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18、招待

 

 朝、鏡で確認すると首の傷はうっすらと線が入るぐらいまで治っていた。軟膏がよかったのかな?


 昨日の夕食から食堂で食べるようにしているけれど、お父様はお仕事、お兄様は忙しいとかでお母様と二人での食事だった。

 今朝も2人かと思っていたら、お父様もお兄様もいて家族揃っての食事となった。


「お兄様、手の傷はどうされたのですか?」


「……あぁ、剣術でやってしまってね。たいしたことないよ」


「そうですか……?」


 お兄様が剣術で怪我することは今までもあったから、私はお大事になさってくださいと伝えたけれど、反応が何か違うような……?


「アリシア、陛下から伝言を預かってきたよ」


「お父様……。陛下……からですか?」


「陛下というよりも、王妃様からなんだが、『そろそろ会いたいから今日の午後お茶をしにおいで。エドワード王子を迎えに行かせる』とのことだったよ」


「はい。では準備しておきます」


「無理はしなくていいからね」


「大丈夫です。久しぶりなので楽しみです」


 お父様は、一瞬心配そうな顔をなさったがすぐに微笑んで


「私も城にいるから何かあったら訪ねておいで。帰りは一緒に帰ろう」


 と言ってくださった。


 午後になり、エドワード王子がいらっしゃり、エマと二人で行こうとしたら


「アリシア一人でおいで。公爵にも話してあるよ」


 エドワード王子からそう言われては一緒には行けない。エマを置いて出掛けることになった。


 王家の馬車は大きく立派で、乗るのにエドワード王子が私の手を取り、エスコートしてくださった。中のイスに座ると、座り心地がとても良くふかふかだった。


 エドワード王子は私の隣に座ると従者に出すように伝えた。ゆっくり馬車が走り出すと私の手をにぎって手の甲に軽くキスをし、そして耳元で囁いた。


「アリシア、僕を信じて。僕はアリシアを愛しているよ」


 この前から私はおかしい。体がぞわりとする。頭ではどうしていいか分からないと思いつつ、体はエドワード王子の言葉に反応してしまう。顔が真っ赤になっているのが自分でも分かる。


「さ、アリ着いたよ」


 エドワード王子の方を向くと、いつの間にか停車してた馬車から降りようと手を差し出されていた。


「エドワード王子、ありがとうございます」


 繋いだ手を見て、少し前の自分を思い出す。記憶を思い出してしばらくはエドワード王子の顔を見ただけで意識を失っていたのだ。それが今は手に触れることができる。

 ものすごい進歩だ。


「アリ、両親がアリに会いたがって急に呼び出すことになってごめんね」


「いえ、私なんかに会いたいと言って頂けるだけでうれしく思います」


 エドワード王子にエスコートされ、エドワード王子の自室に向かった。



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