(第4話 3階層 7月20日)
雨の日曜日、午前中はルーティンの食事作り。近くのスーパーに買い出し。野菜や魚介、肉に乳製品、麺類や食パン日用品を購入。サラダやタコの刺身、枝豆を5日分小分けし冷蔵庫のチルド室や冷凍室にイン。大きめの鍋で、シーフードカレーを調理、コーヒーとニンニクが隠し味、冷凍のハンバーグやカツで3日間は持たせる。それ以外は餃子やシュウマイ、ワンプレートの冷凍食品を使用し、1週間の献立完了。雨脚は衰えないが、金属バット等の回収日、傘をさしてダンジョンへ。
誰にも会わずダンジョンに入る、金属バット等の回収、鑑定すると全て魔素を纏っている。3階層を覗くと動きの俊敏なコボルト、主要武器は「バールのようなもの」に決定、駆け足で階段を下る。
律儀に1頭ずつの出現、バールのようなものの殺傷力は大きく、順調に討伐を進める。10頭以上殺ったところでレベルアップ。
ステータス ニシ ヒロシ 年齢64 レベル6
HP 70 MP 66
スキル 初級魔法・アイテムボックス・記録アクセス、鑑定
討伐を進めながらしばらく行くと大きな扉、ボス部屋到着。
「Q3階層ボス討伐の推奨レベルは」
「A推奨レベルは5以上」
時間に余裕もある。しばし、入るかどうか悩む。
「Qチュートリアルダンジョン踏破期限は」
「A8月末日、9月1日未踏破ダンジョンはスタンビートを起こす」
「Qスタンビートの影響は」
「A魔物の一斉放出による人的被害大」
「Q魔物の生存期間は」
「A魔素が少ないところでは約1日」
日本にある人口50万以上の都市は約30、横浜などは370万都市は単純に考えても7つ、首都圏など100平方キロで2~3都市合わせれば50万人を超える所はかなりある。約100ダンジョンがあると考えれば残り40日でどれだけ潰せるか。
意を決し、ボス部屋へ突入する。扉を開けると、1.5倍のラージコボルトがすごい勢いで襲い掛かる。プラスチック製の肘当てでカバーするも、一撃で粉砕される。身体をよじりながらバールのようなもので反撃。身体をかすめたことで、敵は少しひるむ。ダガーナイフと二刀流でジリジリ近づくと、後ずさり。大声をあげ、バールのようなもので殴りかかるとラージコボルトは横に飛ぶ。そのタイミングでダガーナイフを突き出す。浅くはあるが刺さったことでますます、ひるんでくる。休まず攻撃を続けると、バールのようなものもダガーナイフも当たりだす。バールのようなものが頭部に刺さり試合終了、黒い霧に変わった後には虹色の魔石と無色のオーブが残されている。レベルアップのアナウンスでステータスを確認する。
ステータス ニシ ヒロシ 年齢64 レベル7
HP 80 MP 76
スキル 初級魔法・アイテムボックス・記録アクセス、鑑定
オーブを鑑定すると火魔法とある。右手で握り念じればスキルに火魔法が表示される。
これからは攻撃にも魔法が使えると、早速記録アクセス。
「Q3火魔法の種類は」
「ALevel1ファイヤーボール(火玉) L2ファイヤーアロー(火矢)
L3ファイヤーストーム(火嵐) L4ファイヤーフレーム(火柱)」
「ファイヤーボール」と指先を壁に向けると、拳大の火玉が飛ぶ。MPは2消費
「ファイヤーアロー」は1本の矢、MPは4消費
「ファイヤーストーム」は火の渦、小さな竜巻でMPは8
「ファイヤーフレーム」は火柱で、MPは16
火魔法の練習はこれぐらいにして今日の探索は終了。家に向かいながらこれからを考える。「国内に100のダンジョンが発生した、スタンビートが来る。」なんて政府やマスコミに伝えても、頭のいかれたイタイ人扱いだろう。
考えもまとまらず、とりあえずチュートリアルダンジョン踏破後に考えることとし問題を先送る。明日は4階層制覇、明後日は5階層制覇を目指そう。