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それぞれの覚悟  作者: 仙夏


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06

食堂に残って界君と一緒にお粥を作っていると坂井先輩も来てくれた。

壮馬 「やっぱりお粥は雨宮だよな。」

界 「そうですか?」

壮馬 「雨宮のお粥は評判だから。」

界 「なら良いですけど。」

坂井先輩は遅めの夕飯を食べながら僕らを見ていた。

界 「坂井先輩は仕事片付けてたんですか?」

壮馬 「そう。元々、橘先輩に夕飯食べてもらって休んでもらってから仕事するつもりだったからさ。」

界 「、、、だいぶ無理してしまいましたね。橘先輩。」

壮馬 「そうだね、、、もともと、風邪気味だったみたいだし。」

界 「そうだったんですか。坂井先輩も無理しないでくださいよ?」

壮馬 「分かってるよ。」

お粥ができてくると坂井先輩も食べ終わって僕らの側でお粥を見ていた。

壮馬 「やっぱり雨宮のお粥は美味しそうだな。」

界 「坂井先輩も食べますか?」

壮馬 「ううん、先輩の様子見てくるよ。お粥できたら持ってきて。」

界 「分かりました。」

坂井先輩が出ていくと、少しして界君は器にお粥を盛った。

界 「、、、」

湊 「、、、界君、大丈夫?」

界 「っ、ごめん。大丈夫。持ってこうぜ。」

医務室に行くと橘先輩が眠っていて板橋先輩たちが看病をしていた。

薫 「あっ、ありがとう。」

優 「界。今日も美味しそう。」

界 「でも、先輩寝ちゃってるし食べれないよな、、、」

薫 「そんなことない。また後で温め直して食べさせるよ。ありがとう。」

界 「、、、はい、、、」

界君がお粥を置いて部屋を出ると優君は僕の腕を引いた。

優 「傍にいてあげて。」

湊 「う、うん。」


界君を追いかけて、僕らは風呂に入った。

いつもは何人か一緒に入るけど遅い時間で貸切状態。

界 「ふぅ、、、」

湊 「、、、界君、どうした?」

界 「、、、大丈夫。何でもない。」

湊 「、、、僕で良かったら話聞くよ?」

界 「、、、湊って兄貴がいるんだっけ?」

湊 「えっ、あ、あぁ、、、うん。」

界 「そっか、、、俺はさ、妹が居たんだ。妹によくお粥を作ってたんだよ。」

湊 「っ、、、妹さん、体が弱いの?」

界 「あぁ。小さい頃からよく熱を出すしすぐに倒れるし目が離せなかったよ。だから、俺が最初に覚えた料理がお粥なの。」

湊 「、、、そっか、、、心配だね、妹さんのこと、、、」

界 「、、、いや、俺が茜坂に呼ばれる前に亡くなった。」

湊 「えっ、、、そ、そうか、、、」

界 「、、、俺、それまで妹のために生きてたっていうかさ、、、妹が居なくなって何したら良いか分からなくなっちゃって。それで学校の勉強して気を紛らわせて、その中でも計算に打ち込むようになったんだ。」

湊 「そうだったんだね、、、」

界 「、、、お粥作るとどうもあの頃のことを思い出しちゃうんだ。特に弱った橘先輩に作るときは妹を思い出す。」

湊 「、、、」

界 「、、、橘先輩に作るときはあぁやって眠ってるときが多くて。妹もさ、最後お粥食べれなかったんだよ。衰弱してって、自分の手にあったお粥がだんだんと冷めてった。」

湊 「、、、それで、元気がなかったんだね、、、」

界 「、、、」

すると風呂場の引き戸が開いて、優君が入って来た。

界 「っ、優。」

優 「僕も入ろ。」

優君はお湯を体に掛けてから湯船に入った。

優 「何の話してた?」

界 「、、、昔の話。」

優 「、、、そっか。」

界 「、、、やめやめ。こんな話。」

界君はそう言いながらお湯を僕らにかけた。

優 「あっ、やったな。」

界 「久しぶりの貸切だ。はしゃごうぜ。」

三人でお湯を掛け合って遊んで部屋に戻ると優君は界君が眠ったのを見て起き上がった。

湊 「、、、優君。」

優 「ごめん、起こした?」

湊 「まだ寝てないよ。橘先輩のところ行くの?」

優 「うん、交代なんだ。界の様子を見て、板橋先輩たちが行って来てって言ってくれたからさ。界も眠れたみたいだし良かったよ。」

湊 「あっ、僕も行くよ。」

優 「湊も寝てて。界のことお願い。」

湊 「あっ、うん、、、」

優 「起きたとき、界が一人じゃ寂しいと思うからさ。お願いね。」

湊 「分かった。」

優君が出ていくと僕は界君の布団を掛け直して自分も眠りについた。


次の日目が覚めると優君も戻って来ていて布団で眠っていた。

二人を起こさないように橘先輩の部屋に行くと教官と板橋先輩の声が聞こえた。

林 「後何日だ?」

薫 「この高熱ですと、三日は休ませたいです。」

林 「三日は無理だ。そこまで穴を開けられない。医者を呼ぶか、、、」

薫 「医者を呼ぶにも外の世界では感染病が流行していますし、かえって危険だと思われます。」

林 「、、、しかし、橘をほってはおけんだろ。」

薫 「それはそうですが、、、」

林 「全員を隔離させて医者に看病させる。」

薫 「橘先輩は基礎疾患もあります。危険です。」

林 「しかしなぁ、、、」

すると、急に背中を押されて部屋の扉が開き、部屋に入れられた。

莉央 「教官。凛が熱を出したって本当ですか?」

林 「あ、あぁ。」

振り向くと第一級人員の早坂先輩と近衛先輩がいた。

薫 「あっ、近衛先輩。」

柚月 「ありがとね。後は僕が看るよ。」

莉央 「うわ、凛の顔真っ赤、、、保健部長さん、どうする?」

柚月 「悪いけど、藍を起こしてくれる?」

莉央 「おっ、喜んで!」

早坂先輩が嬉しそうに部屋を出ていくと近衛先輩は橘先輩の体調を診ていた。

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