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27、御守


朝目が覚めると、エマから手紙を渡された。


「おはようございます、お嬢様。エドワード王子からお手紙が来てますよ」


エマから受け取り、ペーパーナイフを使って開けると、エドワード様のキレイな字で


「アリシア、あなただけを愛している。エドワード」


とだけ書かれた手紙と一緒にネックレスが入っていた。


「あら、ステキなネックレスですね」


エマも覗き込んでネックレスを見ていた。


「あらあら、お嬢様、顔が真っ赤ですよ」


ふふっと笑いながらエマは制服を持ってきてくれた。


「私、もらってもいいのかな?」


「お嬢様が受け取らなかったら、きっと悲しく思われますよ。今日からお付けになったらいかがですか?」


透かしの入った月の形をしたペンダントトップのついたネックレスはとても可愛らしかった。


「これ、おそらく純金ですね」


私の首にネックレスをつけながらエマが言う。


「純金って高いんじゃ……」


「まあ!お相手はエドワード王子ですよ。エドワード王子の前で御礼は言っても、野暮なことは言ってはいけませんよ」


「はーい」


手紙を机の引き出しに大事にしまった。



準備が終わり食堂に行くと、すでにみんなが揃っていた。


「遅くなりました」


急いで席に座ると、お父様、お母様、お兄様が私を見ていることに気がついた。

どうしたのかしら?首をかしげると


「アリシア、昨日の今日で学園に行くのかい?」


「今日は大事をとってお休みしたらどうかしら?」


「アリ、無理に行くことはないよ?」


次々に話しかけられた。


「元気だから学園には行きますよ?」


不思議に思いながら返事をすると、くれぐれも無理しないようにと心配された。


「そういえば、エドワード様からネックレスをいただきました」


お父様が珍しく席を立ち、私のところまで来るとネックレスを確認し


「これはかなりいいものだね。お守りとして大事にしなさい」


お父様が誉めてくださったことが、なんだかとてもうれしかった。


「アリシア、私が誕生日にあげたネックレスはしてくれないの?」


ふいにお兄様に話し掛けられ、もったいなくて大事にしまっておいたことを思い出した。


「あら、あのサファイアのネックレスね。重ね付けしたらかわいいんじゃないかしら?」


お母様からの助言にエマがネックレスを取りに行った。


「いつしてくれるのかと楽しみにしてたのに、アリ、忘れてたでしょ?」


ちょっとむくれたお兄様は珍しい。カッコいい顔がかわいい顔になっていた。

クスクス思わず笑っていると、お兄様は戻ってきたエマからネックレスを受け取り、私につけて下さった。


「うん。かわいい」


家族や侍女たちみんながかわいい、かわいいと誉めてくれ、とても恥ずかしく思いつつもうれしかった。


制服からはちらっと見える程度で嫌みな感じもなく、これなら学園に付けていっても大丈夫そうだわ。


「そろそろ、殿下がいらっしゃる時間だよ。レオもアリも急ぎなさい」


「はーい」


私もお兄様も急いで朝食を食べた。



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