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6話 連装カグツチ!発動草薙の剣

なんていったらまたかえってきおったわい。・・・きょうはたまご、納豆。たまご


またお前たまごかい!どんだけたまご好きなのよ!


・・・・・・・・・・・・「姫様!ここにいたんだ!(テルヒコ)」


久しぶりに見た奴の寝顔。


逃げてる途中に足をやられておる。そんなことをしているうちに、魂だけとなったテルヒコが儂の横に来ていた。


「姫様。本日のご命令をお申し付けください。わたくしテルヒコあなたのご命令ならいかようなことでも。(テルヒコ)」


そうなのじゃ。儂とテルヒコは代々司令官と家来の関係。


儂の命令にだけは、根源的に逆らうことはできないように育ててきておる。


儂が邪馬台国の女王だった頃、奴は・・・・・・・・・いかん、少ししゃべりすぎた。


とにかく、二人のなかは深いということ。ちょっとまえまで白けておったやつも今では


儂の言いつけを思い出して、儂の飼い犬も同じ。今日はほかでもなく、奴に渡すべきものがあった。


「これは・・・・・・蛇行剣?!そして、鳳凰の剣?!ボロッ…あ、いやすみません!(テルヒコ)


「いやよい。そう言う前に心の中でうわ~ボロッ!と叫んだお前を見たから何とも思っておらん。(冷静なヒメ)


鳳凰の剣は、持田古墳。お前の住む町から出たもんじゃぞ?!年代的に200年代のではなさそうだがな。こいつを復元したんじゃよ。」


「あ、これ博物館に展示してあったやつだ!(テルヒコ)」


「今日これを見せたのはほかでもない。お前は児湯県内の神社各地を巡行し、神霊的に修行をして様々な神々の力を連装して、パワーとしなければいかんと思って、依り代を渡そうと思ったのじゃ。こないだまで素手だったじゃろが?(ヒメ)」


うわ、こいつ不敬な。ヒメちゃんすっげ~気がきくじゃん!とか思いおッて。しつれいだわ~地獄に漬けてやろうか。たくあんの様に・・・。


人にちゃん付けしおッてからに・・・・ぐぬぬぅう・・・・・・・・・・・


言う前にこいつの心がだいたいわかる。どんな妄想しとるかも基本的に。


だがたいていどういうわけか、わけのわからんイメージのものがほとんどで、それを見たわしが一人で笑ってそれをテルヒコが気持ち悪がることが


大半。それにテルヒコ意外に儂の姿はほとんど見えない。


強烈な力を持った霊能者でさえも、儂に使われとる場合がほとんどじゃから。


おもしろいほどに完全に力を知り切れとらん。何せ、わしゃ日本の2代目のシャーマン(巫女)女王じゃからなぁあ!


そんなものがここにごく普通の男の子にいろいろ霊的な実技指導やら神社の祭神の配置を教えとる。


あいつが思う一秒前に、技や力の多くを与えることはもはや日常となっていった。


「姫様、具体的にどうすればいいんですかぁア?!泥棒を捕まえるって無理ですよ?!俺、学校でのかけっこいつもビリだったから・・・(テルヒコ)」


大丈夫!饒速日の力を降ろして行動すれば、行動力は瞬時に変わるぞ!


テルヒコの姿が太陽と重なり瞬足に化けおったわぃ。


ここ最近街のなかで起こっている強盗事件や泥棒、殺人と様々ないろいろをなんやかんや解決しておるのは、儂とやつのタッグによるものじゃ。


大半解決できないものは基本的になかった。


が、女絡みの事件についてはほとんどまともな成果が出なかった。それと全国遠征時は


大和地方で相手がホモだった時は体調を崩して、かつ家に帰るお金がなかったのでヒッチハイクだけで無事生還した奴の気力には恐れ入ったわ。


奴を鍛えるべく、自転車だけで九州一周させたり、手ぶらで尾鈴山へ登山をさせて脱水症状に陥らせたり(これ、絶対良い子はマネしないでね!)


バタフライの泳ぎ方を矯正したり、プレステのゲームしかさせなかったり、(2やゲームボーイなどはさせなかった。)


とにかく鍛えてきたなあ・・・・・・・・・・・・・(後半は遊びじゃないか!※読者の心の声)


あと、全速力で募金をしまくる修行などをさせて、募金箱に瞬足でお金を入れさせて、


コンビニの店員に姿を見られないようにするテクニックを教えた。光の速さよ。


それなのにバイクや自転車に乗ってるというところには突っ込まないでください。(あんたが言わなけりゃ誰も気づかなかったよ!ていうかそれくらいちゃんと読み込んでいますか?!笑)


そんなかんじで、地域の中心である百済の皇子がいる・・・・・と表面的には、いわれている比木神社(表面的にはじゃよ)


