表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

アマテル目醒めのニューエラ(取り戻される過去)

この土地はかつて(火棄)、つまりひき、と呼ばれていたらしい。


どこかって、俺のじいちゃんの住んでいる地元


もとい実家の名前なんだけどさ。


あまりにストレートに火を連想させる名前(火を棄てる)だったため


火事が相次いだこともそのせいだと思われたのか


縁起が悪いからすぐに比木(ひき)と変えられてしまった。


昔からじーちゃん家の神棚に比木(火棄)神社があるとおもってはいたが、そこら辺は


気にしていなかった。


なにやらそこにはかつてどこかの国の王子様が、敗戦し漂着して


主祭神となって神として地元民から崇拝され


祀られていたのだという。


どこの王子だかは、かなりわからないことが多く


実際詳しい人たちの間でも、わかっていないそうだ。


ちょうど日本書紀が完成され、古事記や日本書紀


日本の歴史が今のベースとして出来上がる・・・


そのちょうどよすぎるタイミングで、彼ら謎の(一説には百済、朝鮮半島経過といわれる)


王族は、俺たちの実家がある地で、敵軍との戦闘に敗れ、女官はみずから命を絶ち


男たちも永い眠りについたのだという。


その人々の魂は、比木神社と、俺たちの町、高鍋町の大年神社に祀られている。


俺の家のよこから小学校に中学校。


行く先々にその神社の札が張り巡らされていたが、そこにはなんの疑問もい抱かなかった。


「ぼ、ぼく、こないだUFOを見たんだ!(ZON)」


ぎゃはははははは!とクラス一同が彼を笑った。


傑作だ!で、どーなったの?涙を浮かべつつ、クラスメイトは


俺の幼稚園以来の親友だった惇こと、別名ZON(ぞん)


の話を真に受けようとしなかった。「いやいやほんとうだって!疑うのはわかるけどさあ!(ZON)」


俺はあいつは友人としてとても面白いやつだなと思っている。


なにせ彼はとてもオタクぽいものの知識が膨大で、話のユーモアが


すこしブラックすぎるきらいがあるが、一癖もふと癖もあるなかなか素敵な人物である。


「ぶっころすぞキモオタ!」と暴れのたまう不良たちに「ぶっ殺されるぞこらああ!」と


強気でキレ、それ以降、「そんなこと言われたら純粋に殺せねえだろうがあ!」といわれ


逆に一緒にゲーセンいくほど親しくなっているところなど、彼をくせのあるナイスキャラに


思う人はおおかった。なんとなくだが、おれはあいつの話を信じることにした。


「で、そもそもUFOって、冗談ではなく見たんだな?いつものようなジョークはやめてくれよ(テルヒコ)」


「いやほんとうだよ・・・。みんな信じてくれないんだけど。あれはこないだみんなで体操してるときだ。いきなりみんなの姿がストップして、目の前が白黒となり、数分そのままみんなストップしていたんだ。時間が止まった?!とおもうと、空に一つだけ動くものが・・・。その物体はいっとき揺れて、光になって一瞬で移動した。そしたらいきなり目の前はカラーになって、みんなまた動き出して運動を始めたんだよ。そんなこと普通ありえないでしょ?でも・・・・(ZON)」


あのZONは、子供にありがちなホラの類は冗談であっても、いうようなやつではない。


基本そういう嘘なんて、よほどでない限りいうことは絶対にあり得ないはずだ。


子供のころからいつも一緒に遊んできた親友の言うことへの疑いはなかった。


あいつはそういうことで嘘はつかない。そう言う騙しはいわない人間だ、というのは知ってる。


仮にあいつの言うことが間違いでなったとして、仮説をたててみる。


だが、その未確認の物体は、どこからやってきたものだというのか・・・・・・・・


そして、なんで時間が止まったんだ?


友人からいじめっこまでをも含むクラスメイトの連中一同は、かなりの人々が


この比木を中心とした児湯郡(宮崎県の中心)各地の神社で


連合で行われる無形文化財(高鍋神楽)をやっているので、俺らの世代はちょうどほんとうに


県央の地域の神社や信仰とは無自覚に関わらされている・・・とでもいうのだろうか。


本人たちは神社に何が祀られているのかは知らない人も多いだろう。


だが、どういういきさつがあって・・・それらの神社が連合し祀られたのか、今後の


巻き込まれてゆく事件にこんなにも密接に関連していたなんて、俺はこの時代(学生時代)には


まったく気が付いていなかったんだ・・・・・・・・・・・・・・!


