5話 青龍の少女
時間を超越した場所で。ここは三途の川。
ここでお花畑の中たたずんでいるのがお前らには見えるか?
ここを超えれば天国。そしてここは速瀬の川と呼ばれておる。
下層世界に行くと、もちろんそこは罪びとたちのいる世界がある。
そこは地獄。幾多の魂がさまようなか、魂には死後の生活の判決が下される。
「貴様は多くの人々を苦しめ、自分ただ一人のため私腹を肥やす生活を送ってきた。そして社会的地位や名誉を欲しいままとした。
そのため貴様は半永久的に地獄いきだ!(地獄の主の声)」
「ひぃい~~~~~~~~~!閻魔様!お許しください!わたしは仕方なかったのです!ほんとうは嫌だったのですが、仕方なく(判決を受けた男)」
「うるさいわ!貴様のやってきたそこそこ見分けが難しい悪行の数々、人間臭さの数々すべて私が見ていなかったというか!
私の眼は節穴というのかぁあ!(地獄の主)」
そんなこんなのやり取りをしているとき、天国のほうから声がする。「パパ、パパ!なにやってんの!ちゃんとわけをはなさなくちゃ!(子供の声)」
「なに?!あれは貴様の息子か!・・・・・・・・貴様、あの子らを養うために悪事をやってきたということか。だが悪事は悪事に変わりはない!
どのみち貴様は地獄いきだ!(地獄の主)」
「わ~ん!パパ―!・・・・・でも神様、そこはなんとかならないのぉお?!パパはあれでもすこしはいいとこもあったんだよ?!(子供)」
「神様仏様イエス様お許しください!こんな私だけど子供のためだけに努力してきたようなもんなんです!(男)」
「いやな、お前・・・そうやって子供を盾にしているでしょう?だからそんな風なんだよ!・・・いや、しかたない。子供に免じて。(地獄の主)」
「閻魔様!(男とその子供)」
・・・・・・・・・う~ん
「永遠に地獄は許してやろう。一定期間だけ地獄に行くということにして、よく罪を償い反省すれば、すぐに生まれ変われるようにしてやろう!
そのときはお前の子供の、その子供にしてやろう。お前の子供に養ってもらう人生を歩むがよい!(閻魔様)」
「喜んでいいのかわからないけど、なんというか、良かったね、パパ!(子供)」
「あ、ありがとうございます!どんな地獄でも受け入れます。(パパ)」
結局その男は改心の余地があったので、痛みは少ないけど精神的に一番苦しいという孤独地獄に一定期間落とされることになった。
いつまでという期限はなく、孤独の苦しさを受け入れ精神的に変わるまでの地獄であった。
「閻魔様!僕どうすればいいの?!パパがいなくっちゃいきていけないよ!僕なんにも悪いことしてないのに、苦しまなくちゃいけないの?(子供)」
「大丈夫よ。坊やは私が大人の魂になるまで責任もって見守ってあげるわ。(責任感あふれるわたしの発言)」
少年のほほに口づけして、私は男の子を抱き寄せた。こんなに純粋な子が、こんな罪深い男のもとへ来ることもある。この子が哀れだ。
「わあ!(恥ずかしそうに)きれいな閻魔様、ありがとう!なんだか閻魔様ってママみたいだねえ。(子供)」
「閻魔様はなんか嫌じゃなあ。これからは儂のことは姫様と呼びなさい。良いな?ぼうや。(姫様)」
「うん、ありがとう。姫様!(子供)」
「あの、姫様・・・・・・・・僕もおはなしがあるの。お取込み中・・・いいかな・・・・・(ふてくされたような子供時代のテルヒコ)」
「なんじゃ?自分からくるとは珍しいなテルヒコ。あらあやきもちかぁあ?また何か教えてほしいのかい?恐がりも卒業じゃな?(姫様)」
「だって姫様は僕のものなんだよ?!その子もいいけど、僕のこともおんなじだけ、もっと見てよ!ぼく、将来絶対に姫様の家来になって、姫様のことを護って見せるんだよ!姫もパートナーは僕なんだよ?!今に強くなって早く大きくなるんだよ?!(子供時代のテルヒコ)」
「・・・フフフ、嬉しいのお。でもお前そんな記憶も生まれたら忘れるぞ。儂もお前を地球に降ろしたくはないけれど、儂がホントのママじゃってことを忘れないように、ちゃんと後ろから守って、いつも見ておるからな。なんかあったらそれは儂からのメッセージじゃと思え?成人してから逢いに来るから、それまで立派な男になっていること!わかったな?!(ヒメ)」
「でも怖いよぉ。次はどんな怖いところに僕産まれるのかな。姫様・・・・・・ママ、ていって良いでしょ?ママ・・・ぼく、大丈夫かな。(天国にいる子供時代のテルヒコ)」
「私がついているから大丈夫!男の子でしょう?!あの人、千里さんのもとへいったら、すべてのことは私が責任を持つから安心なさい。」
そしてみなさい!この力を・・・・・・・・・・・・・・・・。
「うっ、うわ~すげえええええええええええええええええええええ!これが姫様の力か!(天国の幼少テルヒコ)」
巨大な宇宙何億個分の体躯を誇る強大な青龍となって、その片腕に持った玉をその子供に渡した。
ギャアああああああああああああああああ!(青龍の声)
強大な鳴き声をやるせなさに任せ叫んでしまったことで、世界中のいくつかの文明が消滅し、世界の歴史に改変が起こった。
それ以上に、あの子大丈夫かしら・・・。心配だわ。
あのときあの子は、旅だってしまった。私を残して。
このように人間や動物の魂は生まれ変わり、様々な人間関係に生まれ変わらせるという・・・・・・・・・・・・・
そんな考え方が、この日本や世界各地にはある。
ということと、さっきまでお話したことは、ここだけのないショにしといてほしいんだけど、ほんとにあることなのよね。
やあ、はじめまして。わたし・・・儂はお姫。多くの者から厚く慕われ、「姫様」といわれておる。
いつもは誰に知られることもないまま、テルヒコの住む家の真横にいる。
ホント―に、超ウルトラ真横の川に流れるように及んでおる。やはりその場所や信仰形態から、川の神だとか
水の神と一緒にされることが多いけど、そんな感じの普遍的な宇宙そのものの親のような存在と思っていただけるとありがたい。
儂の説明はアバウトじゃけど、そのほうがみんなはわかりやすいじゃろ?
