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第83話 コスプレ魔王少女の破壊力はすごいらしい

「おーーー、柚子ちゃん。こっち向いて」

「はい、そこの人、線から出ないで」

「うわっ、なに、その笑顔。やられたー」


コミケットが開催された。

その広場の一角で毎年のようにコスプレイヤーが集まっている。


その中に元魔王の柚子もいる。


「やばいな。総長の人気。想像以上だ」

「だいたい、あの白Xピンクの悪魔のコスチュームなんだ。すごい破壊力なんだけど」

「えっと。前から総長がコスプレするんだったら、こんな感じかなと専門家に発注していてな」

「おいおい。総長お付きのお前、変な想像していたなんてバレたら、組員全員から袋叩きだぞ」

「なにいっているんですか、若頭。ただの妄想ですよ。今回の件がなかったら日の目をみなかったはずですし」

「いや、武闘組の組長があれをみたら、作った奴に鉄砲玉を飛ばせってきっというぞ」

「やめてくださいよ。そういうことを言うとフラグが立っちゃうじゃないですか」


そんな会話を知ってか、知らずか。

元魔王の総長は笑顔をふりまいている。


「柚子ちゃん、愛しているよーーー」

「我はおまえみたいな奴、嫌いだ」

「うわ、ズバンと来た。ツンデレだーー」

「僕も愛しているよーーー」

「我はお前みたいな奴、なんとも思わないぞ」


愛しているなんて声援を送るスマホ小僧にファイヤーボールを投げつけるポーズをしている。


もちろん、この世界では魔法が使えるはずもないからファイヤーボールは出ない。

しかし、元魔王に狙われた奴は精神的に来て、ぶっ倒れる。


もっとも、大半は鼻血を出しているからお察しだろう。


「今、我は誰でもできる仕事をしているぞ。ボランティアで参加する人を集めてるからここに来てくれ」


ボランティア募集のチラシをみんなに配っている。


中学生のはずなのに、総長になってから急に大きくなった胸。

今回の白xピンク悪魔コスチュームは、その胸の谷間が目立つようになっている。


「ね、お願い」


下から見上げるようにして、この一言を言う。

これだけは、頼まれたので、ちゃんとやる。


「うわっーーー、ツンデレだー。やられた」


また、元魔王の攻撃に倒れる人が出た。

それをあちこちでやる訳だから、たまらない。


「うーむ。総長、完璧ですね」

「ここまでノルとは。意外と総長は目立ちがりや、なのかもしれない」


この日の総長は、人気コスプレイヤーをしり目に人気トップになってしまった。

総長の周りに集まるスマホ小僧カメラ小僧は、他のコスプレイヤーの3倍にもなっている。


「柚子ちゃん。ブリッジしてください」

「こうかーー」


なんと、総長は際どい衣装のまま、後ろに倒れてブリッジの体勢になる。

もちろん、胸の谷間や、ハイレグになっている下の谷間はヤバイことになっている。


「うわーーー。横からじゃみえない。ちょっとどいてくれ」

「ふざけるなよ。押すなーーー」

「おい、倒れるぞ。こっち来るな」


とうとう、将棋倒しになる観客が出てきた。


そうなっても、一目でいいから、ベストアングルで撮影したい。

そんなマニア心を突く、最高のポージングだ。


「よっと」


一声入れて、ブリッジから足を前に振り出して回転を付けてしゃがむポーズになる。


「あーーー、なんで辞めちゃうの? てか、身体能力すごくない?」

「柚子ちゃん、今度はバク転ね」

「分かった!」


あっさりと3連続バク転を決める。

ついでにジャンプして捻り入りの2回転も決める。

まるでフィギュアスケートのジャンプ技だ。


「うわっ、すごいっ。もっとやって」

「かっこいーーー」


観客のリクエストがあると、余裕で実践してみせる元魔王。

もちろん、観客が思いつくことなど、元魔王にとっては簡単なことだ。


本当は、チャームドロップを持ってきているから、それを配って魅了してしまおうと予定していた。


しかし、実際はそんな物が必要ないくらい、観客は魅了されてしまった。


「おっ、テレビカメラだぞ」

「こういうのが好きなキー局の武士テレビじゃないの」

「確かに、柚子ちゃんの人気、際立っているからテレビカメラも来るなー」


テレビカメラは特権があるらしく、ちゃんと観客はどいて最前列まで来た。

総長は楽し気にテレビカメラ相手にポーズを決めている。


「うわっ、テレビはやばいんじゃないか。止めないと」

「バカ。あれはライブカメラだぞ。生放送でもう全国に放送されているぞ」

「あー。裏社会の関東トップが全国放送なんて。いいのかー」

「知らんがな。お前がこんなことを企画するからだろう」

「だって。総長の白悪魔の姿見たかったんだもん」

「それはしょうがないな」


これから何が起きるのか。

心配なところもあるけど。


総長なら、なんとかしてくれるだろうという無責任な期待で暴力団の組員達は納得してしまった。


☆   ☆   ☆


「みんな。我の仕事の手伝いのために集まってくれてありがとう」

「柚子ちゃんと一緒に居られるなら、なんでもするよーーー」

「おお。俺も一緒だお。なんでも言ってみて」

「柚子ちゃんの頼み、断れないーーー」


結局200人以上集まってしまった。

元々用意していた会場は、50人も入ったら満員になるところだったから、急遽、近くの空の倉庫に変更になった。


「それでは、まず。このジュースを飲んでみて」

「おおー飲むぞーー」


200人以上の男達、中には少数の女の子も混じっている。

きっと腐女子って奴だろう。


一斉に用意したジュースを飲み干した。


「それでは、テストするぞ」


総長ポーション入りのジュースの効果が効き始めるタイミングで総長は動き出した。


いきなり、男達の顔にパンチを入れたり、廻し蹴りをしたりする。

もちろん、本気ではなく、テスト用に軽くだが。


「うわっ、なんだ? えっ、どうして?」


後ろに2mも飛びのいた男。

自分がそんな反応できることに驚きを隠せない。


「よし、上出来だ。気分はどうだ?」

「なんか、すごい気持ちがいいです。身体の中からすごい力が湧いてくるような」

「うむ。いいぞ。それでは、これから肉体労働を始めるぞ」

「ええーー」


こうして200人越えの新しい労働者を手に入れた。


暴力団と言っても普通の組は20人もいれば大きい方だ。

実に10の組くらいの構成員を一気に集めたようにもの。


柚子の組織の勢力がまた強くなった。


今日は会話と対話って話をしようかな。


会話って言葉と対話って言葉、何が違うか知っているかな。

意外と知らない人が多いんだよね。


会話と対話の一番の違いは立場の違い。


同じ立場で話すのが会話、違う立場で話すのが対話。


なろうの掲示板は、作者と読者が参加する掲示板。


だから、そこで起きるいるのは、会話じゃなくて対話。


小説を書く立場と、それを読む立場。

当然、立場が違えば話す内容は違う。


だからと言って、作者の方が強いのかというと。

読者が同じような意見を持つ内容に、いい加減な対話をすると炎上してしまう。


炎上するかもしれない立場と、炎上してもしらんぷりができる立場。

そんな立場の違いがあるから、会話のようであっても、対話になる。


じゃあ、後書きはどうか。


そう。

ポイント評価が欲しい作者と、ポイント評価を入れる権利がある読者。

そんな対話の場なんだ。


対話にするためにも、ポイント評価入れて頂戴ね。

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― 新着の感想 ―
[一言] お付きの人…ちょっと握手しようか?
[一言] この魔王ノリノリであるw 元の世界の部下もきっとアクの強い連中だったんだろうなぁw
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