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元勇者、辺境の地に落ち着く
「・・・よし。ここがいいな」
「そうですね」
ここは城塞都市から10日離れた森の中。
その奥地で俺はティータと魔法を使おうとしていた。
使うのはお馴染みの建築魔法。
あの塔を建てたものと同じものだ。
目立ちすぎた。
また、同じ失敗をした。
俺はまた異界に籠ることにしたのだ。
「それでは、始めます」
塔を作り、中を異界化していく。
これはティータにしかできない。
俺がやったらそれこそ世界の崩壊を招く。
数分後、塔の異界化が完了する。
俺は再び引きこもった。