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ドラゴンワールド  作者: 玉ねぎとすし
8/10

7話



やっちまった。

まさか古代種のドラゴンが絶滅寸前だったとは……。

もうちょっと詳しく聞いてから答えるべきだった。


「カイトさんに実技講師の依頼をしてよかったです。

古代種と契約するドラゴン乗りならきっと学園のレベルも……」


後悔している傍でライオネルを見ながら俺に熱い期待をするアンナさん。

とりあえず、古代種の扱いがどうなっているのか聞いてみよう。


「アンナさん。オリヴィアン王国では古代種の扱いってどうなって

いるんですかね?解剖とか…されませんよね?」


「とんでもない!!ドラゴンを故意に殺したり、非道に扱うのは国王でも処刑されるほどの重罪なんですよ!!」


俺の質問に目を吊り上げ、大声で説明するアンナさん。

なるほど。

戦わせたりレースさせたりしているから車や蛇とマングースみたいな扱いだと

思ったが結構大事にされているようだ。

これなら俺が考えていたようなことにはならないだろう。

少し安心した。


「そうですか。俺はこの大陸の出身じゃないんでドラゴンの扱いについて

不安だったんですが……安心しました。」


「あ……そう…だったんですね。珍しい髪と瞳をしていると思ったらこの

大陸の人ではなかったんですか…。

それなら知らなくてもしょうがないですよね。

すみません怒鳴ったりして」


俺の嘘と本当とも取れる事情を聞いて、興奮状態から一変、落ち着いた様子を

見せ、俺に頭を下げて謝罪してくるアンナさん。

おお、谷間が……!!

っていかんいかん。

さわやか!さわやかだ俺!!


「いえいえ、貴重な情報を教えていただいて嬉しかったし、気にしていませんから

頭を上げてください」


「はい」


頭を上げるアンナさんの動きに合わせて揺れ動く果実。

ああ……天国はここにあったのですね。


「じゃあ、カイトさん。そろそろ学園に出発しましょう。

私と相龍のバオが先導しますので後ろから付いてきてください」


「わかりました」


たったとその場から少しはなれたところで横になっているドラゴン『バオ』

の元へ走っていくアンナさん。

俺もライオネルに騎乗し、伏していたライオネルの状態を引き上げると同時に

ライオネルの巨大なコウモリのような翼が大きく広がった。


「どれくらいの距離か分からないけど、目的地まで頼むぞ。ライオネル」


「グルル」


ライオネルのうなじを撫でながら頼むと、ライオネルは任せろと行っているのか

喉を鳴らした。

そして、自分のドラゴンに騎乗したアンナさんがこちらに手を振った後、バオと

共に空へと飛び上がった。


「俺達も行くぞ、ライオネル!」


「グァア!」


勇ましい鳴き声と共に翼を羽ばたかせ空へと舞い上がるライオネル。

俺は手綱を昨日と同様に操り、アンナさんとバオの後ろをライオネルと共に

ついって行った。

飛行をしてしばらくは景色を楽しんでいたのだが、それもすっかり飽きて

しまい、暇すぎて思わずライオネルに話しかけてみたのだが、返事をする

ライオネルは何を言っているのかわからない。

再び景色を見るが何もない。

さっきと変わらぬ森と川そして時々思い出したかのように姿を見せる

小さな村やそこそこ大きな村。

本当に何もない。

これだったらアンナさんを見ていたほうがマシだ。

そう思ってアンナさんの後ろ姿を見ると彼女は片手を挙げて横に振っている。

もしかして何かのサインだろうか?

そう思って彼女より前の方へ視線を移すと大きな町が見えてきた。

大きさは大体リアントルと同じくらいだが、あの街が目的地なのだろうか?

新しい街に新しい生活。

はたして、どんな日常を送ることになるのだろうか?




☆☆☆



街に設置されている門の近くに降下するアンナさんとバオ。

俺とライオネルも彼女達と衝突しないように少し距離を離して

着陸する。

ズシンという地鳴りを起こしながら着陸すると、アンナさん

の元へ三人の兵士がやって、バオから降りたアンナさんと話をしている。

しばらくして兵士達の会話が終わったのか、兵士達は門のほうへと

走っていき、アンナさんは俺の方へとやってきた。


「カイトさん。入国する前にこの証明書を受け取ってください」


「証明書が必要なんですか?」


「はい、ここはオリヴィアン王国の学園都市ですので、引き抜き防止の対策として

入れるのは教員と学生に商業ギルドが出展している店の関係者だけなんです」


「なるほど……」


「それじゃあカイトさん。学園の龍舎まで案内しますので

空を飛んでもう一度、付いてきてください」


俺に証明書と書かれたカードを渡してバオの元へ行くアンナさん。

証明書と書いてあるが胴で出来ていて裏には家紋?のような絵が描かれている。

まあ、よく分からないがアイテムボックスにしまってもう一度空を飛ぶアンナさんの後ろを付いていく。

街の上空に入ると学園都市というだけ会って制服だと思われる同じ服を着た男女があちらこちらに見え、喫茶店でお茶をしていたり屋台で何か食べているのが見える。

街の様子を見ていると、アンナさんとバオがスピードを緩め、降下し始めた。

一体何所に着陸するのか見ていると大きな城のような建物の隣にあるグランドのような広場にリアントルで見た龍舎にそっくりな建物が見え、アンナさんと俺は龍舎の近くに着陸した。


「カイトさん。本当に凄いですね!!休憩しながら行こうかと考えていたのですが

まさかお昼に付いちゃうなんて……。

ライオネルくんもカイトさんも全然疲れた様子を見せないし、さすがです!!」


「そうですか?」


「はい、ドラゴンの扱いが下手な人は翼に負担をかけてしまったり、

騎乗している人が体力不足で休憩が必要だったりするんです。

カイトさんは技術の方もしっかりしているみたいで安心しました」


「ありがとうございます」


ますます高まる彼女の期待感。

ここまで来たらやるっきゃねぇ!!





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