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生まれ変わったのは良いですが、どうやら推理漫画の1エピソードに出て来る死体役に転生した模様です。

作者: 深月 涼

元推理モノだけど推理しないし、恋愛感情を仄めかすけど恋はしていない。

文学には程遠いですし。

どうジャンル分けしていいか分からないので、とりあえず『その他』です。

どっかで見た事あるような舞台設定詰め込んでますが、ネタ元にしただけで一切無関係です……と主張してみる(え?ダメ?)




 まだ幼かった頃、母が村に住むとある富豪の使用人になった事から、その全ては始まった。

 いやでも本当の始まりというのなら、きっとそれは“私たち”が生まれて来た時こそがそうなのだろう。

 とにかくそういった経緯で離れに住み込んだ私と、その時すでに―――というかそもそも最初からシングルマザーだった母の2人家族は、旦那さまと奥様、お坊ちゃま方のお世話に奔走する事となる。


 ……旦那様は生まれ付き病魔に侵され顔が変形しているからと、普段から変な被り物なんかしてるけど、それでも人目を気にするのかあまり表に出て来ない。

 その分、他の人たちよりまだマシなんだけど。

 他の人たち……。そう、つまりは奥様と坊ちゃんが問題だった。

 元々山奥の狭くて古く閉鎖的で変な風習まであるこの辺り一帯の地主だった奥様の家は、何をしていたのかかなり羽振りが良く、彼女自身周囲を従え見下す様な……女王様?そんな感じだったらしい。

 片親貧乏で、今でいう学園カースト最下層だった母がこの屋敷に勤めれば、いじめが再燃するのはある意味当然だったかもしれない。

 そして長男である坊ちゃまだが、お母様を見習ったのかこれまた立派に横暴な性格におなり遊ばされた。

 年齢の近かった私は案の定というべきか使用人の娘だからと、至ってシンプルなそれだけの理由でまんまといじめの対象になってしまうし。

 不幸中の幸いか、弟君はまだ赤ん坊で、そういった心配が無いのだけが救いだった。

 だけど奥様や坊ちゃんが率先していじめれば、当然周囲だってそれに倣うから、ただでさえ人付き合いの少なかった我が家は次第に村の中で孤立して行き、私自身、訳も分からないまま村八分にされたのだった。


 いつだったか聞いた事がある。何故この家に勤め続けるのか、と。

 母は見た事も無い様な……微笑んでいるのに有無を言わさぬ様な……そんな妙に迫力のある表情で「お金が無いからよ」と言った。

 母がそうであった様に私もまた片親で、狭い村で親が欠け、貧乏と言えばそれは確かに就職口が限られて来るから仕方がないと言えばそうなのだろうけど……。

 それだけでは無かったのだという事を、後に私は『思い出す』事になる。


 いじめにも慣れ、諦めるという事を覚えた頃、奥様が事故で亡くなった。

 旦那様の後妻には何故か母が選ばれた。

 ……しばらくの間、風当りが物凄く強かったのを覚えている。

 もはやちょっとやそっとの事では動揺しなくなっていた筈の私が、酷く肩身が狭い思いをしたものだ。

 母は当時旦那様の傍仕えをしていて、身近な事は何でもやっていた。

 着替え、ベッドメイクに始まり軽食のお世話も。

 だから口さがない村の人たちは、聞こえよがしによくこう言ったものだ。

 「愛人風情が」と。

 初めて『親子』として顔を合わせた時、坊ちゃんはすっごい嫌そうな顔をした。

 それはもう断固反対姿勢で、その様子に、彼の“表情”に―――デジャヴを感じた。


 ――――――それは、ここじゃ無い、いつかの話。

 義父が亡くなり跡目争いで言い争う子供たち。

 そして遺産の分配で“自分”が“ざまあ”した所で……“母”にSATUGAIされる。

 実は自分は、奥様と同じ病院で出産した母によって生まれたばかりの我が子とすり替えられた旦那様の実の子で……。

 その“母”も富豪の息子―――長男(実は母の実子)の盛った毒薬で、名探偵による謎解きの直後に殺されてしまうのだが――――――


 読んだ当時は、何て悲しい話だろうと思った事を覚えている。

 せめて母子にもっと違った救いは無かったのか、と。

 でも今は―――ほんの少し、自分勝手だなと思ってしまう。

 愛が無いとは思いたくないけど、結局『彼女』は自分がおなかを痛めた子の方をこそ、優先してしまうのだから。


 と、そこで自分は大事な事に気がついた。

 …………その話の最初の死体役は、男の子だった筈。

 自分は…………そうは余り扱われてないけど、こう見えて女です。


 とはいえ、全てを思い出したからには焦った。

 母と息子の確執については置いておくとして、このままでは、言い争いの時の表情から“生前嫌がらせをしていたにっくき先妻”を思い出した“鬼子母神(はは)”に、間違いなくぬっころされる!