そしてその皇子とともにもうひとつの謎の伝説がここにはある。


それは、この皇子を祀る比木神社の天井に描かれた青龍のことだった。


ある一人のお坊さんでもあり絵描きでもある安田という狩野派の絵師が、


秋月藩(高鍋藩の名家)で雇われ絵を描いているところ


俺の家の真横の川(小丸川という)から上がってきて、「私の姿を見て描いて・・・」


と美しい姫が現れ、蒼い龍に化けたのだといい伝えられている。そして


若い男女(今で言うバ○ップル?!)が神社に来た時のこと、天井をみると


彼らを睨みつける気迫ある龍が、抜け出して迫ってきて、逃げ出したなんてはなしがある。


この土地では夜な夜なその蒼い龍が、抜け出すというのだ・・・・・・・・・・・・・・・・・


俺はテストの最中、早く終わったということもあり


ボールペンで先生の顔をみながら謎のゆるキャラを描いていた。


たんなる暇つぶしだったが、先生がやってきて、「あれ♪かわいい・・・・・て、テルヒコくん、まじめにやんなさい。(先生)」とほほ笑みつつ、かるくこつんとやられた。


「年増だからモデル料はタダ~♪ホワイト一家~。(ヒメ)」


そんなところにまたもうひとりやたらチョッかいを出してくる女がこの中にいるんだが・・・・・・


ええいお前はうるさいなあ・・・・・・


テレビの真似すんな!(ホワイト家族の真似を指摘したつもり)・・・・なんで学校に来るんだよ!


いまテストの最中だぞ!みんななんで突っ込まないんだよ!


「だ~か~ら~私の姿が見えるのは(ヒメ)」


「キミだけなんじゃよ・・・・・・・・・・・・・・・・・ぬっはっははははは!(ヒメ)」


なんでおれが親友の発言を信じたかというのも、俺の日々もほかの友人たちには言えないくらい


そうとうに普通の人が見れば、やばかったものだからである。


「なんであんたが学校に来るんだよ!家でおとなしくしとけっていっただろ!(テルヒコ)」


「なんじゃおまえその口のききかたはー!儂の家来だってアンだけいったのに、おまえは信心というものがだな―!(ヒメ)」


この女、俺の日常に(おもに夕飯中とか自室とか)


ほんとーにうざいくらいに割り込んでくるようになった。


寝る時だって何気にかってに音楽つけたりパソコン視たり、ほんとうに勝手なことばかりしやがって!


それ以上に、おれのかーちゃん(テルヒコの母千里)、なんで視えてんだよ―!


それになんでなじんでるんだあああああああああああああああああああああああああああああ!


誰も彼女の不自然さに異議を唱えることはなく、すさまじい不自然さと自然さで、彼女(姫様)は


俺の日常になじんでいた。ストレスで多食してると「いまのうちに運動しとかんと、一生結婚できんぞ(ヒメ)」


とかいって、余計なお世話だし・・・・・・・・・・・・・・いや、この女が付きまとうとなれば


本当にそうなるやもしれんぞ?!(なぜに古臭い言い方)


そんなことを思いつつも、今日は朝は姿がなくなってどうしたことかと心配しちまったじゃないか!


おれ、どうしちゃったんだよ。あんなやつ消えてくれてせいせいしたというのに・・・・・・・・


俺は、みんなと同じがいいんだ。


・・・・・・・あれ?「テルヒコ気をつけろ。今日儂が来たのは・・・


お前らの同級生のことがきになってな・・・(ヒメ)」


天気に曇りが見え始めた頃・・・「今日は、クラスメイトのみんなが体調がよくなさそうだから、放課後の話し合いは延期します・・・・・・・・・・(先生)」


クラスメイトの数名がいきなり倒れたので、俺らはざわつきながら、先生に頼まれていた仕事を急きょ手伝わなければいけなくなった。仕事が増えたよ・・・めんどくさー。いったいみんなどうしちまったんだ。そのあとだ、とんでもない事態に出くわしたのは。


