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城塞都市セントリア
「おぉ」
俺は馬車の中から見えたその光景に圧倒された。
あまりにも大きな壁がそこにあった。
壁にはいくつもの数が付いており中には血まで付いていた。
「ようこそハーゲン様。どうぞお入りください」
馬車の周りには兵士が並び儀礼的な剣の構え方で立っている。
馬車はそのまま進み10分もすると一つの屋敷の前で止まった。
「おかえりなさいませハーゲン様」
「セバス、客人だ。私達の命の恩人だから丁重に扱うように」
「これは・・・この度は我が主をお救いくださり誠に感謝します」
セバスさんが頭を深く下げる。
「いえ、当然のことをしたまでです」
実際、彼らがいなかったら何日の間人間に出会えなかったことか・・・。
「それではこちらへどうぞ」
「ありがとうございます」
俺は案内されるがままセバスさんについていく。