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ドラゴンワールド  作者: 玉ねぎとすし
7/10

6話

脊髄反射で引き受けてしまったのが運の付き。

俺もまた、巨乳におどらされただけの童貞の一人にすぎないってことさ。


まあ、こちらの条件をいくつか飲んでもらえたのでしばらく

様子見でいいだろう。


俺が彼女に出した条件は


授業に口だしをしない事。


授業中に問題が発生しても俺に責任を追及しない事。


ドラゴンと共に生活できる拠点を用意してもらう事。


冒険者を続けさせてもらえる事。


この四つを条件に俺は実技講師として仮就職が決定した。

アンナさんの話だと仮就職なのは学園側も俺を雇用してメリットがあるのか見極める為らしい。

いくら切羽詰っていても、学園もさすがに変な人材は雇いたくないだろうし、

学園の将来に関わることだから慎重になるのは仕方がないだろう。

あとは、明日の午前八時に龍舎のある門の近くに集合し、学園に向かうそうだ。

学園のパンフレットを貰って彼女と別れた後、泊まっている宿の部屋に行き、

備え付けの椅子に座ってパンフレットを広げる。


オリヴィアン学園


戦時中は戦場で活躍する龍騎士を育成する為の軍学校だった。

しかし、四百年前に平和条約が結ばれたことにより、龍騎士の戦場は

変わった。

現在の龍騎士は国の代表として国際ドラゴン競技大会に出場し、国の威信と誇りを賭けて

指定されたフィールドやコースで戦っている。


大地と空に分かれ、速さを競うドラゴンレース。


三対三で戦い、武勇を競うドラゴンバトルトーナメント。


広大なフィールドで代表選手達がフラッグを奪い合うドラゴンフラッグ。


少年少女達よドラゴンと共に英雄への道を駆け上がれ!!


この文章と共にドラゴンと二人の美男美女の龍騎士のイラストが描かれている。

なるほど。

つまり、龍騎士はオリンピック選手みたいな存在だったのか。

国の威信が掛かっているんだ。

それは学園のみならず国も実技講師を集めるのに必死になって条件を飲んででも

人材を確保しようと動くか……。

しかし……俺で大丈夫なのだろうか?

アバターが俺の体となり、ライオネルも現実となった今、ドラゴン乗りとしての

俺は間違いなく最高レベルに達していると自負している。

しかし、教えるとなると難しい。

ゲームで習得した技術なら問題なく教えることが出来るが、ここは現実だ。

生徒達のドラゴンがライオネルと同じように動くとは限らない。

学園に着いて俺が教える実技内容を聞いたら慎重に考えて生徒に手取り足取り

(主に女子生徒)教える必要があるな。


そして、叶うのならアンナさんのフラグを建築する為にも色々考える必要もあるな!!




☆☆☆



翌日、宿と龍舎を引き払いライオネルを連れて集合の場所にやって来た俺。

時間は午前7時。

アンナさんに言われていた時間よりも早く到着した。

うん、なんかデートみたいで思わず早めに着てしまったが……。

アンナさんに引かれないだろうか?

そんな事を考えながらライオネルを地面に寝かせて頭を撫でる。


ライオネルの頭を撫で続けていると一頭の翼龍が俺とライオネルより少し離れた距離に舞い降りた。

ドラゴンは大体十メートル級の大きさをしており、茶色い鱗にガッチリとした

体格にライオネルよりも大きな爪を持っている。

恐らく近接戦闘向きのドラゴンなんだろう。

そしてそのドラゴンの背中にはアンナさんが騎乗しており。

着陸の確認をした彼女は華麗にドラゴンから降り立った。

そして、彼女の姿をしっかり視認した俺は彼女の姿に度肝を抜かれた。


――俺はこの時…神を見た気がした。



昨日と変わらない後頭部にアップでまとめた青い髪に赤い縁のメガネ。

しかし服装は昨日と違い、上は肌にピッチリと張り付いている茶色い皮で出来た体のラインが丸分かりの長袖の服を着こなし両手には手袋をしている。

しかし、俺が驚愕をしているのはそこではない。

昨日よりもはっきりと分かる男を惑わし、歩くたびに揺れる魔性のわがまま果実よりも俺の視線を捕らえて止まないそれは彼女の下半身。

なんと彼女は下半身はハイレグのようにV字になっていたのだ!!

