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詩集 想箱  作者: TiLA
29/30

言葉で抱きしめて

ぼくは言葉できみを


抱きしめられただろうか 


言葉で抱きしめるなんて


本当にできただろうか


それでも


それでも


抱きしめたかった


きみを


きみのすべてを


抱きしめたかった


ぼくには


ぼくの世界があり


きみには


きみの世界がある


ぼくが見たもの


きみが会った人


ぼくが読んだ本


きみが聞いた曲


ぼくたちの世界は


みんなそれぞれに違う


だけど


同じ青空を見るとき


同じ夕陽を見るとき


同じ月を見てるとき


ぼくらの世界はつながっている


きっと


手をつなぐようにして


心を重ねて


ぼくの世界に


きみがいるように


きみの世界には


ぼくがいて


ぼくの中の


きみを抱きしめるとき


きみの中の


ぼくを抱きしめてほしい


同じ言葉を


抱きしめて


この季節を抱きしめて


この愛を抱きしめて


この夢を抱きしめて


この心を抱きしめよう


ありがとう


きみを愛してる


いつまでも


ずっと


ぼくの傍にいてよ


そしてどうか




その言葉で抱きしめて






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