都農町の都農神社(祭神、国譲りをした神・大国主)からヤマトタケルの力がある平田神社


スサノヲの力のある八坂神社、火の神様を焼き殺したカグツチの愛宕神社。


八幡神の八幡神社・・・・・・・・・・・


そしてわしがおる、川上神社(高鍋町)に連れてドサまわった。


川上神社は本来佐賀県のモノじゃが、佐賀と宮崎のつながりは濃ゆくてな。


本来竜宮の乙姫の信仰が北九州に行ったともいうし、佐賀の儂の分霊が宮崎に来たとも勝手に土地の民がいいおる。


そこら辺はご想像にお任せするとしたい。


両方の川上神社は、両方ともテルヒコのマザー(ちぃ子)に縁が深く、彼女の実家、つまり産土神なんじゃ。


あ、ここらへんのくだりのはなしは(外伝など)を読んでいただけるとわかりやすいわ。(解説投げたわけじゃないわよ!汗)


テルヒコは実は何度もこの世界で死んでは、何度も生まれ変わっておる。


何度も脱皮を繰り返し、何度も別人のテルヒコになって何度も物語をいわばリセットしとる節がある。


生まれ変わるたびに少しづつ強く、存在としても成長しておるようじゃが・・・。


そこら辺のことを、あいつには話してはいけない掟が儂にはあって。奴が気付くまではそうなっておるのじゃ。


自分で思い知ってくれるまでは、秘密にしとるんじゃ。読者のあなたもそこんとこよろしこ。


今度の敵は、すこし今までと思ったようにはいかない強敵じゃからなあ・・・・・・・・・・・・・


「敵は、無限に増えるんですかぁア?!(テルヒコ)」


とか何とかいっているうちに、高鍋町は土蜘蛛の群れで完全に包囲されとるし。


「行くぞテルヒコ!今度は実技じゃ!(ヒメ)」


「了解!姫様、はやく!(テルヒコ)」


剣をかざし、そこに降ろした神々の力をすべて体現する。


・・・・・あれ?なんにもならん。「おっおまえ、もしかして・・・・・・・きゃー!・・(ヒメ)」


「あー!家に剣忘れてきた!姫様何とかして、て言うかすみませーーーーん!心の底からっぐはあっ!(テルヒコ)」


会社員風ののんだくれから、教職員風のメタボおやじ、そこら辺のガキンちょ(とはいっても高校生くらい)、


全員こんなに早く姿を汚染されてしまっておる。とんでもない化け物じゃ。


これも人間の心の奥底にこういう闇がなければ具現化しないのじゃ。


それもそいつの本質がそのまま表れたというものなのか・・・・・・・・・・・・・・


被疑者なのか加害者なのか。といってるうちに儂は足を引っ張りまわされてしまった。「きゃーなにすんのよこの変質者が!(ヒメ)」


「やめろ―!姫様に触れるな―!(テルヒコ)」


まったく軟弱な男だった奴だが、その瞬間瞬発的に意思のみで、土蜘蛛たちを発火させていった。


「お前・・・・・・・・・・!いつの間にそんな力を?!飛び道具じゃないか!(ヒメ)」


そうか、これがテルヒコに加わった新しい力。


テルヒコの氏神は本来比木(火棄)神社。そしてその力の根源は饒速日命(にぎはやひのみこと)につながっている。


だがもうひとつ土地の神としてみてゆけば、それは愛宕神社にも通じておる。


愛宕神社の全国の祭神といえば、火の神、荒神でもあるカグツチでもあった。


カグツチはその力の強さから、かかわるものすべてを燃やしてしまう。


とかナレーションしとるうちに、儂にも火の粉があっつ!ふざけんなよおおおおお!


「これが火の神カグツチの力・・・・・・・!連装できた!これが最初の強化形態だ!(テルヒコ)」


太陽の光、そして制御できないほどの焔そのもの。


でも大丈夫か?これでは奴そのものが燃え・・・・・・・・・・・・


「あつつつつつつつつつつつつつつ!(テルヒコ)」


いや大丈夫か。熱いのは変わらないけど、燃えてはおらん。


「大丈夫じゃね ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄!」


テルヒコはあまりのことに走りまくって、聖火ランナーのように町内を土蜘蛛を抱きしめながら、


なでなでしながらキスしながら(男の土蜘蛛のみ)、自分の行動に吐きながら、なぜそんなことをしてしまったか引きながら、


死に物狂いで死なずに海岸まではしり抜いておった。


すると町の土蜘蛛はほとんど全滅していた。


全滅・・・。もとい、もとの人間の姿に戻っておった。


キリスト教で言うところの、火の洗礼のような光景じゃった。そういうには優しすぎる表現かもしれんがな。


「お、おまえはこないだの・・・・・・!(テルヒコ)」


「ぼうや、嬢ちゃん・・・・・・・・・ひさしぶりだなぐはああっ!(土蜘蛛になった八咫烏の石上)」


何?こいつ、カラスの連中か?


