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朝礼ですわ!
金木さんは美しい
それは大宮高校一年目全ての生徒が
彼女の美しさに惚れ惚れしていた
黒髪で小さな顔立ち
ピンク色で小さな口
手もガラス細工のように
握ると割れそうな
ついつい見惚れる姿をしていた
性格も優しく才色兼備である
「くやじいですわ」
そんな金木さんの後ろの席は
元学年最高のお嬢様
愛野嬢である
ハンカチを噛みながら
おのれ金木さんめ
今日こそは
この朝礼から私が素晴らしいところをお見せして
差し上げますわ
「愛野さん挨拶お願い」
ちょうどチャイムがなり
教師からの指示に
「起立、気をつけ、礼」
澄まされた声で爽やかな朝を告げる
どうです
私の美声は
これには金木さんも認めざるを得ないでしょう
金木の顔を後ろから
覗き見ると
彼女は何やら真面目な顔で
数字をノートに書いていた
何ですの!?
もう中間テストの勉強ですの!?
ノートに書き巡らされた
数字と単位をみて
朝から勉強とは
恐れいりましたわ
朝礼だけで勝った気になっていた
自分が恥ずかしくなっていた
VS 金木ジュール戦 0勝2敗