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42/156

42、安心

 

「くれぐれも、節度ある対応をしてくださいね」


 レオナルドお兄様は何度も振り返りつつ、公爵家に帰っていった。


 エドワード様の部屋に戻ると、先程まではなかったベッドが追加されていて、パーティションで区切られていた。一緒のベッドだったらどうしようかと思っていたから少しホッとした。


「アリシア、湯あみしておいで。侍女に一緒に行かせるから問題ないよ」


 エドワード様がニッコリと笑う。エドワード様より先に入っていいのかと思いつつも促されたので、そのまま侍女についていくことにした。


 湯あみから戻ると部屋のレイアウトが変わっていた。パーティションがない上、ベッド同士がだいぶ近くになっている。


「え、エドワード様?」


「僕は分かりやすく愛するって言っておいて、こんなに離れたら意味がないでしょ?」


「……」


 私は顔が赤くなるのを感じつつエドワード様から目をそらすように下を向いた。


「僕も湯あみしてくるよ。今日は疲れたでしょ。先に寝てて」


 エドワード様は私の頭をぽんぽんとして、部屋から出ていった。

 恥ずかしくて仕方がなかった私はベッドに入り、毛布を頭までかぶり一息つく。確かに今日はとても疲れた。朝から気の休まる時間がなかった。


 うとうとし、いつの間にか眠ってしまった私は不思議な夢を見ていた。

 もう一人の私が目の前に出て来て


『記憶を閉じ込めてごめんなさい……。まだ怖いの。……いつか、怖くなくなったら……』


 もう一人の私は、そのままスーっと消えてしまい、私もそれと同時に夢から覚めた。


「怖くなくなったら……?」


 私は寝返りをうとうとして気がついた。

 ……抱き締められてる。

 私はエドワード様に後ろから抱き締められて寝ていたようだった。私はそっと寝返りをうつと、すぅすぅと寝息をたてて寝ているエドワード様の顔が目の前にあった。寝ている姿も綺麗だなんてうらやましい。

 私はそっとエドワード様の頬に手を当て、


「大好きですよ」


 声には出さず、口だけ動かした。

 記憶はないけれど、エドワード様に手をつかまれたときから、エドワード様への恋心が胸のうちにあった。どうして私はエドワード様が大好きなんだろう。エドワード様はどうして私を好きだと思ってくださるのだろう。考え込んでいると、エドワード様の腕が私をぎゅっと抱き締める。


「アリ、起きるにはまだ早いよ」


 エドワード様がゆっくりと目を開けた。

 綺麗な金色の目に心臓がドキドキとする。


「アリ、もう一眠りしよう」


 エドワード様は腕の力を少し緩め、ゆっくりと目を閉じた。

 私もつられてゆっくり目を閉じた。



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