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ドラゴンワールド  作者: 玉ねぎとすし
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9話

主人公が壊れすぎていた為、改変いたしました。



「そのアホの事はもういいだろう。先程の問いに答えてもらおうか」


龍や鷹を思わせる青く鋭い瞳が俺を射抜く。

まあ、隠すほどの事でもないし、別に名乗っても問題は無いだろう。


「実技講師にスカウトされた冒険者のカイトだ」


「実技講師?なるほど、それであの操作か……。

なら…実力はどうだ!?」


「後ろに飛べ!ライオネル!!」


ドラゴンに拳を握らせ、俺に向かって突っ込んでくる金髪女。

俺は慌てて、鐙に座り手綱を引いてライオネルを後方に飛ばしたことにより

相手のドラゴンの拳は空を切る。


「いきなり何をするんだ!?」


「なに、実技講師となる貴様の実力を試してみたくてな。

まさか生徒の私よりも弱いという事はあるまい?」


生徒!?あのスタイルで生徒だと!?

惜しい!!実に惜しい!!あんな性格ではなかったらお近づきに

なりたい程の美少女なのに!!

そんな事を考えている間にも彼女は俺に向かって突進してくる。


「そろそろアンナ教諭の邪魔が入る時間だ!決めさせてもらうぞ!!

やれ、シルフィード!!」


「ガァアア!!」


ライオネルに向かって放たれる相手のドラゴンの拳のラッシュに

対して、ヒョイヒョイとドッチボールのように避ける俺とライオネル。

この程度のスピードに当たるほど俺達は遅くない。

しかし…反撃をして大丈夫だろうか?

冒険者として受けた初依頼の光景を思い出す。

もし、ライオネルが反撃したらこのシルフィードと呼ばれたドラゴンは

死んでしまうのではないだろうか?

攻撃するのはダメだ。

生きて大人しくさせる必要がある。

だったら……。


「ライオネル!!『ドラゴンバインド』!!」


「龍魔法だと!?」


驚愕する金髪女と共にドラゴンを中心に光の輪が出現し、一人と一頭を縛りつける。

縛られた二人は動きが取れなくなり、地面へと落下するが

大した高さではなかった為、ドラゴンと金髪女も大事には至っていないようだ。


ドラゴンバインド


モンスターを捕獲するクエストに使われる光属性の魔法。

モンスターを中心に光の輪が出現し中心モンスターを輪が小さくなることで

手足を拘束する。

レベルが自分よりも高いモンスターだと弱らせた状態でなければ成功しない。

逆にレベル差がこちらが高く魔法のレベルも高い場合だと容易に相手を縛ることが可能となる。

今回は格下だったようで簡単に縛れたようだ。


ライオネルを着陸させてライオネルから地面に降りた俺はおそるおそる

彼女に近づく。


縛られたドラゴンは当たり前だが相当機嫌が悪そうだ。

逆に金髪女は観念したのか大人しくしていた。


「ふ、まさかこの私を倒すとは……とりあえず貴様を認めてやろう」


「は?何を言って……」


「レイア王女!!今度と言う今度は……ってどうゆう状況ですか?」


「お、王女!?」


突如、空から降りてきたバオとアンナさん。

止めに来た彼女がやってきたのは全てが終わった後だった。

それにしてもこの女子生徒が王女?

俺の中のゲームで培われた清楚な王女のイメージがガラガラと音を

立てて崩れていく。


「とりあえず、カイトさん。レイア王女を拘束している魔法を解いてください。

そして、レイア王女とカイトさんには学園長室で詳しい事情を

話してもらいます。

ジミーくんは……一旦保健室に連れて行きましょう。

カイトさんお願いできますか?」


「わ、わかりました。ライオネル、魔法を解除してくれ」


「グルゥ」


アンナさんの指示に従い今だライオネルに掴まれ、気絶しており

彼の相棒のドラゴンも心配そうに男を見ている。

ドラゴン達を近くにいたブリーダーの職員にお願いし、男を保健室まで運んだ後

俺達は、校長室へと向かった。

それにしても不安だ。

武闘派金髪王女の決闘を邪魔してしまったのだ。

もしかしたら打ち首か?それとも奴隷か?投獄されるのか?

正直かなり不安だ。

不安がっていると先導しているアンナさんが扉の前で止まった。

扉の上に視線を向けるとプラカードのような物に漢字で学園長室と書いてある。

どうやら目的地に着いたようだ。



入室するアンナさんに続いて学園長室に入室する俺達。

学園長室の両脇には本棚がいくつもあり沢山の本が詰められており

タイトルを見る限りどれも教育とドラゴンについての本ばかりで

部屋の中央には客に応対するときに使われるであろうソファーと机。

さらに部屋の奥には立派な机があり机の上には学園長と書かれた金属のプレートが置いてある。

そしてその机にひじを置き、こちらを観察している

魔法使いのようなローブを着た白く長い髭を生やした長髪の老人。

彼こそがこの学園の学園長なのだろう。


「さて、事の顛末をまずはレイア王女殿下に聞かせてもらおうかの」


「うむ。事の始まりはジミー・アシュタルトが私の胸を見ながら

ヒソヒソと男子生徒と話をしていることから始まった。」


ジミー……お前って奴は。

この女帝のような王女になんて無謀なことを……。

俺がお前だったら、きっと王女とは距離を置いていただろう。


「態度と聞こえて来た奴の話す内容が気に食わなかったので、決闘を

申し込んだ。

しかし、奴が嫌がったので拳で説得し、決闘証明書の同意の欄に

血判を押した私達は練習場で決闘を始めた。」


なるほど。

ジミーは王女の胸にたいする陰口を叩いていたのか。

それを王女に聞かれ、拳で脅迫か殴られて決闘証明書に血判を押し、

決闘に至ったと……。

てっきり結婚しろとかスケベな事を言って決闘になったと思っていたのだが

どうやら違うようだ。

ジミーに同情の余地はない。

学園長も同じ事を思っているのか、ため息を吐いていた。

アンナさんは……うん。

同じ女性で通じ合う部分があったのか、雰囲気がかなり怖いです。


「そして決闘が始まり、奴にシルフィードのブレスをぶつけた時、衝撃

で奴は騎乗していたドラゴンから落ちた。

そして、奴が落下している所をそこに居る男が捕まえ、決闘は終了したのだが

私はこの男の強さに興味を持ち戦いを挑んだのだが……見事に全ての攻撃をかわされた上に龍魔法で拘束され、敗北した」


「ほう、習得が難しい龍魔法を使い。

学園一位であるレイア王女を倒すとは……アンナ先生。

もしかして彼は……」


「はい。私が実技講師にスカウトしたカイトさんです。

しかし……龍魔法まで扱えるとは知りませんでした」


王女の龍魔法と言う言葉に表情を変えるアンナさんと学園長。

どうやらこの世界ではドラゴンが魔法を覚えるのは難しいようだ。

まあ、ゲームとは違うのだから難しいのは当たり前なのかもしれない。


「カイトくん。決闘に君が介入してから最後まで間違いはないかね?」


「はい。間違いありません」


「そうか……」


恐らく処分を考えているであろう学園長。

この後、俺はどうなるのであろうか?





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