自分のことを姫様(ひめさま)、という彼女が言うことを俺は信用できなかったが


うちの母は一息ついて、「でもねテルヒコ。ヒメちゃんはなんでもお見通しなのよ。それがなんだか、ママわかるの。(ちぃ子)」


そんなことを言うもんだから、お袋が言うなら信じるほかない空気がむんむん出て


というか信じたくなくともついてくるから見えるものは理解してゆくほかない。


たまに姫様、は冷めた顔で、真剣な顔で


俺にとてつもない真相を突きつけることがあるのだ。


一かい口喧嘩をしているとき


トラックにお袋がしかれそうになったことがある。そのときありえない曲がり方で車が


動き、みんな無事だったことがあった。そのときヒメがいてくれたからだ、と俺はわかったから


あいつをどこかで信じる気になったということもある。だけどもっと心のふかくで


あいつを俺は知っている・・・


いや、俺とあいつはやらなければいけないことがある。一緒にしなければいけないことがある。


それをどこかで知っている気がするから、すべてにおいて悪態つきながらでも、完璧に彼女の命令は


信じられるのである。それはうちの母もそういう具合なのだった。いや、彼女はさらによく知っている。


だが俺に教えてくれない。ほんとうにわからないこともまた、多すぎた。


「おい!今日はいくらもってきた?!(クラスの番長)」またクラスメイトの不良たちが


無抵抗そうな級友を呼び出し、家から盗ませてきた現金を集金していた。


10万・・・・・・・・うげっなんちゅう額だ。人がまじめに働いたほどの給料じゃねえか。


たぶんそれくらいだろ。うちの学校でも奴らのする悪事の数々を周囲の大人に訴えても、


大人たちは無言で見てみぬふりし、うったえたほうが悪者扱いされてしまう。


最近の不良は昔のようにアナログ的ではない。表面は相当にまじめで成績もよく、優秀な人が


裏ではなんでもやってるケースが多いのである。先生や大人たちはそういう子供を


評価するケースが多い。俺は成績は良いほうだったが、そう言うやつらを嫌っていたので、


どこにも関わらない、誰とも衝突もなく、かかわりもしないことが多かった。


最後の最後転校した先は・・・・・・・・・だったが。


不良で名高かったクラスの数名が、謎の札を数枚とりだし、いじめられっ子たちに


見せつけた。入れ墨?!腕には血管とともに、謎の黒い紋章と、五芒星が浮かんでいた。


「今日お前らに来てもらったのはほかでもねえ!お前らに、俺たちの仲間になってもらうためだ!(不良1)」


なにいってんだこいつ?!すると周囲のメンバーの不良集団は一気に謎の蒸気とともに、姿を


赤黒い怪物、黄土色の甲虫のようななにか、そして中央の不良の中でも最高に悪く、


親を刺したこともあるという紀田といういっつもしゃべらないあいつも、黒い鬼のような化け物に


変貌したのだった。「かっけええええ!ハリウッド映画みてえ!(成島)」


不良どもにこびを売る成島が、足をガタガタさせながら、そんな事態になっても媚を売れることに


逆に俺は驚いてしまった。


「ひょーさいこう!これで人を殴った時の気持ちよさなんて、女と〇るより何億倍も最高だぜ!(不良1紀田)」


腰を抜かす子供たちの前で、現実とは思えないその姿の中でリーダー格がつぶやく。


「知り合いのワカ坊がくれたこの薬のおかげで、もうさいっこうに気持ちいいぜ!でもなんでかな、札と薬を一緒に使わねーといけないんだろう。それに最近、物忘れが激しいつーか・・・。まーいいぜ暴れようぜ!おまえら被害者から一緒に加害者に昇格!なんつって!チームに入れてやるよ!この札を使えば・・・」


ワカ・・・・・・・・・・・なんかあの護符といい、なんかみたような。いや、気のせいか?


「ありがとうございますー!(いじめられっ子一同)」集められた子供たちは、ひきつった顔で、何とか立ち上がろうとするものの、腰が抜けてそうはいかないようだった。


「・・・・・・・・ビビってねえで聞けよおら!お前らもこの最高に気持ちいいパワーが欲しいと思わないか?!こないだも寺田のやつ、他校のセンコー妊娠させたり警察も味方につけやがった!馬鹿だよなぁあ!逆らったらどうなるか知ってるよな!(不良2)」


そこにはあれだけ強気だったZONもたまたま居合わせていた。


「き、きみたち・・・・・・・・・・・(ZON)」


「おう!こんなところに俺の味方がいるぜ!なんていうんだこういうの?!進化だろ?!

俺と同じ力をお前にもやるよ!お前のやりたいことができるぜ?!楽しいぜ?!(不良3)」


ZONはどうするんだ・・・・・・・・俺は腰が抜けて、どうすればいいのかわからなかった。


これ、夢じゃないよな?!目の前にあるのは途方もないリアルだ。


そして彼らの本当の姿は、あれだったのか・・・・・・・・・・!


