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第98話 有名大学生に魔の手が伸びるのか

「じつは、総長ポーションの改良をお願いしたくて」

「なんだ、今度は?」

「えっと。身体増強はほどほどにして、思考力増強をガン増しするタイプなんですがね」

「なんだ? 魔法使いにでも使うというのか?」

「魔法なんておとぎ話のような話じゃなくて。新しい資金源になりそうな話なんですよ」


要は有名大学生のためのポーションだと言う。


どうも肉体労働のための総長ポーションが一部有名大学生に流れたという。

もちろん、一度、人の手に渡った物は本来の目的以外のところに流れるのは想定内だ。


実際には対価が入ってきている以上、組織としては大した問題にならない。

ただし、その流れた先が社会問題になりそうだとすると対策は必要だが。


「有名大学生は、どんなことに総長ポーションを使っているのだ?」

「それが、あのー」


なんか言いづらそうだな。

相当、ヤバイことなのか。


「ちゃんと言え」


我はお付きの男の目をじっーと見て言ってみた。

言い逃れは許さないつもりで。


「あの、その。要は男女のえっと」


なんだ?

なぜ、そんなに言いづらいのか。


「もしかして、セックスに使っているのか?」

「えっ、まぁ、そうなんですが……総長はそっちの方は分かるんですか?」


そうか。

今の我は女子中学生の身体だったな。

この世界では18歳未満とのセックスは非合法という訳が分からないルールがあるのだった。


「最近はぜんぜんしていないがな。昔は毎日のようにしていたぞ」


そう。

不老不死の身体を手に入れるまでは普通にしていた。

子孫を残すという本能にしたがってな。

その前の世界では、皇帝になったときは我専用のハーレム街があったくらいだ。


「えっ、そうなんですか。うわっ」


こいつ、変な妄想を始めたみたいだな。

今の我がどんなセックスをしているのか。

顔を見ているとなんとなく分かるが。


「我の話はいい。大学生の話をしろ」

「そうでした」


大学生たちは、いくつかの有名大学の生徒で同じサークルに入っているという。


そのサークルは表向きはテニスやスキー、サーフィン、ダイビング等を楽しむサークル。

だけど、裏の顔があって、要はヤリサーだ。


「ヤリサーか。そいつらは非合法な連中なのか?」


指定暴力団の総長が非合法を気にするのは変かもしれないが、指定暴力団は下手な非合法なことに関わると一発で逮捕される。

だから、そのあたりはしっかりと裏を取らないとな。


「レイプのようなことはないようです。セックス好きな男女が合意の元でやりまくるサークルらしいです」

「それなら、大した問題じゃないな」

「ですが、そこに総長ポーションが流れていて、体力と感度を強化してやりまくるようです」


あー、そういうことか。

総長ポーションを使えば、1日中やりまくることも可能だろうからな。

感度が上がるから、気持ち良さも半端ないだろうしな。


「だが、それも嗜好の問題だろう。何が問題なのだ」

「そこでして。やりまくりすぎて、総長ポーションを買う金がなくなったと言うんです。普通のバイトや親のスネをかじる程度では足りなくなってしまって」

「ああ。そういうことか」

「はい。で、割の良いバイトを紹介して欲しいと言うんです」

「それなら、肉体労働をさせればいいだろう」

「いやいや。もったいないですよ。有名大学ですよ、頭いいんです。もっと良い使い方があるんです」


話を聞くと、我が組織の下部組織としてIT企業を持つ組長がいるらしい。

そこでは、社畜プログラマーをいつも募集しているそうだ。


「それの条件にぴったりなんですよ。総長ポーションのためなら24時間でもプログラムを組み続けるでしょうし」

「さすがにそれはまずいだろう。20時間くらいにしておけ」

「そうなんです。だけど、今の総長ポーションでは効率が悪いんです」


おお、だから、身体強化をダウンして、思考強化をアップしたポーションがいるのか。


「よし、わかった1時間くれ」

「はい。期待していますよ」

「おう」


☆   ☆   ☆


「できましたか?」

「もちろんだ。これが新総長ポーション、いや、社畜ポーションと名付けよう」

「それはいいですね。効果はばっちりですね」

「もちろんだ。プログラマー特化の強化ポーションだ」

「あれ、ふたつありますね」


我が手にしているのは、コロナコーラのペットボトルに入った濃いオレンジの液体だ。


ひとつは1.5Lのもので濃いオレンジだ。

もうひとつは19L入りのウオーターサーバー用ボトルに入った普通のオレンジの液体。


「こっちの大きい方が社畜ポーションだ。一回5mL服用で1日社畜化するぞ」

「それはすごい。こっちのは?」

「こっちは20倍濃縮の社畜ポーションだ。そのうち必要になると思って作っておいた」

「すごいです。もう、そこまで作ったんですか」


感心をした顔をしているな。

我の知識と経験を持ってすれば簡単なことだがな。


「使い方は分かっているな」

「はい。水で20倍に薄めるんですよね」

「そうだ。間違っても、そのまま飲んではダメだぞ」

「わかっていますって」

「絶対、そのまま飲んだら駄目だぞ」

「はい。肝に命じます」

「大切なことだから、もう一回だけ言うぞ。そのまま飲むのはダメだぞ」


あいかわらず、元魔王の総長は無意識にフラグを立ててしまうらしい。


今日は、評価ポイントおねだりはお休みして、コロナの話。

だけど、直接書くとコメントが荒れるから、リンクしておこうっ。


『コロナウイルスの数字読みが違ってない?』→ https://ameblo.jp/pawarai/entry-12580589139.html

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― 新着の感想 ―
[一言] コロナコーラ! なんと不謹慎なネーミング! 笑ってしまいましたよ!
[気になる点] コロナコーラって ヤバくないすか? あれ? 大丈夫なのかな?
[一言] 頭脳特化…濃縮ポーション…自称頭脳派元上司…あっ…
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