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うろんな魔法少女よ、世界を救え  作者: くびのほきょう


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【中編】 〜木&金曜日〜



その翌日。


いつも通りに登校したが、教室を見渡してもセリちゃんはいない。まだ来ていないようだと、ホームルーム前に話をするのを諦めて自分の席に着くと『セリ、おはよー』という、クラスのボス的女子の声が聞こえてきた。

ちらっと様子見すると、セリちゃんはもう一軍女子たちに囲まれている。


いつもと変わらず、一緒にいる一軍女子たちの話に混ざることなくクールな無表情でスマホを見ている。

私のことは気にもしていないセリちゃんの姿に、話しかけるどころか、おはようと挨拶する勇気すらなくなってしまった。


ビジュの強さに比例するように気が強い一軍女子たちを押しのけて話しかけることなど私には出来ない。私は周囲に人がいる状況でセリちゃんに話しかけることを早々に諦めてしまった。


でも、シュシュちゃんの話だと、もしかしたらセリちゃんは困っているかもしれないのだ。


10歳の私が安易に『セリちゃんの夢が叶いますように』などと短冊に書いてしまったせいで、16歳のセリちゃんは10歳の頃の『魔法少女になる』という夢が叶った。

”夢が叶った”と言えば聞こえがいいが、思春期を迎えた16歳の今、子供だった10歳の頃の夢など叶えられところで迷惑なだけだろう。


私だって子供の頃の夢はセリちゃんと同じく『魔法少女マリィになりたい!』だったが、今や『一生続く安定した不労所得が欲しい』に変わってしまった。

億万長者になって贅沢したいわけじゃない。慎ましくでいいのでのんびりと安定して暮らしたい。それを助けてくれる不労所得が欲しい。もしも去年の七夕に短冊へそう書いていたら叶っていたのだと思うと少し、いや、かなり悔しい。


とにかく、私のせいでセリちゃんは魔法少女になってしまった。大きなサバイバルナイフを持った強盗と戦うようなことが、これからも起こりうるのだ。

小学校の時に柔道の全国大会で優勝している実力の持ち主とはいえ、セリちゃんは女の子。怪我をしたり、体に傷跡が残ったりなどと考えると心配でしかたない。


同じ教室で授業を受けながら、私より前の方に座っているセリちゃんの後頭部を見つめどうしたものかと悶々と考え込んでいた。


幼稚園ではいつも一緒に遊んでいた。

幼稚園から帰ってからもどちらかの家で夕飯の時間まで『うろんな魔法少女マリィ』の動画を見たり、魔法少女マリィごっこをしたり、マリィの主題歌を歌ったりするのが2人の日常だった。

思い返してみれば、だいぶ私の趣味を押し付けていた気がするが、セリちゃんも小4になっても『魔法少女になりたい』と夢見ていたくらいだし、楽しんでくれていたはずだ。


それくらいセリちゃんとは仲良しだったのに、ここ5年は一緒に遊ぶことはなくなってしまった……。


無口なセリちゃんと話すには、こちらから話しかけないといけない。私が勝手にセリちゃんの友達へ気後れしているだけ。私に意気地が無いだけなのだ。

幼い頃、当たり前のように繋いでいたセリちゃんの手の、その暖かさは覚えている。


……きっと、きっと、今さら話しかけても、セリちゃんは嫌な顔なんてしない……よね?


はやくセリちゃんの気持ちを確かめて、これからどうするべきか、私にできることはないか話し合わないと。

と思ってはいる。でも、トイレで席を離れた時や、体育前後の着替え、お昼休憩と、セリちゃんが一人になるタイミングを見計らっていても、結局話しかけることはできなかった。


気づけばもう放課後。


セリちゃんは帰宅部のはずで、すでにカバンを持って教室から出て行ってしまった。友達と遊ぶのか、それとも、子供の頃から続けていた柔道教室へまだ通っているのか、普段放課後をどうすごしているのか私は知らない……。

