん髪切った?前の方が良かった気がするんだけど」
「あの髪型結構鬱陶しいんよ。首筋あたりにカサカサして」
「へぇ。伸ばした事ねぇからあんまりわかんねぇや」
「1回してみたら?ロン毛。あとカラコンも外しーや。蒼いままの方が綺麗やで」
「んじゃまぁ、明日からは外してくっかな」
一緒に話すのは、やっぱり楽しくて、また話せるのがとても嬉しかった。
そのあと教室へ戻ったら、篠田くんが心配した様子で海堂くんに近寄ってきた。
そこで怒った海堂くんは、篠田くんのみぞおちに綺麗な突きを敢行した。