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Assassin Crow  作者: なぼ
4/12

Assassin Crow 2.0 終

「…ここ付近なんだけど…」


ー…人通りの少ない、暗い公園にやってきた2人。

先程コルドが協力要請をしてきたのだが、その内容とは『ある人物に合わせろ』という事だった。

その人物にコンタクトを取ると、指定された場所がこの公園になった為来てみたのだが、人影などどこに見当たらなかった。

しかし一瞬の隙を見計らったかのようなタイミングで、その静かな空間に小さな声が響いた。


「よぉ、お前ら」


その声を聞いたウェインが微かな声でコルドに耳打ちをする。


「…来るぞ、コルド。構えろ」

「は?…」


次の瞬間コルドの首元に光の筋がキラッと光った。

間一髪でなんとか右へと避けるコルド。


(何が起きてる…!?)


その隙にも光の筋がどんどんコルドに迫っていく。

一瞬を見極めその光の筋に苦無を合わせてみるとキン!と金属の音がした為

その正体が恐らくだがわかったコルドは苦無で防ぎながらも間一髪で避けていく。


(くそ…っ、速すぎる…!)


と、その時上から知った声が、聞いたことないボリュームで降り注ぐ。


「コルドーーッッッ!合わせやがれ!!」

「ーッ!」


ドオオン!とした大音と巻き起こる煙、そして辺りに広がる冷気。

煙が捌けるとその正体が見えてきた。


「…は…」


大剣をコルドに降りかかる大男。

コルドはそれを苦無でギリギリ防いでおり、ウェインは大男の背中にのし掛かり、首元に短剣をチラつかせていた。

首元に刃を見せつけられたその大男はその身体からは想像もつかぬ俊敏な動きで2人の間から抜け、

ふんっ、ほっ、はいっ

と間合いを取る為アクロバティックに退がっていった。

間合いを取ったことを確認したウェインは短剣を引っ込め、大男に挨拶をした。


「…相変わらずだな。…アニキ」

「いやーっ、お久しぶりー♡」


アニキ、と呼ばれた男は後頭部に手を当てながらにかっと笑う。

見た目は髪先が跳ねている茜色をした短髪に左目の眼帯、両耳に大量のピアス、そして大剣…といった特徴オンパレードなモノだ。

アニキ、と聞いてもう1人リアクションをした者がいる。コルドだ。


「あっ、兄ー…?!」

「っすうっすー♪」

「もうやめようぜ、この挨拶」

「ウェ、ウェイン、レイドさんは兄様なのかー…?!」

「今更すぎ」


協力要請をしたのはコルドだったが、ある人物とウェインが接触していた事は知っていたものの、その人物の家族構成など調べた事もなかったし(というか機密なので調べられなかった)

ましてや実は憧れをも抱いていた人だった為こんな近くに居たなんて、などとこの場に似合わぬ『感想』をただ1人頭の中で巡らせていた。

そんな混乱中のコルドを後目にその人物はんっん!と喉をならし、体勢を立て直した。


「改めて。…【黒の組織】所属のレイドくんさんだ。はじめまして」


それを聞いて感動する者と呆れる者。


「あ、ああ…」

「はぁ…」


そんな対応にあまり反応もしないまま話を進めるレイド。


「んで、何だよ急に呼び出して」

「知ってる癖に。オレら本部に入れなくて困ってるんだ、何か知らねぇかなって」

「あーそれか!上層部に掛け合ってみたが音沙汰ナシ」

「やはりな」

「…まーそうだろうな」


納得する2人。それもそうだ。こんな末端のアサシン如きで動く訳もなく。

しかしレイドは話を続けた。


「ただ裏が動いてる所は見たぜ。上層部の1人を嗅ぎ回ってたんだが何やらゴホービ貰ってたな。時間差はかなりあったがビンゴだろ」


それを聞くも対処法が思い浮かばないウェインとコルドはため息をついた。


「…どうするかねぇ…」

「はは、あいつら金が大好きだから大金でもありゃ動くんじゃねぇの?」


などと冗談をかますレイドを他所に、ウェインとコルドは『それだ!』と言わんばかりに悩む。


「そんな大金どこにー……」

「「あ」」


あ、と閃きつつ拒否するコルド。

「いや、いや…!アレは駄目だ…!大事な証拠なのだ…!」

「お前この期に及んでそれかよ……もしかしたらそれを嗅ぎつけた『犯人』が取り返しに来るかもだぞ?」

「ぐ…」


コルドに言いつつレイドに目をやる。

憧れの人が言えば何倍、何十倍もの説得力を秘めた言葉になる。

それを知らないウェインではなかったので助けを求めた。

そこに気付いたレイドが口を挟む。


「そうすればそこを畳み掛ければ良い、か…」


「!…………あまり乗り気ではないが…仕方あるまい」


上手く丸め込んだウェインはよし、と言わんばかりにレイドにあるお願いをする。


「アニキ、この金を上層部に見せてくれないか」

「良いけど、タダで持ってかれる可能性もなくはないぞ?」

「…いや、それはない筈です。ただでさえ【黒の組織】絡みで金が動いているんです。…これくらいの大金隠せる筈もしないでしょうし」

「それもそうだな」


さっきまであんなにごねてたのによく考えられるな、などとレイドに揶揄われるコルド。

未だ証拠を消すのには抵抗があったが、1度良いと言ってしまったが故後には引けなくなっていた。


ー…アサシン本部エントランス。

アサシン入り口から少し遠のいた場所に存在するここは、アサシン内部に通ずる別れ道を担っている。アサシン内部へ行く通路や受付、果てはショップまでなんでもござれな場所である。

