72、甘味
お兄様が降りていなくなった馬車の中でエドワード様にさんざんキスをされ、城で馬車から降りるときには私は足がおぼつかなくなっていたが、エドワード様にエスコートされなんとかエドワード様の自室まで歩いていった。
部屋に入りエドワード様が扉を閉めたのを確認すると、
「エドワード様やりすぎ……です……」
私がそう言うと、エドワード様は扉に手を付き、扉を使ってエドワード様は私を挟み込んだ。片手は私の頭の横あたりで扉に手を付き、反対の腕で私の腰を支え、顔が近づいてきたと思ったら、唇が重なっていた。
「ん……う、ん……」
深い口づけに私は支えてもらわないと立てない状態になり、エドワード様にしがみつきながら口づけを交わした。
エドワード様は私を横抱きにするとソファーに座り、私を膝の上に座らせてさらに軽く当てるだけのキスをした。
「これでも我慢してるんだ。学園でも他人がいるときはずっと我慢している。それに……この数日、この部屋で一人で過ごすのが淋しかった。アリがいないこの部屋で……」
「……」
「週に一回の泊まりも睡眠が理由ではあるけれども、それも僕には少なすぎる」
いや、少ないって言われましても……。私の顔はもう真っ赤になりっぱなしなんです……よ? 頭の中はエドワード様でいっぱいなんですよ?
エドワード様の顔を見ると、ものすごく淋しそうな、今にも泣きそうな顔をしていて……。
「泊まりの頻度はお父様たちが決めたので変えられませんが……キスは……嫌ではないのです。でも立てなくなるのが恥ずかしくて……」
言葉を選びながら話したつもりだった。
「僕のことは嫌かい?」
「嫌ではないです」
「僕が触れるのは嫌か?」
「……嫌では、ないです」
「それなら立てないときは僕が抱いていけば問題ないよね」
「えっと、それは……エドに……悪いですから……」
「僕は気にしない。うん、むしろ大歓迎。アリは僕に触れられるのは嫌ではないなら僕が抱けばいい。それとも他の侍従や騎士に抱かれたいの?」
「いえ、エドに抱かれたいです」
ん?
あれ? 言葉を選びすぎて間違った?
案の定、エドワード様はさっきの淋しそうな表情は全くなく、ニコニコと笑っていた。
「うん。僕が抱こうね。アリ、愛してるよ」
「あ、あ、あ……だ、抱っこのことですからね!!」
「うん? 抱っこのことだよ?」
エドワード様はクスクス笑いながらなんだか良い笑顔をしてるように見える……。いろいろと間違えたかもしれない。
結局大好きなエドワード様にされることに拒否ができるわけでもなく、口づけを受け入れた。
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