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明けの明星
変な時間に目が覚めて
何気にカーテンを開いてみる
夜明け前の夜の街
灯りが星のように煌めいていた
その上 月もなく蒼みがかった空には
金星だけがぽつんと輝いていた
窓ガラスに息を吐き
何気に愛という字を書いてみる
心は七番目だった
やがて蒼が青になり水色から茜色の
グラデーションが
もうすぐ夜が明けると教えてくれる
ふと空を見ると
金星はもう見えなくなっていた
見えないものでもあるんだよ
誰かがそんなことを言っていた
街の灯りの一つ一つにも
そこで暮らす人々の大切なものが
きっと息づいているのだろう
コーヒーを淹れていると
急に部屋の中が明るくなった
もう一度外を眺めると
街の灯りはもう見えなくなっており
暗い影のシルエットだけの建物たちが
やがて顔を出した朝陽によって
オレンジ色に染められていった
大切なものは目に見えないんだよ
そんな昔読んだ物語を
ふと思い出した
そのとき一羽の鳥が
空を横切り飛び去っていった
窓ガラスに書いた愛の字は
もう見えなくなっていた
たしか心は真ん中だった
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