結局、セリちゃんへ話しかけることができなかった。


落ち込む私は、部活に行くことにする。私は園芸部で、毎日帰宅前に花壇と畑に水やりをしているのだ。


1人で畑に水やりをしている私の背に声がかかった。


「おい、タジマハル、キュ。話があるキュ」


昨日の公園から姿を見せなかったシュシュちゃんが突然現れ話しかけてきた。ふわふわと飛んでいるシュシュちゃんの周りを確認してもセリちゃんは見当たらない。


チンチラにそっくりなシュシュちゃんが空を飛んでいる姿を他の生徒に見られたら驚かれてしまうため、素早く水やりを終わらせ、園芸部の部室になっているプレハブ小屋の中で話を聞くことにした。


「お前、今日はセリに話しかけようとしてただろキュ」


部室のテーブルの上に立つシュシュちゃんは、話しながら手が動くタイプのようだ。ジタバタと動く短い手が可愛らしい。


「どこから見てたんですか?」


「俺は小さくなれるんだキュ」


小さくなれるのは『うろんな魔法少女マリィ』のチュチュと同じだと、少し興奮してしまう。


魔法少女マリィの正体は普通の中学生・長城万里ナガシロ マリ。中学生のマリが学校に行っている間、チュチュは小さくなってマリの制服のポケットに入り周囲を観察しているのだ。シュシュちゃんもチュチュと同じようにセリちゃんのポケットに入っていたのかもしれない。


チュチュは女の子の妖精で一人称は”チュチュ”なのだが、シュシュちゃんの一人称は”俺”だ。男の子の可能性が高い。

呼びかけるならシュシュちゃんではなくシュシュくんの方が良いのだろうかと考えている私にお構いなく、シュシュちゃんは話を進めていく。


「模倣先になってる『魔法少女マリィ』というのは、正体がバレたらその人の記憶から消えてしまうんだろキュ?でも、お前は魔法少女セリィがセリだと気付いてるのにセリの記憶を失っていないキュ。おそらく、セリが魔法少女セリィだと気付いていることをセリが気付いた時に、お前の記憶の中からセリに関することが消えるキュ」


魔法少女マリィはラスボス・魔王との戦いの中で幼馴染の増戸理人マスト リヒトに正体がバレてしまい、リヒト君から忘れられてしまう。最終回で魔王を倒した魔法少女マリィは、リヒト君の中のマリの記憶を取り戻すために、魔法少女マリィを引退して魔法少女についての記憶を無くすのだ。


私の中からセリちゃんの記憶が消えてしまうのは嫌だ。絶対に避けないといけない。

魔法少女マリィにそっくりな魔法少女セリィの正体がセリちゃんだと、私が気付いてしまっていることは、絶対にセリちゃんに内緒にしないといけない。


「封印を解いた時にお前の願いを叶えるというノルマが付いたんだキュ。そのノルマを果たすまで封印が解かれた状態にならないのだが、なぜかセリが魔法少女に変身してもノルマ達成扱いにならないキュ。元々はお前の願いから始まったことだから、お前には俺を助ける義務があるキュ。お前からセリの記憶が消えるのは避けたいキュ」


「うん。セリちゃんが魔法少女に変身できるって私が知ってること、気づかれないようにします」


今日1日勇気が出なくてセリちゃんに話しかけれなかったことに落ち込んでいたが、自分が臆病な性格だったことで逆に助かったようだ。

セリちゃんに事情を聞く前に教えてもらえてよかった。かなり危なかった。


シュシュちゃんに命令されなくても、セリちゃんに魔法少女のことを話さないようにするつもりだが、シュシュちゃんに素直に返事をしておく。


「俺様はな、本当はこことは違う世界の、結構大きい国の王子なんだからなキュ。ちょこーっとオカンのコレクションを壊したら、怒ったオカンにこんな情けない姿にされただけだキュ。こんなネズミ擬きにも緊張して敬語を使うようなお前に言っても説得力はないが、本当の俺の姿は、お前どころかセリも緊張して話せなくなるくらいの美形で、保有魔力量も、魔法の知識も、技も、戦闘力も、王国トップクラスなんだキュ」


