部屋の外
「ん〜。何があったか整理すると…、まず魔王に負けて、死んじゃって、女神様に『あなたはまだ来るわけにはいきません。生きかえるってわけには行けないので、普通のヒトとして生きてゆくのです。』って言われて、で、気づくと、ここ(魔族の城)にいた。しかも少女。」
………
「とりあえず部屋から出よ…。」
「あ、さっきの女神!」
そう、この女神が転生した。その時のとこはほぼ覚えていない。生前だからか?まぁいいか。
『早々、あなたの名をつけ忘れてました。』
なんで?そんなこと忘れるんだ?と思うがあえて言わない。
「…。」
『カルス・フオル』
「…。」
『…。』
「出よ。」
『もしもの時はよんでね〜。ってもういない…。』
「この中こうなってたのか…。」
しばらく廊下を歩くと鏡があった。フオルは立ち止まった。
「これが今の…僕?」
『どうしたの!鏡なんか見て?』
「……あ。」
『ん?』
「普通のヒトって言ったのに何で、魔族なの!?」
『魔法ミス?』
ガクッ
「え?ミス?」
『うん。』
「……そういえば、魔法って使えんの?僕。」
『まぁ、使えるようにはしてあるけど、ミスで強すぎるから、リングつけてある。他人じゃないと開かない。』
「強すぎるか…。」
『じゃあね〜。』
「ん…。羽根がある。」
フオルは羽を広げた。
「黒!そして小さい!」
あとで考えたら、なぜ悪魔のような羽なのかがわからない
「あの・・・。」
「ん?はい。」
「あなたもここは初めてですか?」
「……はい…。」
「じゃあ、一緒にこのお城の王様に合わないと失礼では…?」