今まであの化け物たちは、人間の姿をしていたのか?そんな気がしていると


ヒメというその女がこういった。「今日のHR(ホーム・ルーム)は自己紹介からじゃ。(ヒメ)」


彼女にそう言われたとき、おれの意識に変異が起こった。


うおっちょっ・・・・・・口が勝手に動く?!いやいやいおぃい!


「おい寺田!紀田!守屋!面白そうなことしてんじゃねーか!

素敵な同好会やってるな!俺もいれてくれよ!(テルヒコ)」


ちょ、ちょまっ・・・・・俺、こんなキャラじゃないし!


「おーおまえいつからそんなに偉くなったんだよぉお!調子乗ってんじゃねえぞテルヒコぉお!(不良1紀田)」


クラスメイトの女子に片っ端から手を出し問題となったこともあるというあの紀田、


親のコネで自分の思い通りに何でもやってしまえるやつの襲い掛かってくる姿が、自然なほどに


似合いすぎていた。スパーン!奴の触角は高速で斬り飛ばされ、周囲の草は


すべて根こそぎ刈り取られていた。「草を薙ぎ払いやがった・・・・・・・剣で・・・・・・・!」


「おまえタイマン張ったことねえだろ?!!(不良1紀田)」


「ZON、しゃがんで!(テルヒコ)」


「・・ん?ん、ぁああ!(ZON)」


そのあとだった。俺は親友(ZON)の肩を借り飛び越え、あんだけ何も言い返すことができなかった


あいつ(紀田)の脳天に、真っ赤な手刀を直接的に突き刺していた。


真っ赤な鮮血が見えた。躊躇なくそれをやっていい判断をなぜか俺はしていた。


それをやっても相手は傷つかない、この場合のみは安全であることを理解できていたのである。


まるで何度も何度も闘いをしてきたかのような。


「ぐわああああああああああ!(紀田)」


うろたえる寺田と襲い来る守屋に、すかさず膝蹴りを行い、えげつない方法で


触角をわしづかみにし、ミリミリと引きちぎって投げ捨ててしまう。


「うわああああああーーーーーー!(ZON)」


背中にナイフのようなものが突き刺さっていた・・・・・・・・・・・・・・・


い、いた・・・・・・・・・・ナイフ?いやこれは・・・・・


「ぼ、僕は殺されない・・・・・・・・・・・いじめられるのは、おまえだけでいい・・・・・!(安西)」


安西・・・!いじめられっ子で、かばってやったこともあるあいつ、いつのまに化け物に・・・


あいつらの余波で、お前も・・・・・・・・・・・・・


「この世界は、やるかやられるか。お前はどっちがいい?(ヒメ)」


「なーにわけのわからないこといってんだ・・・・!(テルヒコ)」


「バカ者!男ならうじうじせずに、自分の護りたいもの、やるべきことからにげるな!(ヒメ)」


いじめられっ子だったそいつは、本性を表したとともに、今まで見たこともないほどのおぞましい


姿となり、巨大な錆色の甲虫となって、校舎を襲撃しだしたのである。


「みんなしねえええええええええええええええええええ!!!!!!!(安西)」


人の怨念は、こんな形で具現化するのか・・・・・・・・・・・・・・・


俺の脳裏に、毎晩うなされるあの夢が、また思い出されるのだった。


おれはどうしている?おれはなぜ、剣を捨てたんだ?!なんでやり返さない!


なぜ闘わなかった!


すべてうしなってしまう!村も!仲間も!思い出も、家族も!俺自身も!そして、あいつも・・・


脳裏に、朱色の麻布の着物を着た、だれかにそっくりな少女が花畑でほほ笑んでいるのが浮かんだ。


あの笑顔・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


また、うしないたくはない!


ぜんぶぜんぶぜんぶあのころのようになるわけにはいかないんだ!


「また、全部を失うわけにはいかないんだよお嗚嗚嗚嗚嗚嗚嗚嗚嗚嗚嗚嗚嗚嗚嗚嗚嗚!(テルヒコ)」


・・・・・・・・・・ハッ、俺・・・・・・・・・・・・・・いったいなにを


だがそれ以前に体は動いた。


動いたのだ。


「うをおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!(テルヒコ)」


俺はあまりにも巨大なその化け物と、群がる亡者の群れに対抗する術を完璧に知っていた!


