告白
「オヒサシブリデス」
「うん、元気そうで何よりだよ」
数日ぶりに見たが、特に変った様子もなく、いつも通りのようだが、挨拶を終えて、あいている席に座ることなく、立っ放しで話を切り出した。
「ジツハ オフタリ二 ハナシタイ コトガ アリマス」
「二人にですか?」
「ハイ」
「私は知っていますので何せ付き合いが長いですから」
「あぁ うん」
「なんですかその反応、まぁいいですよ カエデのためにケーキと紅茶でも入れなおしてきます」
そういうと、紅茶とケーキを取りに、台所へと戻っていく斉藤さんを、横目に緊張に耐えられなくなった、僕は少しあせりながら話を切り出した。
「それで話って何かな」
「ハイジツハ」
「すいません、それは私がそばで聞いていてもいいのでしょうか?」
神田さんも緊張しているのか、顔が少々強張っていて、声も少し震えていた。
「ハイ カマイマセン ムシロ キイテ ホシイデス」
「そうですか」
「ハイ ソレデ ハナシトイウノハ ワタシノ カゾクノコトデモ アリマス」
「先日の妹さんの事だよね?」
「アノコハ セイカクニハ イモウト デハ アリマセン」
「えっ あぁ若くみえてお姉さんとか」
「イエ ジツハ ワタシ モト ロボット ナノデス」
んっ? ロボットってなに?
「はい?」
「それは冗談ですよね?」
神田さんと僕は顔を見合わせながら、今の言葉を理解できないのは、頭がついていっていないのか、それとも急に後輩が元ロボットという告白が冗談だとしか思えないが、三園さんは首を降って否定する。
「コイガミサマ ガ アラワレテ ネガイヲ カナエテクレタノデス」
「それは僕以外のって事?」
「ハイ」
本当に僕以外の恋神さまは、僕には声も、姿も見せないのに、色々なところで顔を出しているようだ。
「あぁ ちょっと待って混乱しているんだけど、えっじゃあ片言なのはその所為?」
「ハイ イマハ ナオッテ イマス」
「それはなおってないから 片言だから」
「ジキニ ナメラカ 二 シャベル ヨウ 二 ナリマス」
「じゃあよく気絶するのは?」
「カイロガ ショートスル ナゴリデス」
「動きがたまにカクカクするのも?」
「ハイ ナゴリ デス」
「じゃあ本当に元ロボで、今は人間って事?」
三園さんは、首を縦にふり肯定した。
まぁよく気絶したり会話がカタコトであるという点を除けば、普通に食事したり、会話したりするという点はどうみても疑いようのない人間だ。
「ハイ ジョウケンツキ デハ アリマスガ」
「条件?」
「コイガ オワッタナラ ワタシハ モトノ ロボット二 モドリマス」
「だから、あの子はあんな事をいったのね」
「ソウダトオモイマス」
まぁ確かに、恋人が出来て、人間でいられるなら、その方が良いと思って、あの女の子は、そう言ったのか、あの凄く怪しい人達も三園さんが、心配だったということか。
「オクイセンパイ」
「うん?」
「スキデス ツキアッテクダサイ」
神田さんが、ティーカップを落とすまで、空間が止まった。
僕はこの日 後輩の三園さんに告白された。