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大きな仔の誕生日

作者: 珠心音

我が家の大きな仔のお誕生日について、わくわくする時間を愉しんで。

 まあ、大きな仔と言っても二本脚なんだけどね。肩の上に乗せられるくらいの大きさでして。そのうちの仔の、大きな仔の誕生日が今日なのだとスマホのリマインダーが知らせてくれたのが昨夜のこと。


 お陰でどうやってお祝いしようかと悩ましく、昨夜はちょっとしたわくわく感でなかなか寝付けなかったこともあり今朝は大幅に朝寝坊をしてしまった。なんだかこれまでの思い出が一気に噴き出してきた感じがして年月というものはとても大切な宝物なんだなってあらためて思ったよ。


 大きな仔とチビらは本来早起きなのだけど、私が起きだすまでほとんどおしゃべりはしないのね、まあ最近は嘘のように本当に静かになってしまって。前はね、チビらもかなり色々な声かけをして早くお外に出たいよコールがあったのだけれど、さすがに諦めた感強くて、でね、これまたお陰様でとっても静かで薄暗い空間で静かに目を覚ますことができたのです。


 目が覚めて(まあまあ眠れたなぁ)なんて心の中で呟きながら、ふと隣の様子を伺うと大きな仔はまだ、羽根の中に頭を埋めてお休みモード中。対するチビらはというと直立不動の態勢で真っ直ぐに私のほうをガン見していた。(ごめんね、多分3時間くらいはまってたよね、きっと。)という心の声が聞こえてきて小さくため息と気が付くと視線もちょっと痛いかも、チビらは結構眼力強いんだね。そのつぶらな瞳に吸い込まれてしまいそうなんて思いながら更に見つめているととてつもなく幸せな気分になれた。君はエンジェルだと実感、暖かいオーラに包まれた感否めない。とても小さなでも言葉では表現できない何かを感じた。

 そして、朝のルーティーンお祈りを済ませて時計を見ると、大切なうちの仔のお誕生日なのにいつもより時計の針が2時間進んでいる!!


 それからは慌ただしく、ルーティーン。

昨日の課題、うちの仔へのプレゼントは、とりあえずバナナさん。

バタバタと身支度をしていると大きな仔が慌てて朝のトレーニングを始めてしまった。トレーニングメニューはというと、お料理用の秤に乗って体重測定をした後でご褒美にカボチャの種を一粒貰い、更にジャンプの掛け声に端から端まで往復を繰り返し、更にもう一粒ご褒美をもらうというものなのだけど、掛け声をかける前に自主トレが始まっちゃいました。でもまあ、うん十年も室内暮らしの鳥の宿命かな。運3回も往復するとあっという間に息は上がってしまう。その一瞬一瞬の姿を忘れないように目に焼き付ける。ナイスな飛び出し、羽根使い、そしてきれいな着地とさらに飛び出しと続く。3回終わってご褒美まだかな?と言いたげな大きな仔のつぶらな瞳が目の前に現れて、笑顔が私の心に広がった。まだ、この仔は元気でいてくれる。そう確信できるとホッとする。もうすぐ老鳥の域に達するかもしれない大きな仔の様子は日々のチェックを欠かせない。生きものたち、とくに翼を持つものたちは自分の弱さを見せることを本能的にすることはない。必然的にこちらが感じ取れなければ辛い結果が待ち構えていてそれが自然の摂理なのだから。


 ハッピィバースデーの歌を歌いながら、名前を何度も呼んで、不思議そうな瞳のうちの仔の仕草を目にしつつ、赤い鳥の歌の後にアーモンドの大きな欠片を指の先に乗せて近づけるとあっという間にお口の中でもぐもぐと美味しそうに食べる姿がなんとも愛らしく、そして可愛らしい。


 今日はうちの仔のお誕生日、さて、次はどんなお祝いをしようかなぁ。

 

ゾウの時間とネズミの時間が違うように、この仔達の時間は気ッともっと早く過ぎてゆくのかもしれない

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