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(第8話 交流会 7月24日)

 今日は、県内の外郭団体連合会の交流会が開かれる。8月下旬の知事選挙が近づくと、4年に1度の恒例のイベントである。県や市町村の外郭団体の役員が集められ知事や市町村長などと懇親を深めるとされている。今の知事は国の役人あがりで、自分が30代で国の外郭団体に出向していた時、県人会などで顔見知りになった。当時から政治家志向が強く20代にもかかわらず県政を熱く語っていた。職場に遊びに行き、コーヒーをおごらせたのもいい思い出である。

 夕方、会場着くと知事、国会議員、市町村長など到着しており、クロークに荷物を預け慌てて会場に入った。席に着き、周りの知人に挨拶をしていると司会者が開会を告げた。知事、国会議員の長い挨拶のあと、やっと乾杯、300人規模にもかかわらず、県内有数の老舗ホテル、次々にコース料理が運ばれる。隣の人と経済情勢、観光動向などどうでもいいことを話していると、肩を叩かれ振り返ると、知事が満面の笑み、知事選で有力候補がいないことからほぼ無風が予想され、余裕の表情である。立ち上がり挨拶を交わしたあと、9月1日の予定を聞く。

 再選されたら9月議会の日程次第ではあるが、県内にいるとのこと。オカルトではないが9月1日に日本各地で大災害が起きること。特に大都会には絶対行かないように釘を刺す。怪訝な表情ではあるが、かなりのインパクト与えたようだ。最後は笑って握手して離れていった。

今日の目的は終わったと、残っているコース料理を平らげ、周りに挨拶して席を立つ。

 クロークでバックを受け取りエントランス向かうと、追いかけてくる足音、先輩!との声で振り返ると、元の職場で部下だった山口あやの姿、10歳ほど下だったからまだ現職のはずだがと首をかしげると、バックから名刺を差し出す。

 現職出向で保健福祉団体に在職。今夜は理事長代理で出席したとのこと。

知り合いもいないし撤収しようとしたところで見つけたようだ。

 彼女とは、在職時代3回同じ職場になり、10数年前は、上司部下で一緒に仕事していた。懐かしさから最上階のバーラウンジを誘うと、おごりなら行くとのこと。退職金がいっぱい残っているよとエスコート、カクテルを飲みながら10年間を埋めていく。

 妻を亡くした同じ頃、彼女は離婚したことから数年後、他の同僚たちが二人を結び付けようと画策したことで疎遠になっていた。相変わらずの明るさで、数日来悩んでいたことが解消されていく。ここでも冗談交じりに9月1日は災害が起きるから県内を離れないようにと釘をさしておく。

 住まいを聞くと城跡公園のふもと、「慰謝料ふんだくっていいマンション買った」とのこと、家から直線で100m圏内、ご近所さんであった。

 タクシーで送っていくと、「寄らないか」とのお誘い。夜も遅いとバイバイと手をふる。フンと口を尖らせ背中越しに手を振り返す。運転手さんに車を進めるよう告げ、信号3つ先で下車。「行きたかった」とつぶやきながらマンションに帰る。

 就寝前にブログを確認すると、福岡から、日曜日よろしくとのこと。

 その他、日本各地から情報が寄せられている。最後に北九州をチェック、下関北九州で2はダンジョンが考えられる。1件ヒット、日曜日夕方か月曜日で日程調整依頼しタブレットを閉じる。



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