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第65話 俺はドーピングに負けられないと誓った

ドーピングチームとのフットサル試合の日。

マスコミ各社は取材陣を送り込んできた。


さすがに『なんでも鑑定団』のときの会見よりは少ないが、ただのフットサル試合だと思うととんでもない数が集まった。

他にも現役Jリーガーやアスリート関連の人たちも来ている。


「しかし、元Jリーガーのチームですよ。本当に勝てるんですか?」

「今、話題のエナジードリンクを僕らは利用するんですよ。元Jリーガーにだって負けるはずはありません」

「そんなにすごい物なんですか? そのエナジードリンクは」

「それは試合を見てもらえばわかります。まぁーうちのチームの方が若いですしね」


ヤホーニュースのおっさん記者がインタビューしている。


この試合の情報は文秋オンラインがスクープとして最初に報じた。

それも俺が参加するとなったから、スクープ度が一気に上がった。


おっさん記者がそれを見て悔しがった顔を想像すると思わずにやけてしまう。


こっちの元Jリーガーチームは40代が中心だ。

できるだけ有名な元選手をニッキーに選んでもらった。

もちろん、俺を含めてチームとしてバランスも良くしないといけないからずいぶんと悩んでいたな。


対する相手チームは20代が中心だ。

リーダーは、いかにも体育会系だと分かるガタイがいい男。


他の4人も学生時代はサッカー部だったんだろう。

ストレッチをしっかりとやっている。


「ニッキー、どうだ?」

「もちろん、若いからと言って負ける気はないですよ」

「それはそうだな」

「しかし、ドーピング効果はどのくらいか実際にあたってみないとわからないですね」

「もちろん、そうだろう。だから俺がチームに入っているんだ」


今回の試合のために、いくつか準備をした。


ひとつは通常のフォーメーション等の作戦だ。

これはニッキーが中心に組み立てた。


俺は主にドーピング対策だな。

ブロックサインを決めて、試合中に対策を伝える。

相手の動きを見ないと俺でも予想しきれないからな。


もっとも、俺はあっちの世界でエクスポーションで強化した敵と戦った経験がたくさんある。

どんな効果があるかはだいたい分かる。


もちろん、俺も使ったことがある。

魔王討伐の時は、もっと効果の高いポーション類を多種利用した。


「なぜ、フットサルの試合にエナジードリンクが禁止になるのか分からないんですよ」

「それは効果がありすぎるからではないですか?」

「それなら、全ての選手が利用すればいいだけじゃないですか。害がある訳でもないし」


あっちのリーダーはエナジードリンクの肯定派だな。

プロの試合にも利用を認めることを主張している。


確かにプロがエクスポーションを使えばスーパープレイが続出するだろう。

しかし、それはポーションの力に過ぎない。

それにどこまで価値があるのかは俺には分からない。


魔王を倒す、そのためには必須条件だったけどな。

現代においては、魔王のような存在はいない。

エクスポーションは必要などないだろう。


「相手チームに天才鑑定人がいるって聞いたときはどうでしたか?」

「あー、あのやらせ番組の奴。元Jリーガーに守られて活躍できると勘違いしているだけですね」

「しかし、鑑定能力はすごいと評判ですが?」

「骨董品の鑑定がフットサルに役に立つとでも考えているのでしょうか。甘いですね」


なんだって?

まぁいい。

試合になれば、分かることだ。


インタビューしている奴の鑑定はしておいた。

すぐに熱くなる性格だな。

試合で反則ギリギリのぶつかりでもしてやれば、冷静な判断ができなくなるだろう。


ん?

ひとりだけ違うオーラを持った男がいるな。

ゼッケンが3番の男。


他の奴らは闘志むき出しな赤系オーラなのに、ひとつだけ冷静な青系オーラ。

この試合に複雑な想いを持って参加してきたのだろう。


熱い想いがありそうなのに、それを超える冷静な感情。

こいつは要注意かもしれないな。


ん?

こっちが観ているのに気づいたみたいだ。

ニコッと笑い返してきた。


なに、こいつ。

爽やかなイケメン枠ってことか?


許せない!

イケメンだけは許してはいけないっ。


男達の敵だ。

あのイケメン3番だけは活躍させることは阻止しないとな。


「翔太さん。がんばってくださいっ」


おおっ、美人記者が声を掛けてくれた。

うむ、かっこいいところを見せないとな。


小説には多層構造が存在する。


なろう定番の追放物では、主人公も周囲も、主人公の能力を過小評価するというところから始まる。


その層がひとつだとすると、一般的な評価がもうひとつの層。

このふたつの層が多層構造となって、初期の物語が進んでいく。


これは小説に限らずに実社会でも起きる。


社内の評価というひとつの層と、社会の評価というもうひとつの層。

これが交わるのが、会社を辞めたときだ。


特にリストラという形だと、一気に多層が混じりあうことで、

悲劇が生じる。


もちろん、転生物も多層構造を持っている。

現代という層から、異世界という層へ。


現代では当たり前のことが、異世界において価値が生じてくる。


ここからが本題だ。


後書きの多層構造…要は。


ポイント評価ちょうだい。←みえみえの多層構造(笑)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 社会人が「同感」「そうであれば」と思える。 [気になる点] 政治・反社会勢力の影響を自分で感じたことがないのが分かる。あとがきも読み物のつもりならせめて要勉強。 [一言] 今のままで移住は…
[一言] アプリで読んでるとポイント評価ってとっても面倒なんですよねぇ、そんな理由で評価して上げたくても、ごめんなさいしている人って多いんじゃないかなぁ。。。 もしかしたらアプリによっては違ったりする…
[一言] 中毒性がないとは言え常にリミッターを外し続けてスポーツしたら選手生命が短くなるだけのような。 日本はただでさえそちら方面は遅れてるのに、膝やら肩やら肘やらの故障者が続出してからでは遅いと思…
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