表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/156

13、絶望

残酷な部分があります。ご注意下さい。

 

 私はいつものノートを取り出しさっき思い出したことを書いていく。


『夜会でマリアンナ男爵令嬢にジュースを掛けたと言われた。私は飲み物を持っていなかったにも関わらずジュースを掛けていじめたことになっていた。エドワード王子とサイテス伯爵令息に責められる』


「ふぅー」


 書き終わるとさっさとノートをしまい、また横になる。気力がわかない。王妃教育もしばらく休んでいるが、それもそろそろ再開しなくてはならない。


 ボーッとしているとまた睡魔が襲い、いつの間にか眠ってしまう。



 ◇



『アリシア、お前はなんてことをしようとしたんだ!』


 ベッドに寝ている私にエドワード王子が怒鳴る。


『マリアンナを階段から突き落とそうとしたらしいな。それで避けられて自分が落ちるなんて愚かにもほどがある。死なずに骨折三本ですんだのはマリアンナのおかげだと思え。ただ、この件は裁判にかけるから逃げられると思うなよ』


『私はそのようなことは……し……ておりません。私は誰かに……突き落とされた……のです』


『マリアンナが嘘を言っているというのか? そんなにも死にたいのか?』


『もう……私を……解放してください』


『このまま逃がすと思うのか? 沙汰を待て』


 エドワード王子はそのまま部屋を去り、私は一人になった。逃げたいのに体が動かない。私の言葉は誰にも届かない。私はマリアンナ男爵令嬢にも、エドワード王子にも殺されようとしている。なら一層のこと自分で消えてしまったらこれ以上心は苦しまないのでは……。



 ◇



 霧が晴れたように目が覚めると、部屋についている簡易キッチンに向かった。


「アリ、アリ? どうしたの?」


 呼ばれたような気がしたが、目的を果たさなくては。ナイフを取り出し、首に当てるとそのまま切ったはずだった。が、最初首にナイフを当てた時の傷だけで、ざっくりとは切れていない。ナイフも動かせない。


 ?


 後ろを見るとナイフの刃を持ったレオナルドお兄様がいて、そのままナイフを取り上げられた。お兄様の手から血がしたたるのを見て私は失敗したのだと思いながら、気を失った。


「アリ? アリ!」



読んでいただきありがとうございます。

ブックマークや高評価★、感想など頂けるとうれしいです。

励みにしますのでぜひよろしくお願いします(*^^*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