「殺して天照彦・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!!!(謎の声)」


少女の声に呼ばれつつ、大切なものを守れなかった俺は、その得体の知れない力で次々と


バケモノを薙ぎ払ってゆく。だが最後には捉えられて、全身の皮をはがれて処刑されてしまう。


とても絵に表せない夢だ・・・・・・・・・・・・・・・


「また夢が俺の前に現れようというのかぁあ!(テルヒコ)」


どこからがゆめで、どっからが現実なんだよおおおお!


となりのクラスでは、美人で有名なクラスメイトの一人の森田が、手足が数本あるマネキンのような化け物になり、生徒を喰っていた。「ああああああああ!!!!(森田)」


はああああああ・・・・・・・・・「おもしれえおもしれえ!最高だぜえええええっ!(一成)」


変態的に興奮していたのが、俺の友人の一人でるミリタリーオタクだった一成。


あいつ家にモデルガンから戦車や手りゅう弾の置物を大量にストックしていたけど、まさか本気で


実践に興味を・・・?「自衛隊の訓練になるぜ・・・・・!よりによってあの森田が!


きれいだぜ~森田!ひょぉお~~~~!やべえええええ(一成)」


一成は隠し持っていたアーミーナイフを学生カバンから出して、森田にきりかかった。


あいつにあんな一面があったなんて。助けに入った教室内での惨事に俺は衝撃を受けてしまった。


「おまえの男も喰ってやるよおおおお!(森田)」


「きもちわりいな!くんなよ!(マユ)」


俺はマユに睨まれた。なんだこの時もこの女は・・・・・・・・・


「俺だっててめえにあいに来たんじゃ・・・・うわー!」


「死ねー!てるひこおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!(安西)」


うわああああああああああああ!


巨大になった安西の姿は、まさにあれだ。


ムカデそのものだ。やたらに巨大で長いムカデだ。ウルトラマンの敵でツインテールというのが


いたけど、あれをより気持ち悪くしたようなのが、校舎の全体を高速で動きまわり姿が消え


またどっかの教室から現れた。


「ぎゃあああああ!(全校生徒)」


繰り返します。学校で生徒がナイフを持ちこんでいます。皆さん至急講堂まで集まるように・・・・・・・きゃあああああああああ!(放送室からの声)


もう学園生活そのものはめちゃくちゃになって、秩序は終わったも同然だ。


俺も生きて帰れるだろうか。それにしてもマユはどうして冷静でいられるんだ?


「森田さん!やめて・・・・・・・この色女!(マユ)」


?!マユのカバンからも、ピンク色の謎の札が出てきた。


「まっ、マユ?!おまえも・・・・・・・(テルヒコ)」


「うっせーな!お前は黙ってろよ!(マユ)」


「最高に楽しい想いができるのは、私と紀田君だけなんだからあああああ!(マユ)」


あいつ、体がグレーになって、う・うわ・・・・・・・・あんなすがたに・・・。


それは半分が彼女であって、体の半分は禍々しい蜘蛛の手足


そして感覚器官が武器のように現れていた。


「わたしはとくべつ・・・・・・・わたしはえらばれたんだぁあ!(マユ)」


「なんでおまえもなんだよ!森田ぁあ!(マユ)」


二つの女の怪物同士がとてつもない修羅場の中でぶつかり合う。


先生は・・・・・・・・・・・・・・・・失禁して、身動きが取れなくなっていた。


クラスメイトの1/3は森田の餌食になっていて、他のほとんどが逃げ出していた。


ちがう・・・・・これは現実じゃない・・・・・・・・・・!


「テルヒコ!草薙の剣を出せ!(ヒメ)」


きいたこともみたこともないその名称を俺はすべて理解していた。


いや、俺は知っていたのにかかわらず、すべての出来事を事実ではないと認めたがらなかっただけだ


と実感した。


「ヤスううううううう!おまえ、そんなんでよかったのかよーーーーーー!(テルヒコ)」


ヤスこと安西寿(あんざいやす)・・・・・・


ドサーーーーーーーーーーーーーーーー!


体長30メートルはあろうかという巨大な安西(あんざい)が化けたムカデの怪物は


一気に倒れ、裸になった奴の姿があった。死んでない、ほら、バケモノになったらこんだけやっても


大丈夫だ・・・・・・・・・・・・・・。


そのつかのま、ヤスは白目むき出しとなり、あるなにものかに一撃で喰われていた。


な、なんだあれは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


クラスメイト全員が、黒い塊となって、ゆがんだ黒煙の中で、その強大な何かに変わってゆくのが


見える。「人間の思念を、吸収しているのか?!(テルヒコ)」


なにがどうなっちまってんだよ?!どうしてこんな場所に俺は居合わせてんだよっ!


