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128、護衛騎士ラート side 緊迫

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 甲板の方での大声で怒鳴る声が聞こえてから、テオドールは走って様子を見に行った。レオナルド様から私も行くように言われて様子を見に行くと驚きの光景だった。


「テオドールさん、そのままここで隠れててくださいね」


 一旦戻ろうとしたら、テオドールさんがここで様子を見ていると言うので私だけ先に戻って報告することにした。


「船長が拘束されてます。他にも甲板で作業をしていたと思われる二人も拘束されていました。犯人は四人で剣で脅していて、テオドールさんは今は隠れて近くで様子を見ています」


「ここから外に出るには甲板の近くを通るから……外に助けを呼ぶより制圧した方が早いな」


「あの船長を拘束できるほどだから少なくとも一人か二人はできると思った方がいいかもしれません。それと一人は女でしたが、どちらにせよ、こちらも全力で行くしかありません」


「テオドールにアリシアとエマを守りながら隠れていてもらおう。アリは反対しそうだが、攻撃は息が合わないと危険だからね」


 私はすぐにテオドールを呼び寄せた。戻る途中、さらっと説明するとすぐに理解してくれた。テオドールは犯人の目的は金であり、そろそろ他の船員も戻ってくる時間なので巻き込まれるのではと危惧していた。

 レオナルド様がアリシア様とエマのことを頼むとテオドールは船に常備してある剣を取り二人を連れていこうとするが、アリシア様が嫌がり困っていた。レオナルド様はアリシア様の両肩に手を乗せて話した。


「アリ、ごめんね。今はこの方法しか手がない。アリの元に無事に戻ってくるから今はテオドールと隠れていて。そうでないと戦えない」


「……わがまま言ってごめんなさい。お兄様、気をつけて……」


 アリシア様は泣きそうなのをこらえた顔をしながらテオドールについていった。


「レオナルド様もアリシア様についておられたほうがよかったのでは?」


 去っていくアリシア様たちを見ながらニックが言うと


「今は確実に制圧したい。よろしく頼むね」


 レオナルド様は心配そうな顔をすぐに立て直して切り替えた。私たちは犯人の近くまでくると帯刀していた刀を構え、ある程度の動きを確認してからニックが先に飛び出した。

 ニックは一番できそうな男に飛びかかり、キースクが加勢をする。もう一人いたはずだが見当たらないのでレオナルド様と分かれ私が男を、レオナルド様が女を拘束し後ろ手に縛り床に転がしたころにはニックも制圧し終わった後だった。


 船長たちの拘束を解いたあと、私とレオナルド様とでもう一人を探しにいく。犯人の顔を見たのは騎士の中では私だけだからだ。

 甲板から船室や操縦席、船長室いろいろと探してみたが見つからず、とりあえず甲板に戻ることにした。


「いませんねえ……」


「……」


 あらかた見て回ったが見つからず、二人で気配を探りつつ通路を歩いていると、気配がないまま剣が振り下ろされ咄嗟に剣で止めようとしたが間に合わずレオナルド様が腕をざっくり切られてしまった。しまった!


「他の三人は拘束したぞ」


「捕まれば打ち首だ。だから逃げ道を作らないとね。」


 レオナルド様が話しかけると、男は返事をしながら突然剣を振り下ろしてきた。私が当然のごとくそれを剣で打ち返すと、男はニヤリと笑った。


「あんたは俺が気配を消しても急所から避けた。こっちは俺の剣を打ち返した。……あいつらは諦めるしかないね」


 男は船を下船するために急に通路を走っていき、途中デッキに出たと同時に船外へと飛び降りた。この高さでも躊躇なく飛び降りられるぐらいのものが、なぜこのようなものと組んでいるのだろうか。男はうまく着地し、観光客に紛れて消えていった。


「レオナルド様、腕を見せてください!」


 私はすぐにレオナルド様の上着を脱がせると切られたところが紫に変色していた。血が滴っていて私は止血をしたが、これは毒だ。


「ある程度の耐性はあったんだけどね。これはきついね」


「すぐに解毒をしませんと、命にかかわります……うわっ! レオナルド様! 大丈夫ですか?」


 倒れてきたレオナルド様を支え、意識がないことを確認してから抱え、慌てて甲板に戻った。レオナルド様はぐったりとしていて顔色は白く、一刻を争うので医務室の医師に応急処置をしてもらう。この医師も捕まっていた一人だった。

 しばらくすると捕まっていた船員の一人が警備を連れてきたために犯人らは連れていかれ、そこでやっとニックはアリシア様を呼びに行った。それと同時に岸壁に馬車を呼び、私とレオナルド様は船の医師を連れて先に宿に戻ることにした。



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