表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

140/156

140、エドワード王子 side 覚悟

 

 コンッコンッ


「はい、どうぞ」


 僕が返事をするとマーク先生が部屋に入ってきた。一通り診察が終わったらしい。


「先生、どうでしたか?」


「そうですね……順に説明しますが、今現在、レオナルド様の目は見えてません。これは一時的なものか、一生涯によるものかはまだ判断できません。体の方はまだ起こせないので分かる範囲でみたところ、麻痺がある部分が多くあります。これもまだ残るものかは判断できてません」


 マーク先生はゆっくりとした口調で話す。


「記憶の方は曖昧な部分がありますが、これは今は大きな問題ではないです。アリシア様のことを心配なさっているようでした」


「今からレオナルドのところに行っても?」


「はい。ですがまだ混乱されてますので話は手短にお願いします。アリシア様も休まなければなりませんし」


「わかりました。ではレオナルドのところへ行きましょう」


 アリはマーク先生の話を聞いて少し振るえていた。それでも会いたいだろうと僕はアリを抱き、レオナルドのところに向かった。


 部屋に入り僕はアリを下ろすと、アリはレオナルドに駆け寄った。


「お兄様……アリシアです」


 レオナルドは目を開けてはいるが目の焦点は合わず、声を頼りにこっちを向いた。


「アリ……?」


 アリがレオナルドの手を握るがレオナルドからは反応がなく、おそらく手が麻痺しているのだろうと推測した。


「殿下、こちらで少しいいですか?」


 僕はマーク先生に小声で呼ばれ隣室へ移動した。


「どうされました?」


「レオナルド様は聡い子です。ですからあなたにだけ伝えます。あなたならレオナルド様に気づかれないでしょうし、さりげなくフォローをできると思うので。レオナルド様は……毒が頭まで回ってます。もって数日です」


「えっ……? 治療は? 解毒は?」


「毒の治療は本来難しいのです。何の毒なのか特定できても、解毒薬があるものの方が少ないのです。今回使われた毒は猛毒です。ここまでもったことは奇跡に近い!」


「そう、なのですか……」


 頭を何かで殴られたような気がした。僕の気持ちが沈めば誰かに気づかれる。気持ちを立て直さなければ……。


「すみません。しばらく外にでます」


「はい。そのように伝えておきます」


 マーク先生と話終えると僕はアリシアの部屋に行き、護衛もすべて部屋から出した。


「ふっ……くっ……」


 分かっている。今泣いてはアリシアらに気づかれるかもしれない。でも泣かずにはいられなかった。レオナルドを思うと……アリシアを思うと……。


 二人に何もしてやれなかった。僕はいつも後悔ばかりだ。

 しばらく涙が止まらなかった。止められなかった。



 マーク先生はレオナルドたちに気づかれないようにアリシアとの交流をさせたいのかもしれない。悲しくならないように……。


 僕は顔を洗い、水を一杯飲んでからレオナルドの部屋に戻った。二人のためにできることをしたい。レオナルドのベッドまで行くと、マーク先生は部屋におらず、アリシアがレオナルドにベッタリと引っ付いていた。


「アリ、そんなに乗ってしまってはレオナルドがつらいよ」


 僕は言いながらアリをレオナルドの隣にソッとおろした。


「あ、お兄様、ごめんなさい」


「おりなくていいのに」


「レオナルド、アリは今レオナルドの隣で横になってるよ」


「お兄様、辛くないですか?」


「大丈夫だよ。アリが隣でうれしいよ」


 レオナルドは優しい笑顔を見せていたが、腕は動かないようで指を少しだけアリの方に動かしていたのを見ると、僕は現実を突き付けられたようだった。


「アリは食事はちゃんとしてる?」


「はい。シンにちゃんと食べるように言われてるので食べてますよ。お兄様はお腹は減りませんか」


「減ったら伝えるよ。今はいらないかなあ」


「食べたくなったらすぐに言ってくださいね」


「アリシア、ありがとう」


 元々休む時間だったのに起きてしまったこともあり、アリは少し眠そうにあくびをしていた。


「アリ、眠いならそのまま寝たら?」


 あくびに気がついたレオナルドがアリに声をかけるとアリは珍しく反論した。


「でも! せっかくお兄様が起きてるのだからお話したいです!」


「じゃ、少しだけね」


 僕はその言葉を聞いて席をはずそうと声をかけた。


「二人で話すといいよ。僕はしばらく席を外すね」


 そしてそのままシンも一緒に寝室を出た。


「紅茶でも入れますね」


「ありがとう。シンも一緒に飲もう」


「はい、ありがとうございます」


 シンはフルーツの香りがする優しい味の紅茶とクッキーを用意してくれた。


「ありがとう」


「いえ、こんなところまで来ていただいたのに満足にお礼も言わず申し訳ありませんでした。エドワード殿下、ありがとうございます。レオナルド様が目覚めて正直ホッとしております」


「シンも休めるときに休むんだよ。君まで倒れたらここは回らないからね」


「はい。ありがとうございます。ですが、私は先ほどまで休んでましたので大丈夫です。殿下の方が顔色がよくないように思います」


「僕は大丈夫だよ。でもこの後少し休ませてもらうね」


 部屋を出てから一時間ほどしたので寝室に行ってみると、アリシアはレオナルドに抱きついて眠ってしまっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 嫌だ嫌だ嫌だ、嫌だ、レオを助けて! レオが死ぬのは嫌だ!(TT) なんとかならないの?.·´¯`(>▂<)´¯`·.
[気になる点] レオナルド様ー!涙が、涙が出ます(T-T) アリシアが大丈夫でも一緒にいてほしいです アリシアの代わりに命を失うのでしょうか
[良い点] やだーーーーー!!!!! やだやだやだやだ、絶っつつつっつつっ対やだーーーーーー!!!!! まだ信じない!!!!! きっと大丈夫( ̄□ ̄;)!!( ̄□ ̄;)!!( ̄□ ̄;)!! Σ(゜…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