問う間もない惨状。だが、その光景はどこかで見たものに


非常にそっくりじゃないか・・・・・・・・・・・・・・!


うわ・・・・・うわああああああああああ!!!!!!!


いやだああああやめてくれえええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!


涙を流す彼女の背後に、校舎を燃やし尽くす巨大な炎が・・・・・・・・・・・・・・


「さようなら、わたしの大切なひと・・・・・・・・・・・・・・・(ヒメ)」


目の前に存在していたもの。


それは強大な九本の首を持つ、校舎をまるのみにしてしまうほどの竜の怪物だった。


少女は巨大な龍のまえで、自分の身に迫る運命を受け入れるかのように、


泣いていたように俺にはみえた。


隣で姫がこういった。「たとえ離れていても、私はあんたの隣にいるから・・・・・・!


私の王子様。(ヒメ)」


このおんな・・・・・・・・・・・・・


やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!


俺の背後から光がでていた。


太陽の光にむかうように。


巨大な九本首の竜に、飛び込んでいった。


太陽そのものが、天体そのものが、地球に接近し、俺たちの世界は・・・・・・・・・・・・!


すべてがおわった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・の、か?









いや


ハッ!そんな夢を見ていた。


だが、翌日学校へ行くと、森田と、不良だった紀田と寺田と守屋・・・そして


いじめっれっ子だった安西とが忽然と「存在しない生徒」扱いされていたのである。


森田はもともと父親から虐待にあっていて、その結果事件を起こし少年院にいってしまったと聞いた。


ほかの不良たちは・・・・・・・・・・・・元から彼らのことなど知らないと、みな口をそろえて言う。


だが、彼らに共通することは、ほとんどの連中が、高鍋藩でやっていた神楽に


子供時代一度かかわったことがあった、という経歴があることが共通項だった。


神隠しではあるまいし。それから俺は、郷土の神社や民俗芸能、伝統のルーツが異様に


気になったのであった。これはなにか異様だ。おかしい。


あれは、いったい・・・・・・・・・・・・・姫様、という少女の姿も消えていた。


あれも同時に・・・・・・・・・・・・しかし、夢というにはおかしすぎることが多すぎる。


それから数年後・・・・・・・・・・・・・・・・・


大人になって、俺は地域の考古博物館でガイドをすることになった。


資料を研究し地域の地誌を読んでいると、この地域に漂着した俺の実家の氏神だという


謎の皇子のことが記載されていた。


「なかなか面白いことが載ってたんだよ。キミ、これ見てみるといいよ・・・」


ガイドの先輩が興味本位である資料を教えてくれた。


俺もなんだか気になって、その本を読んでみると、俺の住んでいる地域の神社について


のくわしい調査のありさまが、インターネットで調べられた。・・・


そこには驚くことに、こんな風なことが書いてあった。


「江戸時代、ある学者がこの地域を訪ね、現地の古老にはなしを実見し、聞いた時のことである。


賊の集団が火棄の地区まで訪れ、ここで王子率いる王族たちは、戦乱となった。


・・・そしてこの地で王子は周囲の人々とともに、死んで、祀られたのだという。


だが彼は異国からやってきた人物ではなく


その本当の姿は、最初日本を統一していた国土の地主であった、大国主のことで、その伝承が


地元民で、間違って伝わってしまったものだ、という説がある。


そして、比木神社の神官の祖と同じ方がやっていた


大国主を祀る地域の都農神社のご神体には、天の磐船に乗ってハヤヒノミネに


天孫降臨した、饒速日命(にぎはやひのみこと)が祀られている。


大国主ではなく、饒速日命が本来の祭神だったと惣国風土記では語り継がれている。


饒速日の幼名はオオトシ(大年神)といい、日本(ひのもと)を創建しその名前を名付けた


最初の大王だったという。東遷した皇室の祖である神武天皇に国譲りをした点では


大国主とそのさまが同様であった。


饒速日の本当の名前は、アマテルといわれていたとも。


惣国風土記は一説には偽書という見方もあるが真相は不明である。(旧・みやざき地方誌)」


結局その王子は、正体から行動のすべてまで、不明なのか・・・・・・・・・・・・・・


そんなとき、うちの母が実家に呼ばれて食事会をひらいたことがあった。


みんなでご飯を食べていると、車に謎の黒髪の少女の姿が映りこんだ。


「あれ?!あの子は!ちょっとかあさん!車を止めて!(テルヒコ)」


俺は車から飛び出して、ワンピース姿の少女を追っかけた。


まってくれ!おしえてくれ!