 苦労しながらここまで育ててくれた母に恩や愛情が無い訳じゃないし、出来れば助けたいとは思うけど――――――これはそれ以前の問題。

 何がどうしてSATUGAIスイッチが入るかわからない鬼子母神の前から、どうにかして逃げ出さなければ!


 こうして私の逃亡計画は始まった。


 まずやるべき事は、何が何でも勉強!

 大学行くって事で都会へ出る!

 少なくともこの村さえ出られれば、あの一家とも関わらなくて済むのだから。

 目指すはお金のかからない国立だ!

 そして趣味が散策と偽り、周辺の地理の把握。

 いざという時には徒歩で山を降りる!何としてでも都会へ出てやるんだ!


 ―――昔、珍しく母が遊園地に連れて行ってくれた事があった。

 ふと気がつけば迷子になって、結局夕方ごろまで遊園地を彷徨うハメになったのだが。

 あの時この将来を見越している事が出来たら「自分の事が何にも分からない」などと適当な理由をでっち上げ、記憶喪失の誘拐被害幼児として保護されるという方法が取れたかもしれないのに、ああなんてもったいない!

 もしかしたら、あの時の母は私の事を―――と今思わなくもないが、考えたところで終った話だ。

 ……まあ、過ぎた事を悔やんでも状況が改善する訳でもないから……。

 ときどき遠くを見つつも、必死に勉学に励んだ。

 地元の中学へ進学したけど、相変わらずいじめは続いている。

 最近ちょっと身の危険が増えて来た。

 石やゴミを投げつけてくるのはまだ可愛い。

 気を付けなければいけないのは夜。

 遅くなって一人うろついていると、野郎に追いかけられるからだ。

 ……いくら“あいつ”の指示だからって、私も今やお嬢様なんですがね!そこら辺分かっているのかなあっ!?

 あ、女子友?いる訳無い。


 どうも私の成績に、あのバカ息子の魔の手が入って……どうせ成績の良さを妬んでやっかんだんだろうけど……改ざんの形跡がある様なので、ここで将来を潰されてなるものかと一つ手を打つ事にした。

 自由を得る為なら手段は選ぶものかと“こうなった時”から決めている。―――母にバレたらおしまいなので、そこだけは注意するけれど。

 (おに)の居ぬ間にこっそりと、旦那さまの使用した櫛を入手した。

 そこから誰の物かは言わないまま、執事のじい様に“DNA鑑定”を持ちかける。

 仕上げとして「母とは血が繋がっていない気がする」と疑念を告白すれば、頭の回転のいい執事のじい様は、恭しく受け取った。

 じい様は公正明大で、いじめとかとは無縁の人。

 ついでに目端が利いてて、隠し事や企みなんかはすぐに見つけてしまう。

 坊ちゃんの嫌がらせの魔の手からも、何度助けて貰った事か。

 ……その割には放任主義なんだよね。

 もうちょっとこう、躾とかちゃんとして欲しかったかな……。

 まあ、それが旦那様の意向だっていうならしょうがないけど。

 髪の毛が旦那さまの物だと看破したらしいじい様は、私が望んだとおりに旦那さまと面会させてくれた。

 念の為に櫛を持ち去った後、返す所も目撃させたんだけど、どの時点で気付いたのかは分からない。……まあじい様だから。


「何故こんな回りくどい事を?」

 そう問うた旦那さまのお声は『面白そうな物を見つけた』という感じで、表情が見えたらきっとニヤニヤしているんだろうな、というのが分かるくらい笑みを含んでいた。

「身の安全の保障の為、旦那さまのお力が必要なのです」

 私はこれまで勉学に励んできた本当の理由と、最近の成績についての相談、それから将来の望みに関して余さず正直に伝えた。

 成績については、テスト時に問題用紙にも答えを書き(ウチの学校は答案用紙が別で、問題は持ち帰って復習に使えという方針だ。その何割が実際に利用しているかはともかく)証拠を残すという方法を取った。

