第63話 エクスポーションには意外な利用法があったらしい
「すごいです、総長」
「なんだ? 騒がしいな」
「ソウチョードラッグはすごい勢いで広がっています」
なんだ、そのことか。
当たり前だろう。
あんな毒入りドラッグしかないこの世界だからな。
良薬は悪薬を駆逐するというのは、あっちでは常識だった。
「それでドラッグを使って関東進出を考えていた関西連中は青くなっています」
「それはよかったな」
「この際、関西に攻め込みませんか?」
「攻め込む?」
「ええ。関西にもソウチョードラッグを流すんですよ。そうしたら、あいつらのシノギは一気になくなります」
こいつ。
単純すぎるんじゃないか。
一応、住夜組の幹部で、二次組織のトップらしい。
こんな奴だけでよく住夜組が維持できたな。
「もし、関西に攻め込みたいなら、先にやることがあるだろう」
「どんなことです?」
「お前らを鍛え直すことだ」
「ええっ?」
なんでも暴力団対策法という法律ができてから、争いごとは起こしたら取り潰されるとかで、戦う気がなくなってしまったようだ。
裏社会の人間は強くなければ生きていけないのは、こっちもあっちも一緒のはずだ。
ぬるま湯に入っているような組員を鍛え直す必要があると前から考えていた。
「まず、お前とお前の組織のメンバーだ」
「えっと、何をしたらいいんでしょう」
「住夜組の下部組織に土木建築の会社をやっている組があると聞いたぞ」
「熊貝組ですか?」
「そこだ。とうぜん、土木作業員も募集しているだろう」
「もちろんです」
「お前達はそこで働くんだ」
「ええー、なんで、ですか?」
「もちろん、鍛えるためだ」
こいつらを普通にトレーニングさせても効率が悪いだけだろう。
土木作業させれば普通に身体は鍛えられるだろう。
「えっと。体を鍛えるために土木作業員になれと?」
「もちろん、ただ土木作業員になるだけではないがな」
「どういうことでしょう?」
「お前らには、1日1本のソウチョードラッグを支給する」
「ほ、本当ですかっ」
あのドラッグを使えば、3人分くらいの土木作業ができるだろう。
当然、そんなことをしたら翌日は筋肉痛がすごくなる。
こっちの世界にはプロテインという便利な筋肉増進するものがあるらしい。
筋肉痛を作り出し、プロテインを飲ませれば筋肉は間違いなく強くなる。
だらけたこいつらを強化する一番の方法だ。
「だけど、ソウチョードラッグはすごい快感だと聞きました」
「そうだ。ただ快感なだけでなく、頭の周りも早くなるし、知覚も上がるぞ。もちろん、肉体のパワーとスピードもだ」
「わかりました! やらせてみます」
我がソウチョードラッグを作ってから、シノギの心配がなくなったとだらけているからな。
組織を強くするには、やるべきことを与えることだ。
同時に組織のメンバーの強化にもつながる。
こいつらが我の組織の幹部だというんだからな。
あっちの世界の四天王にでも見られてみろ。
恥ずかしいどころではないからな。
いよいよ、我の組織の強化を本格的に始めるとするか。
あの勇者に止められたあっちの世界でのリベンジだしな。
楽しくなってきたぞ。
最近、エンジェルナンバーをよく見る。
エンジェルナンバーというまはスピリチュアルの世界で、
サインの意味があるナンバーなんだ。
777だったり、8888だったり。
車のナンバープレートとか、デジタル時計の時間とか。
妻とふたりで歩いていると、8888の車が来た。
まぁ、車のナンバープレートは希望ナンバーが選べるから、
見る可能性が多いんだけどね。
ただ。
ある3台あとくらいに8888がもう一台来た。
ここまでくると、ただの偶然じゃなくなって、
なんかのサインじゃないかなと。
今日の朝、この小説の情報ページをみてみたら。
評価人数が2222人で、ブクマが12999人だった。
なかなか、やるなぁーと思ったんだ。
エンジェルナンバーとかも含めて、いろんなサインが
来るときは、良い何かが起きる前触れだと言われているんだ。
もしかしたら。
ポイント評価してくれる人が増えるのかな。
わくわく。
ポイント評価入れてね。お願いっ。




