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第8話
帰り道、いつものように彼女を家まで見送る達也。SNSの投稿によると、彼女は今日が年内最後の出社日だったらしい。これが年内最後で駅では会えないと思うと、達也は急に寂しく思えた。彼女に出会って色づいた世界が、元のモノクロの世界に戻ってしまいそうで怖くなった。そう考えた達也は無意識のうちに、SNSに投稿をしていた。
“【急募】 想いを伝える方法”
するとすぐにコメントが来た。
“やっぱ、直接伝えるのが1番だと思うけど@裕太”
「それができたらこんなこと書かねぇよ」
達也はすぐにコメントが来たことに驚きながら、静かに呟いた。
“直接伝えられない場合は?@達也”
“なんだ、遠距離か?お前にもやっと春到来かww だったら、手紙とかはどうだ?それも手書きならより一層伝わるだろ@裕太”
“…分かった。ありがとう@達也”
大学時代の友人に意外だと思われただろうが、そんなこと達也は気にしなかった。そんなことよりも直接話さず、彼女に思いが伝えられることが嬉しかった。