 ……正解の答えを明らかに消しゴムで消され、その上から誤った答えを書き直されているのを見た時は、分かっていたにもかかわらず結構ショックだったけど。


 旦那さまには「揉め事の大元になる遺産はいらない」ときっぱりはっきり断り、その代わり都会へ出て大学へ行く事を許して欲しいと述べた。

 私としては、一度出たらもう一生帰るつもりは無い。……こんな村。


 きっと母は私の最近の行動に疑問を抱いている筈で、今は親娘として家族愛があったとしても、それはあくまで実の息子の次になんだと思う。

 …………そうじゃなかったら、毎日の様に服やカバンの中身を汚して帰って来る自分に対し、もっと何かリアクションがあっていい……と思う。

 だから自分が取り換え子だと知っていると母に知れれば、そう遠くない内に容赦なくSATUGAIされる!

 なんて…………そこまで被害妄想じみた話までは、さすがに言わなかったけど。


 旦那さまは私の望みどおり、成績と将来について請け負ってくれた。

 高校については村外の、それなりに格式ある女学校に推薦させ、大学入学が決まったら都内に家を買ってくれるとまで言ってくれた。

 ここまでしてくれるとは思わなかったので、かなり恐縮したのは確か。

 助かるんだけど……ただ唯一の不安要素は、旦那さまが結構面白がる性質だという事を知った事、だろうか。


 権力使って改ざんさせてた先生方が軒並み異動になり、村外の女学校(しかも入寮、完全なる自由!)に行く事が決まった私への嫌がらせのつもりか、やたら直で絡んで来るようになったバカ坊ちゃん(フラグの塊)から、それとなく逃げる毎日。

 ……あんまり目立つ事すると、母の鬼子母神モードが発動しかねないのが恐ろしい。

 今やおっきくなって妙に懐くようになった義弟……血筋的には実の弟だが……には、記憶が戻った直後から“頭おかしい”振りしてろ、と原作沿いの展開を勧めた。

 良く分かっていなかったみたいだったけど、バカ兄に農薬入りジュース勧められた辺りで察したらしい。

 2人きりの時はいつもの頭も顔も性格もいい男の子に戻るのだが……最近妙に色気がある気がして……。距離近いのはなぜ?ねえなんで?


 置いていかないでと縋る弟を振り切りようやく得た自由は、仮初の物だとは分かっていてもとても素晴らしいものだった。

 初めての友人。初めての清潔な毎日。

 自分に嘘を吐いて生きなくていい事がこんなにも嬉しくて、幸せで、私は馬鹿みたいに笑ってばかりだったと思う。

 自由の素晴らしさを改めて思い知った自分は、無駄に権力持ってるバカ坊ちゃんに何処からどう漏れて嫌がらせの為だけに傍に置き続けられ、都会への逃亡計画が邪魔されるかわからないので、こっそりと大学進学の準備していたのだが――――――そこへ旦那さまが急死したとの知らせが入った。

 あっという間の病死だったらしい。


 旦那さまに貰ったおこづかい(という名の生前贈与)で、母に内緒で大学進学後に使う用にと都内でそれなりに大きいアパートを借りていた私は、学内でその知らせを聞いた直後、そこへ避難。

 確実に身を隠す為、さらに南の方へ逃げ出そうとしたが……。

 どういう訳か黒服に追い回され、結局家に連れ戻される羽目になった。ほんとどうしてだよ、あの粘着バカ息子!


 親類縁者とご近所からの今さら感漂う物凄く居づらい空気の中、遺言の公開が始まった。

 あ、諸事情で逗留している原作漫画の主人公たち、末席に発見。

 ……出来ればここに来るのが『普段はちゃらんぽらんだけど意外にじいちゃん子な高校生探偵』や『頭脳は大人な小学生探偵』じゃなくて、『胡散臭い言い回しが特徴の警部補』か、『ころころ変わる相棒をお持ちの警察関係者』なら、全部ばらしてソッコー頼りにするんだがなあ……。

 あ、同じ警察でも『人情系2時間ドラマの人』はあまり頼りにならなそうだからいいです。電車関係の刑事さんは……頼れそうだけど、そもそもここ鉄道引かれてないんだよね、残念。警視総監の弟さんは、権力的にはありかもしれないけど、本人が頼りになるかっていうと……イマイチかなあ……。

 それから『赤い霊柩車をお持ちの葬儀屋さん』は未だ出番じゃないですから!!


