第57話 とんでも鑑定団に出演してみたぞ
「とんでも鑑定団の時間がやってきました。今日はなんと。生放送なんです」
MCのいつものフレーズで始まる番組。
この後に観客席の拍手になるのもいつものことだ。
しかし、今日はテレビの前ではなくスタジオの席に座って聴いている。
やっぱり、受ける印象は全然違うな。
「今日は今、骨董界で一番話題になっている人に来ていただきました。骨董鑑定システムの開発者にしてトップ鑑定人の翔太さんです」
「おうっ」
テレビカメラに写されるのは初めてだな。
あっちの世界にはなかったしな。
「骨董鑑定システムでは、今、ひとつの問題が起きているんです。それが鑑定人評価に不正があるんじゃないかってことです」
「そうなの~。そんなのずるいですっ」
アシスタントの女子アナか。
この番組は絶対、かわいいかどうかでアシスタントを選んでるな。
「ちょっと待ちなさいな。不正があると決まった訳じゃないんですよ」
「そうなのっ」
だけど、女子アナにしても、しゃべり方が幼いんだけど。
それでいいのか?
「それで急遽、鑑定対決っていうことになったんですよ」
「ええっ、鑑定対決? どういうことかしら?」
「これから、3問、鑑定の問題を出します」
「鑑定の問題?」
「骨董品の本物と偽物が出てきます。どちらが本物か当ててもらいます」
要は俺の鑑定能力が本物かどうか。
それが分かればいいんだろう。
だから、鑑定対決ってことだな。
悪いが鑑定スキルがあるから、余裕なんだよな。
「さて、一緒に鑑定するのは当番組の長老、永島聖太郎さん」
「御なじみですね」
「骨董品鑑定サイトでNo2の龍之介さん」
こいつか。
俺へのクレームをテレビ局にチクったのは。
まぁ、返り討ちにしてやるからな。
「この3人で鑑定バトルをしていただきます。もちろん永島さんをはじめ3人とも、どんな品物が出てくるか。全く知りません」
おお。
少なくとも、俺は何も知らんな。
テレビ局としては、俺が負けても、龍之介が負けても、どっちでもいいのだろう。
もっとも、永島があっさり負けるとカッコ悪いから、何か仕組んでいるかもしれないな。
「それでは第一問です。現代のリトグラフ作品です。ひとつは人気作家、村下隆さんの真作。もうひとつは贋作です」
俺達鑑定人の3人の座っている前に、布がかぶされた台が押されてやってきた。
「オープン」
布が取り払われ、2枚の絵が登場する。
これは鑑定するまでもないな。
「それでは鑑定してください。おっと、3人とも同じです。右側が真作です」
「本当にそうなのかなー。私には同じにしか見えない」
「では永島さんに解説してもらいましょう」
「はい、永島です。右が本物ですね。左は模写したものです。版画と水彩画ですから簡単に分かります」
「さすがです。それでは正解を発表しましょう」
ダラララララララーーー。
ドラムロールが響いて、絵の後ろにあるディスプレイに、右が真作、左が贋作と表示された。
「皆さん、正解です」
「さすがーーー」
まぁ、最初は簡単な物からということだな。
しかし、鑑定が必要なものにして欲しいな。
「それでは第2問。今度は掛け軸です。中国の清代の巨匠、呉昌碩の水墨画です」
今度は掛け軸が2枚。
今回の鑑定は、席から立たずに鑑定するのがルールだ。
普通の『とんでも鑑定団』はルーペで細部を見たりするが、対決ということで難しくしているのだろう。
「それでは鑑定してください」
見た目は同じだが、オーラが違うな。
ちゃんと鑑定するとするか。
うん。古さは一緒だということは清代の贋作ということか。
オーラが濁っているからすぐに分かるな。
「おっと、永島先生だけが左です。お二人は右側が真作となりました」
えっ、永島先生、間違えちゃうの?
それって番組的にまずくはないのかな。
もっとも、これでインチキ無しと分かったからよかったが。
ダラララララララーーー。
右が真作、左が贋作と表示された。
「なんと、永島先生が間違いました! 驚きです」
「すごっーーい。永島先生より、おふたりの鑑定が正確ということですね」
永島先生、汗かいているな。
やっぱり、この距離からの鑑定は難しいのか。
横をみると龍之介というおっさん、ニヤリと笑っている。
テレビで有名な鑑定人に勝ったのがうれしいのだろう。
見ているの気づいて眼を飛ばしてきやがった。
次が勝負ということだな。
よし、その挑戦、受けてやろうじゃないか。
「今日、ケン〇ッキーにしない?」
ずいぶんと前から流れているCMが気になっていたんだ。
ずいぶんとうまいCMだな、と。
単にフライドチキンをうまそうに食べながら、人気女優が言う。
ただ、それだけのCM。
最近の凝りすぎなストーリーCMに比べて、なんともシンプル。
だけど。
なんか、本当に夕食がフライドチキンになりそうな気がする。
もちろん、僕はケン〇ッキーにしたことはない。
だけど、これみて、ケン〇ッキーにした人、いるんじゃないかな、と。
で、ネットで調べてみた。
ケン〇ッキーの業績。
すると…すごい効果があったみたい。
ちょっと前に業績が落ちていたのが、V字回復。
今はイケイケ、ドンドンって状態らしい。
このCMを仕掛けたのが女性で、CMだけじゃなくて安いセットも出した。
その結果が業績回復したらしい。
で。
最近、マク〇ナルドのCMが似てきた。
「いいじゃん、マッ〇」
うーん、なんか違う。
全然、共感できないぞ。
だいたいなんでコーヒーだけでいいのか、なんて疑問を持つんだ。
そんなのいいに決まっているじゃん。
全然、行きたくないぞ。
まぁ、CMって難しいなー、と思いつつ。
最後はこれだね。
「今日、ポイント評価しない?」
ポイント評価待っています。