「姫様!こいつは・・・・うわああっ!(テルヒコ)」


「テルヒコ―!(ヒメ)」


テルヒコの胸を、奴の爪が貫通していた。


心臓を一撃。テルヒコの心臓が止まった。


「ガガガァガア!(つぎはおまえだ!※と土蜘蛛になった石上)」


「御免!(ヒメ)」儂は蛇行剣の形代の封を説き、テルヒコの死体と同化した。


パチッ


「すまんテルヒコ!儂にお前の肉体、貸してもらうぞおおおオ!(ヒメ)」


儂は罪な女じゃ。奴がこのタイミングで死ぬのは、実は何度か経験済みで知っておったから。


大好きなテルヒコ。お前の体と儂の魂を合体させることで生まれるものがある。


「それが(わたし)たちの草薙の剣だ――――――!(テルヒコ・ヒメ)」


石上殿の化けておった土蜘蛛は、こうしてワシらの半径10キロメートルに及ぶ


草薙の剣。の圧倒的な天体そのものを揺るがすほどの力によって、天国へと昇っていった。


「うれしいぜ、死ぬ直前にこんな美人の女神さまに送り出してもらえるなんてよ。あんたら名前は?(死んだ石上)」


「あちら(天国)で死んだ嫁さんにいっぱいお酌してもらいなさい。私の名前は・・・・・・そんなことどうでもいいじゃろう。(ヒメ)」


私の名前は、大祓祝詞の中では、はじっこにおる速川の瀬に坐す瀬織津姫大神(せおりつひめおおかみ)という。


またの名を審判の神、八十禍津日神(やそまがつひのかみ)ともいう。閻魔様というのはあれじゃ。やってることがまさしくそのものだからじゃ。


いまは分身としてのイドブキヌシらに任せとる。が、根源的に大祓戸四柱(おおはらえどよんちゅう)は儂の活動を表現してそう呼んでるの。


日本神話では基本的に儂がいる場所などはない。


脇役でもなく、ほとんど物語の中で登場することはなくその存在は日本人のほとんどが忘れきっておった。


それも霊界のお掃除当番の様な仕事じゃから、汚いところのお仕事だから知名度薄いのはしゃーないわな。


でもなんかそこらへんが悲劇のヒロインぽく映るようで、最近巷で隠れファンがいるとかいないとか。よくわからん。


人間の勝手な妄想と思い込みというのは怖いもの。関係もない神や神話が、そんなものだけで繋がってしまうことがある。


そうなると神の本当の実像がぼやけて、大切な真実がなし崩しになってしまう。


儂の正体も縄文の女神だとか、大和朝廷が弾圧したがった神とか、どこでその根拠をとった?と疑いたくなるような説を


あからさまに本にしまくっておる輩がかなりいる。眉唾なものから的を得とるものまでさまざまじゃ。


じゃけど、神様を自分の興味関心の延長だけで語ってはいかんぞよ。


儂の正体を知ってるやつはまずいない。3世紀以降からじわじわと大和朝廷が成立し


漢字伝来以降から、日本人の中で独自に作られてきた神様の文化というのは多かった。


日本に伝わるという神代文字というもののルーツさえ、かなり時代錯誤も甚だしいような


つじつまの合わぬ記述をされているものが多かったりしている。その辺も隠されているものも多いの。


人間の心は移ろいゆく。まず絶対と約束したものでかなえられたものはない。


だから儂のファンの人にも、その想いはなるべく変わらないでいてほしいと思っていたりする。


神様の名前は本来からの伝承が残ったものと、人間様の都合でつけられちゃったものと多いから、本当にその正体は熾烈混迷を極めるというの。


天女としての天国での姿は、豊受姫(トヨウケヒメ)とも呼ばれておる。


けれど、ほとんどその意識や人格は世界で分かれて行動してるので


儂のしゃべり方や存在や、ディティールというのが異なると異議申し立てる輩もいるので誤解しないでもらいたい。あれもどれもそれもこれも


全部儂じゃからね。


実はあの男(八咫烏の石上)そのものは、根源的には善人じゃったから、地獄へ落ちることは免れた。


敵にするのは惜しい男じゃった。物部は武人を多く輩出する家系じゃが、多くが傍若無人なものが多いなかで、敵ながらあっぱれな男じゃ。


テルヒコは奴のために墓標をつくっていた。あんまり肩入れしすぎると変なのを呼び寄せるぞ・・・。


「こうして毎度のように、ここらへんで儂は奴の魂と同化し、ようやくここで物語は幕を開ける。(ヒメ)」


蒼い龍の姿となり、比木神社の天井画として元の姿に戻った儂をテルヒコはやさしく見てくれる。


このまま時間が動かなくなってしまえば、どんなにいいことだろう。


そう思うのは儂だけ。あいつはそんなことみじんも思っていなくて、これからどんなことがあるんだろう?


そんな不安と未来への希望がないまぜになっとる感じじゃろう。


何万回とこの出来事がこれまで繰り返されてきたことだろうか。


もう飽き腐るほどに、この出来事を見続けてきた儂がおる。


それでもやはりテルヒコと一緒にいると、わしゃ嬉しい。


何も知らないテルヒコと、すべてを知りすぎて、心が満たされることのない儂の物語が始まる。


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