 などと遠い目をしつつ現実逃避していると、名前を呼ばれた。

 生前の約束通りに自分への遺産は無し。ドッキリも無い様で、一先ずほっとする。

 だかしかし、そこへ爆弾が投下されたのだ。


 ――――――当主を継ぐ者は、後妻の連れ子を嫁にする事。


「嫌です!」


 眼鏡の弁護士のその言葉に、私は思わず立ち上がり叫んだ。

 血の気は下がり、顔色は恐らく真っ青になっているだろう。

 後ろに居るはずの母が怖くて見れない。

「……今のはどういう事だ!?お前が父にせがんだのではないか!?生前父はお前の事を良く目に掛けていたしな。ハッ、大方その体で誑し込んだのだろう?まったく、母が母なら娘も娘だ!しかもそこまでお膳立てしておきながら、この俺の嫁になるのが気に食わないだと……?お前まさか、この俺に恥をかかせる為だけに、この茶番を仕組んだのではあるまいな!」

 そんな訳あるはず無い!というか、その誑し込んだ母はお前の実の母だ!!

 青褪め震えて見詰める私に何を思ったか、一旦は激昂したバカ坊は不意にすとん、と表情を無くし考え始めた。

「ふむ。良く考えてみたら、お前の様なうすのろ間抜けな芋娘、誰も相手にせんだろう。……遺言の件もある。“仕方がないから(・・・・・・・)”結婚してやる。……ありがたく思えよ」

 最後ににやりと笑ってこっちを見た。

 妙な上から目線であほの子モードとか、あああああ、後ろの鬼子母神が怖い!!

 いらないいらない、あんた私の事大っきらいだっただろう!?なんで今さら妙な温情掛けるのか!

 ああ、周囲の身内も田舎っぺ丸出しでバカ坊の言う事鵜呑みにし始めた!?これだから権力に弱い田舎は!!

 なんでそこで、まるで私が言う事聞かない悪い子みたいな表情するのか!ヒソヒソすんな感じ悪い!!


「百歩譲って婚姻届にはサインする!(本当は嫌だけど!)でもその時には一緒に離婚届にもサインするのが条件です!」

「お前、俺がこれほど譲歩してやってるんだぞ!?何が不服だ!さてはお前、最初から財産狙いだな!?ふんっ、そうはいかん。貴様は一生この家の()だ。おとなしく当主である俺に従っていればいい!」

 そうならない為に逃亡計画立ててたんだよ!分かれよ!

「弁護士さんどうにかならないんですか!?ようはこの方に遺産が渡ればいいんでしょう!?私は遺産も財産もいらないっ!私はっ、ただ―――」

 涙目になった私の意見は、ついに最後まで言い切る事が出来なかった。


「兄さん、義姉さんがそこまで嫌がってるのに、無理にお嫁にするのは可哀想だよ」

 弟だった。

「兄さんだって、無理に義姉さんと結婚する必要無いよね?方法は何もひとつとは限らない。そうでしょう?―――そうだな、たとえば僕が当主になってから当主の座“だけ”譲ってあげる、とかはどう?僕は当主の座なんかいらない。だからその代わり義姉さんは貰ってくよ。そしたら兄さんは、他の女の人たちと好きなだけ結婚でも離婚でもしたらいい。ほぉら、それなら角が立たないでしょう?」

 ね……って、妙に迫力ある微笑でこっち向いて言われても。

 ぽややんとした振りをしていた弟の豹変に、周囲がぽかん、と口を開ける。

 それはあのクソバカ坊ちゃんも例外ではなく……。

 正直今このタイミングでは最高の援護で、とても有難い助けだとは思うけど……そもそも年下で実は実弟など端から範囲外で論外。―――ましてやこの家の人間など。

 方法としては、確かにこれなら鬼子母神をかわせるかもしれないが……。

 いやでも、そもそもこんな長男コケにするやり方で、後ろの鬼子母神納得するか?

 下手したら自分だけじゃなくて弟までSATUGAI対象だぞ……!?

 けど弟は、私のそんな葛藤をどう判断したのか妙に迫って来るし。え、結婚直後に離婚ダメなの!?何で!?

 どうしよう、火の輪潜りなこの状況をどうにかするには、弟の手を取るしかないのか!?……ってそれそもそも近親的に駄目だろう自分!

 でも今それを皆の前で言ったら、後ろの鬼子母神が!(以下エンドレス)

「そんな事を言って、本心では、やはり当主の座が欲しいだけだろうが!?」

「そういう兄さんこそ、そこまで執拗に義姉さんを手に入れ様とする必要は無いんじゃない?1年一緒に暮せとか言われた訳でもあるまいし、それこそ紙切れ一枚でどうにでもなるんだからさ」

 ほぼ白目を向きかけた私の葛藤をよそに、義兄弟の―――よりによって“私”争奪戦は激しさを増してゆく……。



 絶望感が押し寄せる。

 ここまで来て詰んだかも……。


 ……いやまだだ、まだ終わらせやしない!