あのゆめのすべてを・・・・・・・・・・・・・・・・・・


おまえ・・・・・・・・・・


「おい、なにやってんだ、ヒメ――――――――!(テルヒコ)」


そこには、にこっとほほ笑んだ、いつもの着物とはちがった、洋装の少女が


いつものように笑っていた。


「おかえり。テルヒコ。(ヒメ)」


・・・・・・はっ!


眼がさめるとおれは、また家の周辺をさまよい歩いている。


久しぶりに目に留まった、比木神社のお札・・・・・・・・・・・・・・


これ、なんだ・・・・・・・・・・・・・・


全部全部、学校から家のよこから神社まで、


半径数十キロに、張り巡らされていたのかー!


「ここには皇子の魂が各地の神社を旅して遊行するようにあらかじめ札が貼られているんだ!(ハチマン)」


なんだか、以前も出会ったこともあるような老紳士がそこにはいた。


あっ、この人は、たしかだれだっけ・・・・・・・・・・・・


「テルヒコ、久しぶりだな。ぜんぶイコールということだ。お前はすべてを知っているはずだ。(ハチマン)」


目の前には、もうひとり、少女が闇の中で立っていた。


不気味すぎるほどに美しく、黒いつややかな髪のいろと、青い洋服のグラデーションが


俺の胸を高鳴らせ、なつかしさに胸は打ち震えた。


「逢いたかった・・・・・・・・・・・心配させやがって!(テルヒコ)」


「姫様にこれからついてゆけ。(ハチマン)」


少女は指を指す。


・・・・・・・・・・・・・?!


彼女がゆびを刺した先にあるもの。


そこには謎の皇子のその地において死没した、という墓があった。


「・・・・もういちどおしえてくれ。俺の身に何があったのかを。何が起こっているのかを。

ここがどこで、一体俺は何をやらなければいけないのかを!おしえてくれ、あんたなら何か知っているはずだ!俺は、どうすればいいんだ!いったいおれは・・・・・ううう(テルヒコ)」


「また闘えばいいんじゃ。わしらのもとで。この世界の未来のために・・・(姫様)」


「あんたたちはいつもそうやってはぐらかす!いい加減教えてくれたっていいだろう!頼む!知りたいんだ!俺なんかに何が守れるというんだ!(テルヒコ)」


護るもの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハッ!


目の前でほほ笑んでいた少女。


救えなかった。いつも俺が一緒にいると約束した・・・・・・・・・


?!ここは・・・・・・・・・・・・


「太陽はもう一度昇る。おまえがすべてを思い出せば、物語の幕は開く。(ヒメ)」


そうか、そういうことか・・・


おまえは・・・・・・・・・・!


「おめでとう。そしておかえりなさい。テルヒコ・・・!またはじめよ。私たちの物語を。(ヒメ)」





それ以降俺は、彼女たちとともに何度だって闘ってきたんだ。


そして今日も・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!


「テルヒコ!日本の裏を知るものは、間違いなく何人たりとも僕たちの手で・・・!

総員行け!(ワカヒコ)」


俺はもう逃げることのないゲーム(やつらとの闘い)に、首を突っ込んでいた。


「テルヒコくん!近い将来すべての人間たちが、君と仲間たちを襲いに来るよ!(ワカヒコ)」


「それってどういう意味だ!(テルヒコ)」


「崇高な使命に酔うがいい人類よ!僕たちの首領の手で、すべての人間たちを、僕らと同じ、まったく同じ存在に改良することができるようになったのさあああああああああ!(ワカヒコ)」


「人間なんてみんな同じ!みんな自分が一番大切だからねえ!僕も君もクラスメイトもこの町のみんなもみんなおんなじ姿(クリーチャー)になれる日がついに来るんだ!(ワカヒコ)」


「人間の自由をお前たちにコントロール(支配)されてたまるかよ!俺はたったひとりでも、

何度だってやるぜ!いくぞ!(テルヒコ)」


いったい、どこまでたたかえばいいのだろう。



俺は敵の一団をかいくぐるために銃撃の中をバイクで疾走している最中だった。


そんなさなかだった。なんなんだこの気迫、強烈な思念は。


「見せてもらおうじゃない・・・坊や。太陽の子供の実力を・・・・・・・・(仮面の男)」


懐かしい温かみのある篭もった声。俺を肩車してくれた、あの聞き覚えのあるあの人の声が


俺の脳にこだまする。直接的に語りかけてきた。な、なんだ、なにがどうなっているんだ・・・!


