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6、当惑

 

 私はまた気を失ったのだと目が覚めて気がついた。どうもエドワード王子が近くにくると、心臓がドキドキしすぎて意識を保てない。

 これでは婚約解消の話ができない。


 あ!

 でもこれだけ体調が悪ければ、二回も気を失ったことだし、体調の不安から解消になるかもしれないわ。エドワード王子もきっとそう思うわ。


「ねぇ、エマ。今回倒れたことで婚約解消になったりするかしら?」


「公爵様からは何も聞いておりませんが、そのようなお話があるのですか?」


「うんん、ないわ。でも体調に不安があったらそういうこともあるのかしらと思ったの」


「まあ、でしたらそんなに心配なさらなくても。エドワード王子はそれはもうお嬢様のことを大事に思われてますから、杞憂だと思います」


「大事に思う?」


 なんのことか分からず首をかしげる。


「倒れたお嬢様が心配でたまらないからと毎日おいでになるとエドワード王子がおっしゃっていましたよ。

 以前は訪問されることも稀でしたけれどずいぶんお変わりになられて」


 エマがふわりと微笑みながら話す内容に驚愕した。


 毎日訪問?

 えーーーーーーー!!



 その夜悩みすぎで熱をだし、朝までに下がらなかったことからエドワード王子の訪問は取り止めとなった。



「お嬢様、少しスープでもお召し上がりになりませんか?」


 首を横にふってそのまま目をつぶる。体がだるくて今は休みたい。


 目をつぶっているとノックの音がし、エマが招き入れたようだ。


「どんな様子ですか?」


「公爵様、まだ熱が下がらず食欲もないです。発熱される前にエドワード王子との婚約解消を気にしておいででした」


「ん? 婚約解消? どういうこと?」


「はい。体調不安から解消になるかもと気にしておられました」


「あぁ。なるほど」


 お父様はベッドサイドにある椅子に座り私の頭を撫でてくれた。冷たくて気持ちいい。

 ゆっくり目を開けると、お父様が優しく微笑んでくれた。


「アリ、心配しなくても大丈夫だよ。今はゆっくりお休み。王妃教育はしばらくお休みだと伝えてあるからね」


 きっとこれで熱が下がったら婚約解消になってるわね。

 私も微笑み返して眠りについた。



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