ちょいちょい私のことをディスりながら説明を続けているシュシュちゃん。


王子ということは男の子で確定のようだ。男の子だとすると、シュシュくんの方が良い気がするが、一般小市民の私が王子様に対してシュシュくんと呼ぶのはおかしいだろう。シュシュ様、もしくはシュシュ殿下の方が良いのだろうか。


でも、”オカン”と言っていたことがひっかかる。

王子の母親は王妃のはず。”オカン”という言葉遣いにはそぐわない。そもそも王子という話自体が本当か疑わしくなってきた。


……やっぱシュシュちゃんで良いかな。


「はぁ、元の姿だったらお前みたいな地味ブス、相手になんかしないからキュ。こんなネズミ擬きの姿の今だから、仕方なく話してやってるんだからなキュ。感謝して、わきまえて、敬えキュ」


短い手足で偉そうに腕を組んでいるシュシュちゃんの姿は滑稽で愚か可愛い。

これが人間の男に言われたのなら、どんなイケメンだとしても許せなかっただろう。でも、大好きなチュチュと同じ見た目で言われると寛大な心で許せてしまうから不思議だ。


「俺は元の姿に戻るために、何とかオカンの目を盗んでこんな辺鄙な異世界まで来たんだキュ。流石の俺様も封印を解いてくれたことには感謝してるキュ。でも、なぜか、セリが魔法少女に変身しても夢が叶った判定にはならないキュ。このノルマを達成するまで、俺は元の姿に戻れないし、自由に魔法も使えないんだキュ……」


その後のシュシュちゃんによる雑な説明を噛み砕いてみると、シュシュちゃんは母親のコレクションを壊したお仕置きでチンチラの姿に変えられた上、魔法を使うことができないように封印されてしまったらしい。

封印された本人では封印は解けないし、もちろん魔法が使えないから人間の姿にも戻れない。

もしも母親以外の人が封印を解いてしまうと、解いた人の願いを叶えるまで封印が解けないノルマという名の二重ロックまでかかっていたそうだ。


まだノルマを達成していないため、本来なら、シュシュちゃんは魔法を使えないままらしい。


でも、そのノルマが”魔法少女になりたい”だったおかげで、セリちゃんの夢の模倣先となっている魔法少女マリィのマスコット”チュチュ”が使っていた魔法は使えるというルールの穴を突いている不思議な状態。


シュシュちゃんの話で驚いたのは、この世界の人間は魔法を使うことが出来ないだけで魔力自体は持っているということだ。


今の状態のシュシュちゃんは自分の魔力を使うことができないため、セリちゃんの魔力を使用している。たまたまセリちゃんの保有魔力量が異常なほど多かったために、魔法少女として問題なく活動できるらしい。


見目麗しいクールビューティーというだけでなく、柔道の全国大会で優勝したことがあり、運動神経は抜群で、勉強も常に上位の成績。才色兼備として皆から憧れているセリちゃんは、保有魔力量まで多かった。


……まさにチート。


ちなみに、シュシュちゃん曰く、私の保有魔力は普通だそうだ。

地味な見た目に、運動音痴、勉強は良くて中の上、そんな私とセリちゃんはやはり住む世界が違うのだなと、疎遠になったことが正しいと思えて、無性に悲しくなってしまう。


「セリは昨日初めて変身して、瞬間移動の魔法を数回使ったキュ。俺様は優秀だから、セリが魔法少女に変身した時気づいたんだキュ。セリが魔法を使う時、一回、俺の体をセリの魔力が通るんんだキュ。そうすることで魔法が使えるようだキュ。しかも、天才な俺様は、セリの魔力をチョロまかして俺の体内にとっておくこととができたし、その体内に貯めた魔力なら好きなように魔法が使えることにも気付いたキュ。さすが俺キュ。国の宝だろキュ」