そ、その声は・・・・・・・・・・・・・・・!


「に、兄さん?!(テルヒコ)」


なぜかわかる。すると、バックミラーに映る一機のもう一台のモーターサイクルが・・・。


全身鏡面の不気味なそのモービルは、おれの乗る機体よりも1・5倍の速度で急接近し、


俺の真横へと迫ってきたのだ。「何者だ!(テルヒコ)」


「!(仮面の男)」


機体同士がぶつかり合い、ふたりはガードレールに激突して、がけから転落した。


うわ~~~~~~~!


二台のマシンが横たわる中で、相手は全くの無傷・・・。化け物か?!


銀色に輝く得体の知れない姿でその大男はこういった。


「まったくマシンの性能に頼りすぎている。お前に乗られた機体がかわいそうだぞ。(仮面の男)」


さっと手を差し伸べたと思いきや、つかんだ手をおおいに引き上げ、強く投げ飛ばされる。


うわ~~~~~!「テルヒコ!あいつは・・・・・・・!気をつけろ!(ヒメ)」


なんだか、とんでもない野郎と出くわしちゃったようだぞ、俺。


ぜったいに闘ってはいけないものと、出会った。俺は直感してしまったんだ。


沈黙が生まれ、そこにいた無数の鱗を持った銀色の仮面の男は、俺を見ている。


「あんた・・・・・・・・・・・・・・もしかして・・・・・兄さんじゃないか?!」


兄さんもバイクには乗っていたが、まさかそんな・・・・・嘘だ・・・!


「兄さん?お前ことなど知らん。ただ知っていることは、存在が目障りなだけだ。(仮面の男)」


かれのわきから無数の釣り針のようなフックが出現し、河川の周囲の岩々に一気に張り巡らされる。


妙なところは似ていて、妙な戦法が俺の苦手とするものばかり・・・そんなことが感じられた。



「面白いでしょ?僕をシカトした罰だよぉおテルヒコクン!海幸彦(兄)と山幸彦(弟)の伝説って知ってるぅう?!時間だよ。我が新メンバーホデリ(海幸彦)・・・・・・。(ワカヒコ)」


「きっさまあああああああ!!!!!!!(テルヒコ)」


「新隊長殿。俺に命令するな。俺はあの坊やのスペックのみが気になる。帰って同じ化け物の妹の世話でもしてチェリーパイでもほおばってろ。(仮面の男)」


「なっ・・・・・・そんなことをいってもいいのかい?!僕の資金提供のおかげで、君のマシンも手に入っているということを忘れないでほしいんだけどなあ。キミの技術提供だけでどうにかできているということではないんだよ。うちも・・・。今回だけは見逃すとしよう。好きにやればいいさ。どこまであいつを苦しめられるか僕も楽しむこととするよ。あとプライベートは持ちださないでくれ。今の言い方は正直腹が立ったよ。(ワカヒコ)」


「意外に気が短いんだな・・所詮は子供だな。(仮面の男)」


「いくぞ、弟よ・・・・・・・・・・・・・・とでもいえば気が済むか、少年?

俺が君の兄に似ているのか?よほど自分勝手なものの見方の人間のようだな(仮面の男)」


「それなら、あんたは・・・・・・・(テルヒコ)」


間違いない、あの声は・・・・・・・・・・・・・・・・・・


どうしてあなたがここにいるんや?!


そしてこの時日本中で、ごくふつうに食事を用意している一般家庭で、母親の姿が変貌し


子供たちを襲う、学校で教師や生徒の姿が変貌する怪事件が、多発していた。


だがどの事件も起こると同時にニュースになることはなく、ほとんど起こった町は同様に制圧され


数日後には事件を起こした人々は謎の刻印とともに甦って日常に戻るか


誰も知らないうちに、戸籍からも消えていて、いなかったことになっているのだった。


今目の前にいるのは、本当に誰なんだ?!


俺は、もう大切なものをこれ以上に失わないで守り切れるか?!


本当の敵はもっと、俺らが思っていたよりも、もっとほんとに身近にいて、


そしてなにものよりもほんとうは強大なものなのかもしれない・・・・。




















評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