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オンリー・ロンリー・ワールドエンド

作者: A99

 僕は孤独な観測者。

 世界の果てで夢を見る。

 なんて言うと、少しカッコつけ過ぎだろうか?

 でも、夢を見ているのは本当だ。今、僕はこの世界の過去を夢見ている。

 命が生まれはじめた時を。命が満ちはじめた時を。星が繁栄を迎えた時を。命が宇宙に飛び出した時を。宇宙全てに命が満ちた時を。

 僕は、ずっとずっと夢見ている。

 何故ならば、もうこんな夢も見れなくなるから。

 

 世界は、終わろうとしている。

 

 決まっていたことなのは知っている。だから、この結末も理解している。そのために、僕は準備をしてきたのだから。

 きっと、全ての命は世界が終わることも知らないまま終わるだろう。全ての命を幸せな夢の中に落としたのは僕なのだから。

 だから、今この世界で起きているのは僕だけだ。僕だけが、この終わる世界で生きている。

 

 この世界に先なんてない。この世界が終わったら、この世界は消えるだけだ。綺麗さっぱり、跡形もなく、ホコリ一つ残すことなく消え去るだろう。

 少し寂しいけれど、仕方ない。そんなものだからだ。世界はそんな風にできているからだ。それを承知で、僕は世界を観測して、億の時を、兆の時を過ごしてきたのだから。

 

 まあ、それも今終わろうとしていると思うと、少し残念かな。もう少しだけ、この世界を見ていたかった。命を見ていたかった。

 ああ。綺麗さっぱり、全て消える。この世は所詮、諸行無常。夢のように虚ろなものさ。

 さて、時間も迫っている。僕が消えるのもそろそろだ。名残惜しいけれど、仕方ないね。

 

 じゃあ、さようならだ。

 バイバイ。

 

 ◆

 

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