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さよなら
君には好きな人がいる。
分っていたし、期待もしなかいつもりだったのに。
なんでこんなに苦しいんだろう。
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愛されていないのは分かっていた。
必要とされていないのは知っていた。
涙はもう枯れた。
代わりに出たのは奇妙な勇気だった。
橋の上に片足をかけ、息を吸う。
決して香しくは無い下水の香りを
肺いっぱい吸い込み嗤う。
俺にはお似合いのラストステージだ。
さあーーーいこうか。
つぶやくと、俺は橋から身を乗り出した。
嗤って死ぬつもりだったが急に気が沈んだ。
最期位叫んでも罰は降らないだろう。
「もし!!もしも生まれ変われたなら!!!
もう絶対あいつを放したりしない!!
二番におさまったりしない!!
自分のために生きてやる!!!!!」
誰も聞いてないであろう空に強く誓うと、
一思いに川へ身を投げた。
俺の意識と身体は暗い川の底へ消えた。