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順風

 急遽たてたにしては中々楽しめた恋神さまのお誕生日会もお開きとなり、恋神さまと別れた後二人きりになったとたん斉藤さんは毒づいてきた。


「神田先輩 あなたはアホですか」

「失礼ね」

「いや なんで誕生日知らないんですか」


 本日恋神さまの誕生日という事を当日、本人から聞くことになった件について私は後輩から攻められていたというか呆れられていたらしい。


「普通知らないわよ」

「調べるでしょストーカーなら」


 この後輩は、人をアホ呼ばわりやストーカー扱いというのはいかがなものかと思う。


「私はストーカーではないわよ」

「いや神田先輩は立派なストーカーですよ」

「ストーカーは立派ではないわよ」

「あぁその認識はあったんですね まぁそれはお持ちの携帯のデータフォルダに保存の情報によりますけどね」

「べつに普通よ」


 部室で携帯をいじっているときにたまたま偶然にとれた恋神さまの写真とか、部室でうたたねしている恋神さまの写真とかそんな一般的な写真しかないのだから。


「まぁそれはともかくて最近は電話とかしているのにまさか誕生日をしらないとは」

「案外聞けないものよ」

「チャンスをひとつ逃したという事なのにずいぶんと余裕ですね」

「過程はどうあれ結果は楽しめたし祝えたのだから気にしないことにしたのよ」

「そうですか……」


 確かに誕生日を知らなかったという事においては、自分の迂闊さを恥じる部分があるだろうが、結果として斉藤さんという余計なオプションはついてきたが祝えたし、楽しめたのだからそう悲観することもないだろう。


「神田先輩 それは油断です」

「油断?」

「そうです、もし私が奥居先輩を好きだったら事前にリサーチをして今日デートとまではいかなくても二人で遊びに行きましたよ」


 まぁ行動力のある斉藤さんなら確かに事前に誕生日を知って先手を取ってそのように行動するだろうと思う、その可能性を考慮しなかったという点では油断ということになるのだろう。


「油断ということは私は第三者からみて優勢の位置にいるということかしら」

「当時者の可能性だってありますよ」

「いえ、あなたが恋神さまを好きなら攻勢にでているからそれはないわよ」


 そうでないということがわかったのは私にとっては朗報ということになるのだが、この後輩はお見通しとばかりにニヤリと笑った。


「そうですねぇ 確かに今はそうですが恋は突然やってくるものですよ」

「あっそう」

「おや反応薄いですねぇ」

「その恋が突然やってくるまえに決着をつけていればいいだけよ」

 

 簡単に言えば恋人になってれいばいいという事だ、一歩一歩地道に歩んでということになるだろうけれど

、もちろん簡単に言えばの話で実際はかなり難しいのだけどそこで諦めるわけにはいかない。


「・・・・・・神田先輩牢屋にはいるのだけは勘弁してくださいよ」

「なんで私が入る前提なのよ」

「いやまぁ 既成事実とか不法侵入とかしそうだったもので」

「本当に失礼ね」

「まぁまぁがんばって下さいね、今は順調でもライバルが急に現れるともかぎらないんですから」


 確かに電話や部室で二人きりで会えたり、この間は向こうはどう思っているかはわからないがWデートもできた、順風満帆といえばそうなのだろうがそれがいつまでも続くかわからないと心の中で感じていたものが一気に噴出しそうになるぐらいに私の心のなぜか暗く圧し掛かってくるような声色でからかってくる斉藤さんの圧力につぶされないように声に出す。



「心配無用よ」

「振られたときカラオケぐらいなら付き合いますよ」

「縁起でもないわね」

 

 なんで振られる前提で慰められないといけないのだろうか、まぁかくいう私も付き合える前提で決意しているようなところもあるが、そう思わないと不安を乗り越えられないだからもう一度今度は心の中で頑張ると決意をする。


 さしあったてはプレゼントを何か考えておこう

 










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