それだけに人通りも多く、下手なことをすれば目につきやすいのだが、今回はそこを狙っての作戦をコルドが考えた。


作戦はこうだ。

レイドが相談窓口まで行き、大金を見せつける。

うまくいけばそこでウェインとコルドの出入り禁止は解除されるかもしれないし、ダメな場合はレイドお得意の情報合戦(つまり上層部の賄賂を見せびらかす)でなんとか、というなんともいえない作戦だ。

ただし人通りが多い故にここで騒ぎを起こし、その上上層部の賄賂動画なんてものが流れてしまえば向こうも黙っちゃいないので意外と筋も通っていた。


まずは大金バッグを手にしたレイドが相談窓口まで向かい、窓口で一言。


「スミマセーン!」


すると出てきたのは顔面左、縦に大きく入った刺青が特徴の30半ばの男が出てきた。

服装は黒いローブ姿だろうか、肩付近までは見えるがそれ以外は窓口の狭さからか見えなかった。

その男は見知ったような挨拶をし、レイドと話し始めた。


「…なんだ、レイドじゃねえか。…また、か?」

「いやー、タダってのはさすがに悪かったっス。…コレでお願いしたいっス」


コレで、と窓口に出したのは大金が入ったバッグだ。

するとその様子を見ていたのだろうか、後ろに居た男が


「お兄さん」


とレイドを呼んだ次の瞬間!


「死ねぇぇっ!」


そう叫ぶと左手に隠し持っていたナイフでレイドに背後から襲いかかる。

それもただの背後ではなく、左後ろから奇襲をかけたのだ。

レイドが左目を眼帯で覆っている事を知っていたかのように。


「あー、わかる。左=死角みたいな発想。でもさ」


でもさ、と呟いたレイドの左手の温度が急激に変化し、光を発していく。

そして。


「そういうの燃やすから」


そう言った時には既に奇襲男は塵と化していた。

そう、レイドも特殊能力者の1人だった。


「ハイ、その間もレイドさんは鞄から手を離さないよー」


奇襲は1人ではない、というかの如くまた周囲から飛び出してくる男達。

その男を1人ずつ鞄で殴り、蹴り、そして燃やしていった。

しかしキリがない、と考えたレイドは大声で敵に提案した。


「そうだゲスト呼ぼうか!出でよ!」


すると入り口の方から何やら走ってくる音がする。


「追放コンビ!!」


追放コンビ、と呼ばれた2人を見て敵は目を丸くした。

何故なら入れない筈のウェインとコルドがエントランス入り口に立っていたからだった。


「なっ、何故2人が…」


それを見ていたレイドがその男に近づき、問う。


「何故、ってやっぱり君達がやってたんだ」


後ろから近づかれ怯える敵に対し、続けるレイド。


「でも今更止める力なんてないだろうから…ハイサヨナラ!」


そう言いながら左手の熱量を高めていき、敵に大きく降りかかると今まで通り塵と化した。

そうして無事大金を守り通したレイドにウェインとコルドが駆け寄っていく。


「アニキ」


それ、というような顔で大金バッグに目をやるウェイン。

いつ残党が襲ってくるかわからないこの状況で、ぼーっとしてるのは流石にアサシンとしても不味いのでレイドは右手に持っていたバッグをさっと渡そうとウェインに差し出したー…


「わぁってるよ、ホレーー…」


その時である。


「ーッッ?!」


上から何かが降ってきた、と察したその時既に、

差し出したバッグが何者かの手により盗まれてしまった。

事を把握した3人はすぐ様戦闘態勢に入る。


「いくぞ」


その何者かはエントランスエレベーター付近を横走りで移動しており、既に地上からは何十階も離れていた。

しかし、こちとら能力者付きのパーティという事もあり、ウェインとレイドが2人合わせて何者かが走っている先を読み、いくぞ、と息を合わせる。

そして氷と光炎を影が走っているエントランス壁に向けて一気に放出した。


「どーだ!」


どでかい爆発が起こり炎と煙が巻き起こるも、誰かが落ちたり煙から誰かが出てくる事はなかった。


「いや…」

「逃げられたか」


逃げられた事を確信したレイドが自身の不備を悔やんでいた。


「すまんオレのミスだわ」

「ー…でも目的は達成したわよね?」


透き通った声が彼らを振り向かせる。


「ああ」

「ありがとうニアさん」


ニア、と呼ばれた金髪ロングの女性は静かに微笑んでいたー…

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