彼女のはいている太ももまである長いブーツよりも大変気になります!!

どうなっているんだ異世界!!けしからんぞ異世界!!

ありがとう異世界!!


この世の全てにおめでとう!!


っていかんいかん!

世界に感謝している場合ではない。

女性と言うのはいやらしい視線に敏感だと『もてる男になる方法 第一巻』に書かれていた。

賢者になるんだカイト!

さわやかな視線を彼女の目に送るんだ。

いやらしい事を考えるな!!

まだ、少し離れた所に居る彼女の顔に視線を固定して、心の中で念仏を唱えるが如くさわやかな事を沢山、頭に思い浮かべた。


「カイトさん。遅くなってすみません。

待たせてしまったでしょうか?」


「大丈夫ですよ。俺もさっき来た所ですから」


根が真面目なのだろう、申し訳なさそうに上目遣いで話しかけてくる彼女。

そんな仕草に俺の中の煩悩が大暴れしそうなのを理性で食い止め、

さわやかに答える。かわいいな!!こんちきしょう!!!


「そうですか?それならよかったです。

それにしても大きくて立派なドラゴンですね。

ここまで大きなドラゴンは見たことないですよ」


「あまりこの国で他のドラゴンを見たことがないんで分からないんですけど

ライオネルってそんなに大きいんですかね?」


「かなり大きいですよ。

これだけの大きさになると……もしかしてこの子は史上最高のドラゴン。

古代種のドラゴンですか!?」


いえ、神龍ですと思わず口に出そうになったが、興奮した彼女の動きに

合わせてぶるん!動く果実を目の前に釘付けにされてしまう。

直ぐに彼女の顔に視線を戻したが彼女の顔は完全にライオネルに向いている。

おかげで、彼女にいらやしい男と思われなくてよかった。

心の中で相棒に感謝した。

嬉しそうにライオネルを見ている彼女に和みつつ、ライオネルの事を考える。

別に彼女の視線を独り占めにしているライオネルに嫉妬して後で屋上に

呼び出そうとか考えていない。


ただ今彼女の話を聞く限り古代種以上のランクのドラゴンは存在しないようだ。

もし、ライオネルが古代種を超える神龍だと知られたらどうなるか?

考えるまでもない。

軍事利用されれるのはまだマシだ。最悪なのは俺とライオネルが引き離され、契約した俺はライオネルの人質として施設に監禁、契約者である俺を守る為に抵抗できなくなったライオネルは種馬にされ、最後は知識欲の為に解剖される可能性もゼロではない。

カンストと転生を繰り返した俺が戦士職か魔法職であったなら無双して

ライオネルと戦えるかもしれないが俺は正直弱い。

装備のお陰で高い防御力を持って居るが攻撃の手段がない。

俺の職業であるドラゴンライダーは相棒であるドラゴンをサポートするのに特化した職業だ。

剣を振っても中位の戦士職には負ける自身がある。

ここは今後、ライオネルの力を誤魔化す為にもライオネルは古代種と言っておいたほうが安全だな。


「ああ、ライオネルは古代種のドラゴンなんですよ。」


「やっぱりそうなんですね!すごいです!!古代種は気難しくて一流のドラゴン使いやドラゴン乗りも拒絶するうえにめったに姿を見せない絶滅寸前と言われる幻のドラゴンなんですよ!!

そんなドラゴンと契約するなんて、カイトさんって凄いんですね!!」


「は、はは……それほどでも」


少女の様に喜ぶ彼女を尻目に俺は軽率なことを言ってしまったと心の底から

後悔した。

俺のバカヤロウ!!






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