 崩れ落ちそうになる自分を叱咤する。


 絶対、この境遇からどうにかして逃げ出してみせる!!






 ――――――私の守護神は、きっとIKUZOの顔をしているって信じてる。







ちょっとした解説と蛇足。

主人公が本来の自分と性別違う時点で、取り換え子になった理由も違ってきていますが、主人公はそれに気づく余裕がありません。

バカ坊は自覚しないまま主人公に惹かれていますが(こっち向いて意識してほしい構ってちゃん)、主人公は自身の死亡フラグを折る事に忙しく、また彼自身の愛情表現が小学生以下で、しかも自分の取った行動が周囲に影響及ぼしている事も自覚していないので(周りが勝手にやってる事だと思って特に何もしていない)、主人公には「こいつは自分の事を嫌っているんだな」と思われています。


で、この先どうすれば大団円ルートでのハッピーエンドに導けるのか、作者にも分からないので、この話はここでお終いです。

「「ええーっ!?」」やかましいわ。

個人的にはバカ坊LLEDを希望したいところですが……。

「断固拒否します!」

「お前、この期に及んで!」

「兄さんには無理だよねー」(嘲笑)

「お前はもっと無理だろう」

「「……」」(睨み合い)

「どうしてこうなった」(白目)


なお、

バカ坊の手をしぶしぶ取った場合→その気は無かったはずなのにスイッチ入っちゃった鬼子母神にいびられ、心がまず死ぬED

弟君の手を取った場合→ヤンデレ解禁、監禁孕みED

バカ坊→心労→弟ルート→鬼子母神にSATUGAIの末、弟が主人公の死体抱えて衆人環境の中飛び降り、という電波を受信。

……だから言ったろ?大団円が行方不明って。

15禁タグ付けたからには、自重なんかしないよ!


ちなみに影の薄かった高校生探偵の名前は金谷君。

かなや→金谷→キンダニ→金田二→金田一……



おまけ

いつかの旦那と執事の会話。


「宜しいので?」

「宜しいも宜しくないも、しょうがないだろう?……子が生まれたら女で後継ぎに相応しくなかったから、仕方なく取引して……。子育てを妻にまかせっきりにしたら“あんな”になっちゃうし、『実の母親』は元使用人だというのを理由に、甘やかすばかりで躾も碌にしない。子が子なら親も親というか……所詮アレらは“その程度”だったという事だな。―――ふう、しかしね、まさか“我が子”があんなに出来る子だったとは。知ってれば捨てたりなどしなかったんだがなあ」

「母親も“子”に愛情はあるようですが……先の奥様が奥様ですからね。……態々戻って来るような事が無ければ、この様な事態にはならなかったのでしょうが……」

「いやいや、女も母も怖い怖い。あれでは“本来の子”に家督を戻すと言った途端、何をしでかすか分かったものではないよ。財産には興味無いと言いつつも、貰える筈の物が横からかっさらわれたとすれば……」

「左様ですな。……“彼女”が一度だけ母親の事を『鬼子母神』だと評した事がありましたが……あれは『怒ると怖い』ではなく、其の物の意味だったのでは、と今では思います」

「ははっ……言いえて妙だ。ははっ……ごほっごほっ」

「旦那さま」

「良い、少し噎せただけだ。とにかく―――家督も財産も好きなだけ食い潰させてやれ。最悪、血筋さえ守られればそれで良いのだからな。――――――村の連中も、少しは考えるという事をした方が良いんだ。それが出来ないのならば、共に朽ち果てろ。だが、あの“娘”に手出しはさせん。……最後の最後の“父親”としての温情で、“機会”だけは与えてやるがな」

「……必ずや“ご令嬢”の身柄はお守りいたしますとも」

「……最期まで、我儘を言って済まん」

「何をおっしゃいますやら、私めと旦那さまの間柄ではございませんか。では、当初の『遺言』が公開された後、条件達成後、速やかにこちらを改めて公開という事で――――――」




ちなみに旦那さまが自分の被り物中で一番気に入っているのは、娘に作ってもらった『イニシャルビスケットのK』だったりします。

他にも『映画泥棒』とか『2○世紀少年』とかあるかもしれない……。




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