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139、エドワード王子 side 安堵

目が覚めるとアリはまだ眠っていた。目の回りに泣いた痕があり痛々しい。


「レオナルド、早く目覚めないとアリの方が参ってしまうぞ……」


ついつい心配で言葉が出てしまう。僕は一人ベッドから出て、近衛に話しかける。今護衛についているのはイアンとアレンだ。


「すまないが、レオナルドの件の捜査がどうなっているか、町の警護に聞きにいってきてほしい。そして人手が足りないなら少し手を貸してやってほしい」


「ではこちらの警護とふた手にわかれますね。殿下は宿から出ないでくださいよ!」


「わかってる。僕はアリシアから離れないから」


イアンと話しているとアリシアに付いていた護衛が話しかけてきた。かなり顔色が悪いが大丈夫か?


「すみません。私はレオナルド様の護衛騎士のラートと申します。捜査に私も連れていってくれませんか?」


「どうして?」


「実はレオナルド様が襲われたときに一緒にいたのが私で、何かの役に立てないかと……」


この騎士がか……。だから、この顔色なのか。


「顔色が悪いが行けるのか?」


「行けます。行きたいです!」


「では食事をしてから行け。倒れては元も子もないからね」


「はい。では少々お待ち下さい。報告と食事をしてきます!」


かなりがっしりとしたその男はさっきまでの表情とはうってかわり、部屋を出ていった。


「あ、さっきの騎士の名前はなんだったかな……?」


「ラートと言ってましたよ」


「では行く前にシンにラートを借りると報告しておいてくれ」


僕は指示だけ出すと部屋に入りアリシアの元に行った。アリシアはまだ眠っていたのでアリの隣で横になるとしばらくアリを眺めていた。するとアリは体をもぞもぞし僕の体に抱きついてきた。


「おにぃ……さま」


……アリ?

寝てる? 夢の中でレオナルドに抱きついている感じ? 僕じゃなく?


……いや、考えるのをやめよう。

今はレオナルドが心配でそれ以外はきっと考えられないはず。気にはなるが、今はすべてに目をつぶろう。僕はアリを抱き締め返し反応を見ると、アリはスヤスヤと安心したように寝ていた。





「アリ、目が覚めたかい? もう昼だよ」


「ん……お兄様、おはようございます」


「……。アリ、レオナルドでなくてごめんね」


アリシアは僕の顔を確認すると固まっていたが、僕は構わずアリに軽くキスをした。


「さ、支度をしてレオナルドのところに行くよ」


「は、はい」


僕たちは昼食を軽く食べてからレオナルドに付いていたシンと交代した。

レオナルドはほとんど動くことなく眠っていて、見ていると顔は頬が赤いがただ寝ているだけに見える。額をさわるとかなり熱いので、今朝は少し下がっていた熱がまた上がったのだろう。

僕は額のタオルをたまに替え、アリはレオナルドの手を握っていた。その間、何度もマーク先生やキースニン先生が診に来ていたが、レオナルドは目を覚まさなかった。


休憩をはさみながらレオナルドを看だしてどれぐらい経っただろうか。時間的にはおそらく深夜に近かったかもしれない。そろそろアリを休ませなければと思っていたころ、それは突然やって来た。


「お兄様! お兄様目が覚めたのね!」


レオナルドが目を開いていたのだ。アリの声に反応し、こちらを向いていた。僕は手で扉を指しシンにマーク先生たちを呼びに行かせた。


「レオナルド! 聞こえるか? 僕らの声が聞こえるか?」


レオナルドが微かに頷いた。


「おにぃさまー」


アリは泣き出しレオナルドの顔を覆い被さるように抱きついた。僕はレオナルドの目が覚め安堵していると、シンがマーク先生を連れてきた。


「アリシア様、レオナルド様を診させてね」


マーク先生に言われ、アリはしぶしぶその場所を譲ると、すぐに診察が始まった。邪魔になってはいけないのでアリとアリの部屋で待機することにしたが、僕は気が抜けて力の入らないアリをずっと膝に抱っこしていた。



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― 新着の感想 ―
[良い点] ラートさんもだいぶ精神的に参っていますね。エドワード様の気遣いさすがです^_^ イアンさん、アレンさん、ラートさんをよろしくお願いします アリシアに謝るエドワード様、すべてに目をつぶって堪…
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