私が「すごいです」と言いながら拍手をすると、フンッとドヤ顔を披露しているシュシュちゃん。その愛らしさに思わずほっこりしてしまう。


時々出てくる”俺様”という一人称と、この過剰までの自信家な様子。きっと10歳位の男の子なのだろう。

シュシュちゃんへ人見知りをし、緊張していた気持ちがだんだんと薄れていく。


こうして、シュシュちゃんとの話し合いは終わった。


実は、シュシュちゃんの話を聞きながら部誌も書いていたため、後は家に帰るだけだ。シュシュちゃんと共に部室から出た。


「とりあえず、お前も、どうしたらノルマが達成されるのか考えとけキュ。また聞きにくるキュ。あと、さっき食べたお菓子も用意しておくようにキュ」


話し合いのお茶請けに出したぶどう味のグミはシュシュちゃんに全部食べられてしまったのだが、大層気に入ってくれたようだ。


「明日はみかん味持ってくるね」


私のタメ口が気に入らなかったのだろう。シュシュちゃんは眉間にしわを寄せこちらを睨みつけながら、翼を広げて勢いよく飛び出して行った。


が、前方不注意だったため、部室のすぐ隣にある木に思いっきり突っ込んでしまった。


「シュシュちゃん!?」


シュシュちゃんの身を案じている場合ではない。

私の頭上に、折れた枝が落ちて来る。


”折れた枝”と思ったが、枝と言うには太いし大きい。当たったら無傷ではいられないだろう大きさ。

思わず手で頭を覆い、避けようと必死に足を動かそうとした、その時……


「セリィ・キック!」


そんな掛け声と共に私の頭上を横切るピンク色の影。


魔法少女セリィに変身したセリちゃんが、私の頭上に落ちて来た木を飛び蹴りで蹴りつけていた。セリちゃんのおかげで間一髪助かったようだ。


「セリち……魔法少女セリィ、ありがとう!」


危ない。セリィがセリちゃんだと気付いていることに気付かれてはいけない。


私のお礼を受けたセリちゃんは、白い歯を見せた笑顔を返してくれている。無口でクールな普段のセリちゃんからは考えられない爽やかな笑顔だ。


「私は魔法少女セリィ。愛と魔法で世界を救ってみせる!」


魔法少女マリィと同じキメポーズでキメ台詞を言ったセリちゃんは、木に頭を打って伸びていたシュシュちゃんの右後ろ足を掴むと消えていなくなってしまった。


……シュシュちゃん大丈夫だったかな。抱きしめるのが無理ならせめて前足を持ってあげればいいのに。


アニメでのマリィとチュチュ二人の絆が好きだっただけに、セリちゃんとシュシュちゃんの少し微妙な距離感が残念だ。


でも、魔法少女マリィの相棒チュチュは女の子の妖精だったが、シュシュちゃんは男の子。しかも、本当は人間で、自信過剰なわがままボーイなのだ。内面や言動も可愛らしいチュチュと違い、高飛車で生意気な口調のシュシュちゃんでは仕方ないかと、納得してしまった。


魔法少女というジャンルは、私が好きな魔法少女マリィみたいな幼女向けだけではなく、対象年齢が高めの魔法少女のアニメやゲームも沢山ある。

そして、対象年齢が高めの魔法少女ものでは、サポートするマスコットキャラや味方組織の正体が悪役だった、という物語が少なくない。

この時の私には、ちゃんとその知識があった。


にも関わらず、大好きなアニメのキャラクターに似ているという一点のみでシュシュちゃんを可愛い可愛いと盲目に愛でていた、そんな私が愚かだったと、後々思い知らされることになるのだ。


