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第79話 駄目ロスメンの立て直しは単純な方がいい

「な。これが今の評価だ」

「おー。ひどいよ。4.5。駄目ねー」


今のパリ島宿泊の多くはネットの宿泊サイトを見て予約する。

その方が割引が多いし、写真や設備、口コミが見れるし。


だから、お客さんを増やそう思ったら、口コミの評価を上げないといけない。


「これをそうだな。7.0まで上げること。それが君のお仕事だ」

「ムリネー。そんないいのになれないね」


まぁ、普通考えたら、そうなるだろう。

だからこそ、彼女、18歳のエリカの力が必要なんだ。


彼女は特別な潜在能力がある。

その上、もう3年もバリ島親分のところでメイドをしている。


メイドとロスメンのスタッフは違うところもあるけど、似ている部分が多い。

それよりもなによりも、バリ島親分をずっと見てきて話を聞いている。


もちろん、特別なオーラも持っている。

できるはずだ。


「いいか。エリカはあのロスメンにおいては新人だ。だから、ちゃんと先輩を立てないと駄目だぞ」

「わかってる。一番年下だし」

「だけど、仕事の判断は先輩の言うことを信じずに、パリ島親分の教えを守ること」

「はいなー。バリ島親分の教え、絶対守るー」

「分からないことは、俺にメールで質問すること」

「はいな」


うん、これでいい。

後はふたつほど、ルールをすべてのスタッフに説明すればいい。


1.今後、部屋毎に担当を決める。

2.宿の評価が7.0以上が入った担当スタッフは、その日の日当は1.5倍になる。


スタッフの評価を明確にする。

その評価をするのは、お客さんだ。


ただ。

当然、それほどお客さんは評価しないから、そこは特別な仕掛けを作らないとな。


ウエルカムドリンクを用意した。


スイカの生ジュース。

ちょっとおしゃれなグラスでスイカのカットフルーツを飾っておく。

かわいい竹のストローも添えて。


そんな写真を見せて、サイトで宿評価してくれる約束をしてお客さんにウエルカムドリングをプレゼント。

元々、サイトでもウエルカムドリンクがあるかどうかが分かるようになっているけど、サイト上は無しにする。


だから期待していないから、評価をオッケーしてくれるお客さんもいるはずだ。


もちろん、エリカには過去の口コミ98件を全部読ませて、どんなことが良い評価につながるのか。

どんなことが悪い評価につながるのか。


よく勉強させておく。

まぁ、それで何をすべきか、エリカは良く分かるはずだ。


そのことを他のスタッフに聞かれたら、ちゃんと伝えること。

たけど、聞かれる前は教えたりしないこと。


あくまでも一番の新人なのだから、偉そうにするのはNGだ。


そして、俺からスタッフ全員に伝えること。


「このロスメンはバリ島親分の原点だ。無くなるようなことにしないで欲しい」


バリ島親分は、この島では誰もが知っている有名人。

すごいお金持ちなだけでなく、バリ島とバリ人を本当に愛している人。


バリ島親分の原点のロスメンで働いていることを誇りに思って欲しい。

そんな話をした。


エリカ以外はあまり響いてない様子だけどな。

特に一番年上の男。


このロスメンで18年働いているというから、まだ成功する前にここに滞在していたバリ島親分を知っているはずの男。


下を見て目を合わさない。

さて、どうなるかな。


☆   ☆   ☆


「何をしているんです?」

「あー、これか」


ヴィラのリビングでノートに書きだしていると、在真が興味を持ってきた。


「ロスメンスタッフに応募してきた女の子のリストだ。あと、ついでに面接したバリ島親分のとこのメイド達のも入れてある」

「へぇ、名前横が評価とか?」

「ああ。今回のロスメンスタッフには向かないが、それぞれ面白いスキルがある子が多かったからな」

「へぇ。翔太さんの人物鑑定ですね」

「そうだ」

「その情報、いいですね。トークン結びに載せちゃいません?」

「おいおい。個人情報保護っていうのがあってだな」

「もちろん、公開なんてしませんよ。ショウタイズムで利用するだけです」


そうか。

それならいいかもしれないな。


これからもまだ、バリ島で人を雇うかもしれないからな。

ベースになる情報があれば、それはいいかもしれないな。


「リクエストしてくれれば、マッチングしますよ。仕事と面接済みの人たちで」

「それはいいかもな。俺がいちいち考えないで済むしな」


そういうシステム化もできるんだな。

バリ島の人たちは純粋な人が多いし。


もっと、バリ島サテライトオフィスは大きくしたいしな。


バリ人に向く良質な仕事を増やせたら、俺もバリ島親分もバリ人も。

喜ぶだろうしな。


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― 新着の感想 ―
[一言] 客がいっぱいいてもいなくても給料が同じなら客が少ないほうがいいって思うのは日本のバイトも同じですからね。 いうほど日本人は働き者ってわけじゃないと思います。
[良い点] 面白いのでついつい毎日見ちゃいます ありがとうございます。 [一言] 後書きと本編がつながってるΣ(; ゜Д゜)ウハッ そういえば最近賢者でなくなったなあ
[良い点] 後書きが面白かった。実際はシェフも料理作って配膳棚に置くだけ。温かい料理が冷めるのを、仕方がないと立ち上がって取りに行くウエイターでしょうか。日本人は働くのならみんな一緒にという感じ。定時…
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