どーせテルヒコの友人だかがこれらをライトノベルとかにして世に出すことは浅はかな人間の悪知恵だと思って眺めておるので心配しなくて大丈夫。
つーか、こやつの住む町の水は、儂が全部管理してるようなもんじゃい。
儂の相方で漫才コンビじゃないんだけど。テルヒコって知っとるか?儂の真横にいる赤いひとみの男じゃ。
テルヒコは変わった男でなあ。女ン子というものに全く昔っから興味がない。
全くないということもないけれど、変に気まじめな変わってるやつ。
儂が現れた時も何一つ顔色気色変えなかったから、ちょっと無意味にげんなりしたもんじゃ。
あいつの精神性、いや感性はシニアに間違いないとみてる。
それも仕方ないかもしれない、なぜなら奴が幼いころからどーショーもない腐った女や変な女どもを意図的に近づけていじめまくっておいたから
家族からも姉貴からもいじめられて育ったやつじゃから
女嫌いの病気にかかって立派に成長してくれたテルヒコ。
そうすることで、世界でただ一人の儂という主を信用してくれるはず。
そう信じてやつの前に出てきたものの、何この薄すぎるリアクション・・・。
「キミ、だれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(出会い頭の当時のテルヒコ)」
「いやだれって、お前とお前の母ちゃんの護り神じゃ!もうちょっとありがたがらんかい!天と地の審判の権限さえも持っている、エラ~~~~イ
うつくし~~~~~い、かつ・・・・・(ヒメ)」
「おっそろし~~~~~~~~~~い女神さまじゃ!(ヒメ)」
「おっそろし~~~~~~~~~~い女神さまじゃ!(ヒメ)」
「おっそろし~~~~~~~~~~い女神さまじゃ!(ヒメ)」
だからもうほんとうに「おっそろし~~~~~~~~~~い女神さまじゃ!(ヒメ)」
・・・
「おっそろし~~~~~~~~~~い女神さまじゃ!(ヒメ)」
何回か同じモーションで本当に恐ろしいんじゃぞ~!といっても奴は は?という顔を終始し続けている。
閻魔様でもある儂の姿を見せ、少しはほえ~~~~といって納得してくれるようになった。それでよろしい!
よりうれしいことは、瞬時にある一定の認識を思い出してくれたことじゃ。
奴の魂と儂の魂は根源的には繋がっておる。
近年のスピリチュアル何とかというようなのに比較的ありがちな
うさんくさひょうげんをすると、ツインソウル(魂の片割れ)というようなそんなのに近い。
(とかかくと女どもはキャーキャー言うじゃろがぃ?!儂は占いはあんまり嫌いじゃが。)
そのため儂の力は奴に流れ、意思伝達が楽じゃった。
ぬ、読者諸君笑ってはおらぬか?!それとも「ケッありがちな展開だなー」とかげんなりしているのではないだろうな。
儂は神だからわかーる。のである!せっかくなのでいろいろここで紹介しておく。
この本の表紙でウインクしとる超絶美少女の青い着物のオンナノコが儂!覚えとけよ!(ここ死んだらテストに出るかも?!※それは不明)
どーでもいいことじゃないけど、女どもよく聞け!わしゃノーメイクであれなんじゃぞ!
世の中の女どもはみんな九尾の狐のようなもの!といつもテルヒコには洗脳・・・いやもとい情操教育を施しているので、
奴は化粧の濃ゆさを見抜くテクニックがほかの男より若干鋭いので気をつけろぉお!
って話は脱線したが、ここではお姫の豆知識コーナー。
日本神道界では、産土神に氏神という概念がある。それはテストに出るかもしれんのでこの際覚えとくがよい。
どのテストかは・・・・・・・・・・
と、とにかくいいか?産土神は、あんたが生まれた土地、もしくは実家とかの場所の神様
それで氏神さんは今でこそ地域の神という表現だが、本来は違った。
○○氏の氏神・・・というようなもので、姓とかにあるように、氏族限定の護り神じゃ。
自分のを知りたいやつは、先祖を調べるとか、代々祀ってきた神様を調べることじゃな。
崇敬する神社がそれだったりすることも多い。大切なのは気持じゃ。
産土神は一生どこに移住しても人を守るが、氏神は一族の連結や連合を示す守護神というかんじで
一族の属性を表す尊い神なんじゃよ♪
というわけで姫様の講義おわり~!すさまじいじゃろ~!わしゃその力たるや、一瞬で世界を滅ぼすほどじゃ。
大洪水や天変地異を引き起こせる潮満の玉や潮干るの玉を持っておる。神社は淀姫とか豊姫
といって、佐賀県周辺にのみ存在するマイナー・・・いやそうじゃなくてな
もとい、貴重な価値しかない神じゃ!あ、お前わらったか?!それどんな意味での笑みか―!
儂はテルヒコの母ちぃ子(千里)を昔から守ってきたが、その息子テルヒコに至るまでついでに護ってやっておった。
そしてついについに、テルヒコはあの連中。
八咫烏の奴らと闘いを始めおった。