職場の友人 【山内 美都里】【栗山 亮】
はい、ええ。
浅井さん?大変良い人だったと思います。
私、良く紙で指を切るのですけど、その度に浅井さんは絆創膏をくれました。
うふふ、浅井さんも気が付いたら怪我をしてる事が多いらしくって、絆創膏以外にも包帯やらガーゼやら消毒液やらを持っていました。
だからあたし、これならどれだけ出血しても大丈夫ね、なんて冗談を言ったのだけれど、浅井さんはその時はニコリともしなかったわ。
でもその時くらいです、違和感を感じたのは。
ニュースの事は、誤認逮捕なんじゃないかしら。とても信じられません。
確かに、翳りのある顔はしていたけれど、ほら浅井さん凄く美形でしょ?それも魅力の様に、私には思えました。
あっ、栗山くん。お疲れ様。そうだ、栗山くんも浅井さんと仲良かったわよね。
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浅井…ですか?
あー、まぁ、そうっすねー…。
色々、苦労してたと思います。
良い人であるのは間違いないんですけど、なんていうか、常に何かを悩んでいましたし、何かを恨んでました。
それを俺に相談することは一度もありませんでしたが、俺、実は知ってました。
あいつが何に悩んでて何が恨めしいのか。
分かってて俺はあいつと毎日会っていたし、遊んだり飯食ったりしてたんです。
何度も瞭に…あ、浅井に相談に乗りたいと言うことが出来たのに、しなかったのは俺の甘えであり罪でもあります。
浅井が苦労人なのは大学に入ってからのものではありません、浅井は…。
産まれた時から、あいつは苦労人なんです。
初めて書くので調子が分かりません。読んでくれた方ありがとうございます。