(第5話 3階層 7月21日)
今日は海の日、まだ、この祝日には慣れない。つい出勤しそうになる。いつものジョギングウェアに着替え、ダンジョンに出勤。昼飯、スポーツドリンクもアイテムボックスにあるから8時間勤務とする。
休日でジョガーが多い中、人目を盗みダンジョンに入る。タイムリミットが分かったせいか気が逸る。4階への階段を下りながら、今日もバールのようなものを主戦力に火魔法を多用することにする。
4階につくと通路が一回り大きくなっている。オークバージョンであろう。2mのオークがこん棒を振り回している。レベルアップの影響か、それほど脅威は感じない。
駆け寄って来るオークにファイヤーアローを唱えると、眉間にジャストミート。一瞬で黒い霧に変わる。今のMPでは14回が限度、ファイヤーボールとバールのようなものの連携で倒しつつ、余裕のないときにファイヤーアローを使う。大きな扉が見えてきたとき10数匹目のオークを倒した。お待ちかねのレベルアップ
ステータス ニシ ヒロシ 年齢64 レベル8
HP 90 MP 88
スキル 初級魔法・アイテムボックス・記録アクセス、鑑定、火魔法
呼吸を整え、水分を補給する。躊躇なくボス部屋へ。部屋の中央に、やはり一回り大きいオークキングが仁王立ち。駆け寄りながらファイヤーアローを2本飛ばす。1本目はこん棒で叩き落されるが時間差の2本目が肩口に刺さる。ひるんだところにファイヤーストーム、纏わりつく火の粉に苦悶の表情。ファイヤーアローの連発は、すべてヒット。炎に巻かれながら黒い霧に変わっていく。残っているのは虹色の魔石と無色のオーブ。レベルアップのアナウンスでステータスを確認
ステータス ニシ ヒロシ 年齢64 レベル9
HP 100 MP 98
スキル 初級魔法・アイテムボックス・記録アクセス、鑑定、火魔法
オーブを鑑定すると氷魔法とある。右手で握り念じればスキルに氷魔法が表示される。
早速記録アクセス。
「Q氷魔法の種類は」
「ALevel1アイスボール(氷玉) L2アイスアロー(氷矢)
L3アイスランス(氷槍) L4アイスフレーム(氷柱)」
「アイスボール」と指先を壁に向けると、拳大の氷玉が飛ぶ。MPは2消費
「アイスアロー」は1本の矢、MPは4
「アイスランス」は1本に槍、MPは8
「アイスフレーム」は尖った氷柱で、地面からのび獲物串刺しにする。MPは16
魔法の確認が終わり、時計を見ると昼過ぎ、ボス部屋で昼食と小休憩、MPが2/3まで回復したのを確認して階段を下る。次からは複数会敵となる。慎重に進めなければ命に係わる。
最初は、スライム2匹、交互に飛びながら近づいて来る、MP節約で、バールのようなもので倒す。その後1階層から4階層までの魔物が2匹順列組み合わせで襲ってくる。10通りの2巡目でボス部屋到着。これまでレベルアップはなし。MPが半分以上残っているのを確認し、扉を開ける。
中には、ラージスライム・ホブゴブリン・ラージコボルト・オークキングと階層ボスがそろい踏み、ラージコボルトが駆け寄るのをアイスランスで串刺しに、ファイヤーアローでラージスライムを消去り、ダガーナイフでホブゴブリンに傷をつけ、オークキングに駆け寄りファイヤーボールで目つぶしし、ダガーナイフを首に突き刺す。毒状態のホブゴブリンをバールのようなもので頭部破壊。流れるような戦いぶりで無事制圧。
大小4つの虹色の魔石と1つの宝箱。レベルアップのアナウンスでステータスを確認
ステータス ニシ ヒロシ 年齢64 レベル10
HP 110 MP 108
スキル 初級魔法・アイテムボックス・記録アクセス、鑑定、火魔法
氷魔法
宝箱はバールのようなもので突くが反応なし。大丈夫そうなので近づき開けると、
小ぶりな日本刀と無色のオーブ。脇差ゲットと喜んでアイテムボックスに入れる。オーブを鑑定するとクラフトとある。
「Qクラフトとは」
「A原材料を加工し製品をつくるスキル」
これは生産スキルゲットと右手で念じて握り潰す。きちんとスキルに追加されている。
「チュートリアルダンジョンが踏破されました。」のアナウンスと床に白い渦巻。転移陣かと上に乗るとダンジョン入り口に。
ダンジョンは跡形もなく、山肌に戻っている。時間は夕方、時間外をしないで済んだようだ。まずはミニスタンビートを回避できたことを喜びたい。
家に帰り、缶ビールで祝杯を上げつつスタンビートを考える。残り約40日、一人で、
日本全国のダンジョン踏破は、到底間に合わない。ネットの掲示板を見るも特にダンジョン関連はヒットしない。あってもライトノベル関連のみ。
ダンジョン制覇の興奮を鎮めつつ今後の方針を考えつつ今夜は就寝。