11、エドワード王子side 愛着
僕は説得に説得を重ねてなんとか婚約解消を回避した。
それにしてもマリアンナ?一体誰だ?あとで調べてみよう。
アリは少し落ち着いてきたのか、次第に涙も止まり1冊のノートを引き出しから取り出した。
「夢に見たのを記録したものです」
「見てもいいの?」
アリは小さく頷いた。
最初のページを開くとショッキングなことが書いてあった。
『1回目、処刑。エドワード王子が愛するマリアンナ・ブラウニング男爵令嬢を殺そうとしたとして処刑。
2回目、処刑。エドワード王子が愛するマリアンナ・ブラウニング男爵令嬢を殺そうとしたとして処刑。
3回目、国外追放で事故死。。エドワード王子が愛するマリアンナ・ブラウニング男爵令嬢をいじめたとして国外追放。隣国に行く途中馬車が崖から落ちて事故死。』
え……?
目を見開いたまましばらく動けなかった。次のページを見ると僕がアリから離れていった様子や、冤罪の内容が書かれていた。
読み終えてアリの方を向くと涙を目にためて僕を見ていた。
あぁ。
分かった。こういうことだったのか。
こんな夢を見続けたのならこうなるよな。
僕はアリをそっと抱き締めた。少しぎこちなかったかもしれない。
「アリ……怖かったね。きっと僕のことが怖かったよね」
「うっ、うぅ……」
アリの肩が震えていた。
でもごめんね。もう手放せないんだ。アリのことを。
しばらくぎゅっとしていると泣き止んだアリが小さな声で
「愛しているって言ってくれてありがとうございます。すごくうれしかった……」
「うん」
これはチャンスだ。ここで間違った対応は絶対にしてはならない。ゆっくり、僕なしでは生きていけないようにしないと、アリは逃げてしまう。
「アリ、覚えていてね。僕が愛するのはアリ、あなただけだよ。僕はアリを愛しているよ」
何度も何度もアリの耳に、脳に届くように囁く。
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