猫は人語を解するか?
私の家には猫がいる
オスで年齢はわからない、譲渡会で引き取った猫だから
去勢手術はされていたので元々は誰かの飼い猫だったのだろうか、
初めて会った時こちらを怖がる様子はなく何か諦めたような目をしていた
私はこの猫がいいと珍しく強い調子で言うと両親はちゃんと面倒を見るようにとだけいって家にくることになった
もともとが飼われていたからなのか、性格なのかあまり面倒のかからない猫だった
お気に入りは私のベッドの上で時々は膝に乗ってくることもあった
のどをなでてやるとゴロゴロならして喜んだ、私は彼を弟のように可愛がった。
学校でいじめにあうようになった、思い当たることはなかったがきっと気まぐれ
誰でも良かった、それがたまたま私だったんだろう
そのことで私は2つの大事なことを学ぶ
一つ目は学校の先生は子供が好きだからとか子供の将来の為だとかそういうのは全くの嘘で
実際にはお金をもらうために先生をしているということ
二つ目は猫は人間の言葉をわかっているということ
私はいじめにあうようになってから布団に入って泣くことがあった
すると猫はお気に入りの位置から私の顔の側に寝るようになった
わたしが眠るまで窺うように見てくれていた、時には彼が先に寝てしまうこともあったが…
それから私は夢を見るようになり
起きたら忘れてしまっていたけれど少し胸がトクントクンしていた
そしてあの日の夜
私は学校の机に座っていた
黒板の前にはいじめっ子たちがこわばった表情をして並んで立っていた
それから教室の前のドアが開き猫が入ってきた
まっすぐ私の前にきて
「〇〇ちゃんは何にも心配しなくていいからね、今日で終わりだよ」
そう優しく言うとクルリと黒板の方を向いて
「僕はおまえらに忠告したはずだ、〇〇ちゃんをいじめるなと
これからもまだ続ける気なら例え僕の身がどうなろうともこの世界で僕がおまえらをいじめてやる
僕はじきいなくなるがおまえらはこの楽しみの何もない世界であちらの世界の体がなくなるまで苦しみ続けるぞ」
それからはいじめはピタリとやんだ
私は結婚して2人の子を授かった
今私の目の前には仲良く遊ぶ子供たちがいる
そして私の膝の上には一匹の猫
「どうかあの子たちを守ってあげてね」
そう言うと目を丸くして不思議そうな顔をした