-----


「田嶋さーん、あたし今日は急ぎでバイト行かないとヤバいんよ。これ、代わりに生物準備室に戻してくんね?いっつもホンットごめん!ぜぇーったいに埋め合わせするから!」


シュシュちゃんが木にぶつかった翌日の放課後、私は教室を出る直前でクラスのボス的女子・江浦莉亜エウラ リアさんに話しかけられた。


江浦さんはカーストのトップ中のトップで、陽気な一軍ギャル。メンカラを設定するとしたら赤、もしくは銀と言えばその強さが分かるだろうか。


派手なメイクに明るいシルバーの巻き髪、元々の目が大きいために大きなグレーのカラコンを違和感なく付け、お尻が見えないのが不思議なくらい短いスカートを履いている。常人があの長さのスカートを履いたら半ケツ必須なのだが、江浦さんは足が常識外に長いおかげでお尻がはみ出ていない。


そして、このクラスで1番セリちゃんと仲が良いのは江浦さんなのだ。


入学当初、江浦さんから頼まれてゴミ捨て当番を代わった私は、時々こうしてめんどくさいことを押し付けられるようになってしまった。

江浦さんはセリちゃんが仲良くしている人なのだから、きっと、拒んでも怒ったりしない、はず。


嫌ならばちゃんと拒否しないといけないのは分かっている。悪いのは江浦さんではなく、別に被害は少ないしと流されている自分、断る勇気がない自分だ。


「はい、大丈夫です」


「敬語だと、あたしが田嶋さんのこといじめてるみたいになんじゃん!タメでいーよん。じゃ、これヨロシク。あと、ありがとねー!」


江浦さんは私の手に生物の授業で使った脳の等身大模型を押し付けると颯爽と去って行った。


生物準備室は園芸部の部室のすぐ近くにあるため負担はない。実物大の脳の模型を持って私は廊下を進む。


手に持った脳の模型は意外に重く、「甘栗に似てるかも」等夢中になってしまった。模型を見ていて前方をよく確認してなかった私は、階段を踏み外してしまった。


……マズイ!地面にぶつかる……!


「セリィ・ピックアップ!」


そんな掛け声と共に私の身体は抱きしめられ、想像していた衝撃は来なかった。


魔法少女セリィに変身したセリちゃんが、空中で私を抱きしめてくれたのだ。

またしてもセリちゃんのおかげで間一髪助かってしまった。


「……魔法少女セリィ、ありがとう」



私のお礼を受けたセリちゃんは笑顔を返し、地面へ私を下ろしてくれた。


「私は魔法少女セリィ。愛と魔法で世界を救ってみせる!」


またしても魔法少女マリィと同じキメポーズでキメ台詞を言ったセリちゃんは、昨日一昨日と同じように消えていなくなってしまった。


……マリィのキメポーズ、精度が上がってたな。さすがセリちゃん。


「うろんな魔法少女マリィ」には世界征服を企む魔王とその手先の魔族達という悪役がいるが、この日本どころか地球上には魔王などいない。

そのため、セリちゃんには戦う相手がいない。


今日の朝、この町から新幹線で行かないといけない遠方で猟銃を持った男が女性を人質にして立てこもる事件が起きたとテレビで報じられた。

朝一のニュース番組でそのニュースを見た私は、セリちゃんが助けに行くかもしれないと心配したのだが、セリちゃんは普通に高校へ登校して来たし、立てこもり犯は昼休みには警察の力によって無事被害者が出ることなく解決していた。


シュシュちゃんの話だと、シュシュちゃんはセリちゃんを強制的に魔法少女セリィに変身させることはできないそうだ。

セリちゃんが『変身する』と自主的に決意しないと変身できない。よって、何か事件が起きても、魔法少女セリィに変身するのはセリちゃん次第ということ……。


きっと、セリちゃんは朝のニュース番組を見ていなかったのだ。今日はたまたまセリちゃんが立てこもり事件に気付いてなかっただけ。


これから大きな事件や事故が起こる度、セリちゃんが危険な状況にならないかとヒヤヒヤしてしまうだろう。


シュシュちゃんのためだけでなく、セリちゃんの身の安全のため、早くノルマを達成させないとと私は決意したのだった。


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